弁護士として30年のキャリア 身近な「街の弁護士」として悩みに寄り添う
テレビドラマの弁護士に憧れて
ーー弁護士を目指したきっかけや理由を教えてください。
もう随分古い記憶ですが、小学生の頃に見たテレビドラマで、困っている人に寄り添い、助ける弁護士の姿に憧れたのがきっかけでした。
そのときに抱いた憧れの気持ちが消えることはなく、大学は法学部に進学して、司法試験に向けて必死に勉強しました。自習室で一人で勉強するだけでなく、司法試験を目指す研究室の仲間とゼミを組んで過去問を検討し、わからないところを教え合い、お互いに励まし支え合いながら勉強を続けました。
当時の司法試験は合格率が非常に低い狭き門でしたので、くじけそうになることもありましたが、合格を勝ち取ることができました。合格まで支えてくれた両親には今も深く感謝しています。
依頼者の話をじっくり聞いて納得のいく解決を
ーー仕事をする上で心がけていることは何でしょうか。
当然のことではありますが、依頼者から話をよく聞き、依頼者の意向を丁寧に汲み取ることです。
一見同じように思える事件でも、依頼者によって希望する解決が同じとは限りません。また、そもそも依頼者自身が自分が何を望んでいるのか明確になっていないこともあります。
そうした点を明らかにしないまま進めても、最終的には依頼者の望む解決ではなかったという結果になりかねません。そうならないために「依頼者の話を聞く」という基本的な部分はとても重要だと考えているんです。
ーー弁護士として活動をされてきた中で、印象に残っているエピソードを教えてください。
ある離婚裁判で、妻側の代理人を担当したことが印象に残っています。
依頼者は長年の生活のすれ違いや夫の暴力的な言動から離婚を望んでいましたが、夫が離婚を拒否したため、裁判にまで発展しました。
夫は裁判官からの和解の提案にも応じず、手続きの最終段階として証人尋問が行われました。離婚裁判では、DVによるケガで病院の診断書があるような場合を除けば、客観的な証拠がないことは珍しくありません。
そのため、本人たちの証言を証拠として提出するために、夫と妻それぞれに質問を行う形で証人尋問が行われます。この案件では、長年の生活のすれ違いや、暴力的な言動などから婚姻関係が破綻していたことを証明するために、私から夫に対して、依頼者が夫の言動によってどんなつらい思いをしていたかの説明も交えながら、夫に対して証人尋問を実施しました。
最終的に離婚を認めるという判断が出て、依頼者もとても喜んでくれたのですが、離婚できたということ以上に感謝されたのが私が夫に対して行った証人尋問のことでした。「私がずっと夫に言いたくても言えなかったことを、すべて代弁してくれた」と。
私としては勝訴判決を得るために必要なことを尋問で質問しただけで、依頼者の思いを伝えようと強く意識したわけではありません。交渉段階から裁判に至るまで、依頼者から夫に対するさまざまな思いを聞いていたので、自然と依頼者の思いを汲んだ尋問になったのだと思います。日頃から依頼者の声をじっくり聞いて、よく理解して解決に臨むことが大切だと実感した事件として印象に残っています。
1人で悩まずに気軽に相談を
ーープライベートについても伺います。休日はどのようにお過ごしですか。
スロージョギングをしています。スロージョギングとは、歩くくらいのペースでゆっくり時間をかけてランニングすることで、体への負担は少ない一方で効率的にエネルギーを消費できるということで、健康のために続けています。近くの小学校のグラウンドで、音楽やラジオを聞きながら1時間ほど走っているのですが、よい気分転換になっています。
落語も趣味で、特に古今亭志ん朝さんや柳家小三治さんを好んで聞いています。
ーー今後の展望についてお聞かせください。
下関に事務所を構えて約30年になりました。設立当初からの理念ですが、引き続き「街の弁護士」として、気軽に立ち寄って相談できる、身近で頼りになる存在であり続けたいと思います。
ーートラブルを抱えて悩んでいる方へ、メッセージをお願いします。
とにかく弁護士に相談してみることが解決の一歩だと思います。1人で悩まずに気軽に弁護士に相談してほしいと思いますね。
費用面が心配の方もいると思いますが、疑問点をすべて解消した上で依頼するかどうか判断していただきたいと思っていますので、安心して相談していただければと思います。