「今、助けを求めている方の役に立ちたい」〜丁寧な対話をモットーに家庭のトラブル解決に尽力
ドラマの主人公に憧れ弁護士の道へ。学生時代は法整備の活動にも取り組む
ーー弁護士を目指したきっかけや理由を教えてください。
原点となったのはテレビドラマです。『正義は勝つ』という作品で、織田裕二さん演じる弁護士の主人公に憧れました。様々な困難や妨害に直面しても決して諦めず、最終的には不正を暴いていく過程がすごく格好よくて、毎週ワクワクしながら観ていましたね。当時は中学生くらいだったと思います。このドラマの影響で「将来は弁護士になりたいな」と考えるようになりました。
ーー学生時代はどのように過ごされていましたか。
司法試験を受けようと決めて、大学は法学部に進学しました。学部生時代は法曹の仕事を多角的に見る期間にしようと思い、司法試験の勉強をする一方で、法律に関連する様々な活動に参加しました。
たとえば、政策立案コンテストに出場し、チームのメンバーと議論して政策案を練り上げたり、犯罪被害者支援の法制度化を目指すネットワークでボランティアをしたりと、勉強以外の活動にも積極的に取り組んでいました。
犯罪被害者支援ではシンポジウムの運営にも携わり、その際、刑法の大家の先生やマスコミの方とお話させていただいたりして、貴重な経験ができました。この活動をする中で、実際に犯罪被害を受けた方と出会い、どれほどの苦しみを抱えてきたのかを知りました。「やはり自分は弁護士になって、今助けを求めている方の役に立ちたい」と改めて思い、弁護士の道に進むことを決心しました。
ーー司法試験の方はいかがでしたか。
本当に苦労しました。学部生の頃からチャレンジして、ロースクールにも行って、ようやく合格できたというのが実感です。
真剣に勉強すればするほど、落ちたときのショックが大きいんですよね。「ここまでやったけど駄目だったということは、私には無理なのかな」と思ったこともありました。ただ、法律の勉強自体は好きで、「本当に面白いな」といつも思っていたので、嫌になることはなかったです。
被害者支援のボランティアはロースクールに進学した後も参加していたのですが、最終的には勉強一本に絞りました。合格したときには、ようやく努力が報われたと心底ホッとしました。
話しやすい雰囲気づくりを大切に。「すっきりした状態で帰っていただきたい」
ーー現在注力されている分野を教えてください。
一般民事事件、特に離婚や相続といった家事事件をメインで扱っています。依頼される件数が多いため、自然と注力するようになりました。
また、離婚や相続の問題は家族という近しい関係の人との間で生じる、生活に密着したトラブルです。平穏な日々が脅かされるストレスは計り知れません。私が弁護士を志した原点である「今、助けを求めている方の役に立ちたい」という思いに合致する分野だと考え、力を入れています。
ーー仕事をする上で心がけていることは何でしょうか。
依頼者との丁寧なコミュニケーションを最も重視しています。事件解決は弁護士1人の力ではできず、依頼者からの情報提供が必須です。依頼者が何気なく話した情報が解決のカギになることもよくあるため、1つひとつのエピソードにじっくり耳を傾けています。
また、ちょっとした雑談を通じてその方の価値観を知れることもあります。解決の方針を立てる上でとても重要な情報なので、あえて事件とは関係のない話をすることも多いです。雑談を挟むことで場の雰囲気も和やかになります。
せっかく事務所まで足を運んでいただくのですから、胸の内に溜まったモヤモヤを外に出して、すっきりした状態で帰っていただきたいと思っています。緊張すると言いたいことも言いづらくなってしまうので、何でも安心して話せる雰囲気づくりを大切にしています。
ーー弁護士として活動してきた中で印象に残っているエピソードはありますか。
いろいろ思い返してみたのですが、特に感動的で印象に残っている遺産分割事件があります。
お父様を亡くされた方から相談を受け、受任して相続人調査をしたところ、依頼者には長年離ればなれになっているお母様とお姉様がいることが判明し、2人とも健在だとわかりました。依頼者は幼少期に2人と離れて暮らすことになり、それから数十年間、どこでどうしているのか一切情報を得られないまま過ごしていたそうです。
今回のケースではお姉様が相続人に該当したため、遺産分割の話合いをするために事務所に来ていただくことになりました。数十年ぶりの再会に、依頼者は言葉が出ないほど感激され、お姉様の目も潤んでいて…。その場に立ち会った私も、感動で胸がいっぱいになったことを覚えています。
その後の遺産分割も、全くトラブルなく、スムーズに終えることができました。依頼者から後日、「母にも会いに行きました」と連絡をいただき、嬉しかったですね。
弁護士のもとに寄せられる事件はトラブル解決がメインで、こういった感動的な場面に立ち会うことはなかなかありません。家族の再会という貴重な機会に弁護士として携わることができ、とても印象に残っています。
ネットでは調べきれない、「もう一歩先」の情報を得ることで展望が広がる
ーープライベートについても伺います。休日の過ごし方やご趣味を教えてください。
平日は案件対応で忙しく、じっくり調べものをする時間が確保できないので、休日に調査や勉強をすることが多いです。あとは家事をしたり、家族と過ごしたりしています。
事務所のホームページには、将棋と野球観戦、ティータイムが趣味と書いてありますが、将棋と野球観戦については全然時間が取れず、すっかりご無沙汰です。今は、せめてお茶の時間を充実させようと思い、ちょっといい茶葉を買ってみたりしています。仕事に育児にと戦場のような日々の中で、美味しいお茶を飲んで一息つく時間が何よりの癒しです。
ずっとコーヒーが苦手だったのですが、アラフォーにしてやっと飲めるようになりました。最近は豆のまま買って、美味しく淹れる方法を研究しています。お湯の温度によっても味わいが変わるみたいで、色々調べながら試すのが楽しいですね。
ーー今後の展望を教えてください。
引き続き家事事件、特に相続に注力したいと思います。依頼していただいた1つひとつの案件をしっかり解決するとともに、紛争を発生させないための事前準備の情報も発信していきたいです。実際に、市役所などの無料相談を担当すると、「自分の死後、家族が相続で争わないようにするための方法を知りたい」という相談を一定数受けるので、ニーズはあると思います。
相続は事前に対策をしておくことで、十分にトラブルを回避できます。遺言作成のポイントなど、財産をお持ちの方やそのご家族にとって有用な情報を発信していこうと考えています。
ーー最後に、法律トラブルを抱えて悩んでいる方へ、メッセージをお願いします。
ご自身の悩みについて、インターネットで調べれば、ある程度の法律解説や裁判例の情報は入手できます。ただ、皆さんが知りたいもう一歩先の情報、つまり「一般論はわかったけど、自分のトラブルはどういう見通しになるんだろう」「解決のために、具体的に何をすればいいのかな」といったことは、ネットで調べてもなかなか辿り着けないことが多いです。
弁護士に相談していただければ、個別の事情を伺い、解決までの見通しや具体的な対処法をお伝えすることができます。一歩先の情報を得ることで展望が広がることもあるので、気軽に相談していただきたいと思います。