「他の誰かではなく、自分がやるんだ」という気概を持つ
「親父のような弁護士になりたい」
私の父は弁護士なんです。
幼い頃から、依頼者の味方になって働く父の姿を見て「かっこいいな」と感じていました。
高校を卒業すると、迷わず法学部に進学。大学入学後、父の経営する法律事務所で事務員としてアルバイトをするようになると「自分も弁護士として働きたい」という想いが確かなものになり、司法試験受験を決意。大学在学中に司法試験に合格し、2001年に弁護士登録を果たしました。
実際に弁護士になってみると、学生の頃にイメージしていた以上に大変で責任の重い仕事であると思い知らされました。人の争いごとに入っていって、感情や状況を整理していく仕事ですので、留意しなければいけないことがたくさんあります。
その中でも、私が一番重要だと思っているのは「報・連・相」です。
これは弁護士に限らずどの仕事にも言えると思います。特に、弁護士の仕事では、法律知識など、一般的に広く知られていないようなことを基にして交渉を進めることも多々あるので、依頼者との「報・連・相」をおろそかにしてしまうと、依頼者の意向や気持ちを置いてけぼりにしてしまうことに繋がり、取り返しのつかないことになってしまいます。
私という弁護士を信頼していただくために、そして社会の中での弁護士の信頼度を高めていくために、依頼者とはこまめに連絡を取り、依頼者の意向や心情を踏まえた弁護士活動を徹底していこうと心に決めています。
プロセスにこそ、やりがいが宿る
弁護士になって3年後に、最初に勤務弁護士としてお世話になった事務所から、学生時代にアルバイトをしていた父の事務所に移籍しました。
その頃から、業務の傍ら弁護団に所属しはじめました。はじめに、東京都を相手に争った「君が代不起立再雇用拒否事件」の弁護団で活動し、その後、東京電力に対して損害賠償を求める「原発被災者弁護団」や「過労死弁護団」の弁護団メンバーとして活動しています。
これらの活動を通じて、私は2つの大事なものを手に入れました。
まず1つ目は、裁判所等を動かし、社会を動かす過程をこの目で見るという経験です。
弁護団で取り組むような集団訴訟などの案件は、どれも長期戦になりやすいです。2-3年では解決できず、中には5年以上の歳月を要するものもあります。
でも、大勢の弁護士が集まって、知恵を集め、粘り強く主張立証を積み重ねることによって、弁護士一人ではできないことが可能になり、裁判所等を動かし、その結果、社会が少しずつ変わっていくことがあります。
そういう光景を目にするたびに、弁護士という仕事の可能性を実感しました。
原告団のみなさんから学んだこともあります。弁護団活動では、勝訴したこともあれば、残念ながら敗訴という結果で終わったものもありました。しかし、ただ単に「勝訴」「敗訴」という結果だけでなく、そこに至るプロセスに価値を見出してくれる方がたくさんいらっしゃいました。
「先生方が思いを代弁してくれたことが嬉しかった、社会の中に声が届いただけでも意味があった」
そう言ってもらった時には、弁護士という仕事の本質に改めて気づかされ、この仕事をする意味や価値をも考えさせられました。
幸運な出会い
そして、弁護団活動での2つ目の収穫は、現在の事務所の先輩である平岡敦先生に出会えたことです。
私は2014年に、父と一緒に働いていた法律事務所から、当事務所へ移籍してきました。弁護団活動を通して出会った平岡先生と一緒に働きたいと思い、先生に頼み込んで、当事務所の一員にしていただいたんです。
平岡先生は、まず滅多に怒らない人。
私はどちらかというと感情的な方で、弁護団内で議論をしていても、ついつい白熱してしまうことがあるんですが、平岡先生は正反対。感情的にならず、穏やかで、とても我慢強いんです。
そんな平岡先生とご一緒する中で、ある時、「この先生と一緒に仕事をすればきっと学べることが多いだろう」と思いました。
実際に一緒に働くようになると、私の予想どおり、先生の素晴らしいお人柄から学ぶことがたくさんあります。
心から尊敬できる人と同じ環境で働けることは、本当に幸運なことです。 この出会いに感謝しながら、人間的にも成長していきたいものです。

法律や判例を知っているだけで、救われることがある
弁護士になって17年間、いろいろなトラブルを担当してきました。
今思い返せば、珍しい事件もありましたね。
デート商法の被害に遭った大学生たちの集団訴訟を担当したり、渋谷区における有名ヘアサロンの立ち退きトラブルでは、1億8000万円あまりの立ち退き料を勝ち取ったこともありました。
事件が終わるごとに「先生に依頼して本当に良かった。ありがとうございます」と言われ、確かな嬉しさや達成感を感じました。
同時に、市民のみなさまが法律や判例を知ることの大事さも感じました。法律や判例を知っていれば、予防できたり、依頼者自身が賢明な判断を下せるようになるからです。
例えば、妊娠や中絶に関するトラブルでも「弁護士に頼んでも根本的には解決しない」とか「どうせ自分の責任だから」と初めから諦めてしまっている方が多いんです。
以前、ある女性依頼者から、こんな相談を受けました。
「合意の上で性交渉をして、妊娠しましたが、さまざまな事情があり、子供を育んでいくのは困難であると判断、合意の上で中絶をしました。しかし、中絶後、身体的・精神的なダメージが大きく、思うように仕事ができなくなりました。相手の男性に全く責任はないんでしょうか」
たしかに、ひと昔前までは、女性が泣き寝入りをすることが圧倒的に多かったと思います。
しかし、2009年に東京高等裁判所で、同様の事案に対し「男性が女性の身体的・精神的苦痛や経済的負担の不利益を軽減し、解消するための行為をしないことが不法行為に該当する」とされ、賠償命令が下されました。
つまり、合意の上での性交渉をして妊娠した子供を、お互いの合意の上で中絶したとしても、女性がその後受ける肉体的・精神的苦痛な負担は大きいであろうという理由で、男性にもある程度の責任を負わせることができるということです。
この判決は、それまでの常識や法的価値観に新しい風を吹き込みました。
こういう判例も、知っているのとそうでないのとでは、交渉前の心持ちに大きな差が出ます。知っていれば、必要以上に落ち込むことなく「諦めずに交渉しよう」と前向きになれるかもしれません。
また、法律や判例を十分に理解していないところにつけこんでくるような悪質な消費者被害もあります。 そんな時のためにも、自ら情報収集しておくことは大切なのです。
初回相談60分無料で、一つでも多くの“早期解決”を
少し前に、労働問題に悩む男性が事務所を訪れました。
話を聞いていくと、相談者の方は勤務していた会社の身勝手な判断により、同意していないにもかかわらず、別の会社への転籍命令を受けているとのことでした。
私はすぐに相手方に内容証明を送り、トラブルは無事に早期解決に至りました。
「権利があることはなんとなく分かっていたけど、行使できなかった。早く相談して良かった」と安堵する相談者の方を見て、私もホッとしました。
このように、弁護士に相談することで早期に解決される問題がたくさんあるため、私は「弁護士ドットコム」を見てご連絡をいただいた方には、どんな分野であっても、初回相談は60分無料と定めています。初回相談が30分では、どうしても中途半端になったり、大事な情報が抜け漏れたりする可能性があるからです。
弁護士の仕事において、初回相談は特に重要だと考えています。
60分じっくりお話を聞くことによって、早期解決できるトラブルを増やしていきたいです。 「方向性が分かって精神的に楽になった」「解決への希望を持てるようになった」と思えるかもしれませんので、心配なことがあればお気軽にご相談ください。
