モットーは「再生司法」〜目の前の問題解決で終わらせず、トラブル前より良い生活・会社経営を実現
対極にある法律事務所を経験してわかった自分の道
ーー弁護士を目指した理由を教えてください。
大きな理由は2つあります。
1つ目は、中学生の頃だったと思いますが、ある弁護士の活動を目にしたことです。その姿を見て、弁護士という仕事は、社会問題の解決のために闘い、個人の力で社会全体に影響を与えられるんだと憧れを抱きました。
2つ目は、おじが検察官で、幼い頃から色んな話を聞いていた影響もあり、法律家が身近に感じられる環境にあったことです。
弁護士になる場合も検察官になる場合も司法試験に合格するという点は同じなので、とにかくまずは試験を突破して、どちらにするかは後で決めようと思っていました。そして司法試験合格後の司法修習(研修期間のようなもの)で、弁護士・検察官それぞれの仕事を直接見た上で、弁護士になることを決めました。
ーー最終的に弁護士に決めた理由は何だったのですか?
検察官の業務も弁護士の業務も、どちらも非常にやりがいのある、魅力的な仕事だと感じていました。ですが、検察官は自分の判断でどのような案件を、誰のために引き受けるのかを決めることができません。一方弁護士は、相談者から信頼されて初めて依頼を受けることができることに、自分が必要とされていることが実感できました。そして、どのような方の、どのような案件の依頼を受けるかを自分で判断できることも大きな魅力でした。
ーー弁護士になってから、どのようなキャリアを歩んでこられたのでしょうか?
まず、東京の西村あさひ法律事務所に入所させていただきました。日本の四大法律事務所と呼ばれる大規模事務所の1つで、私が入所した10年以上前でも数百名の弁護士がいました。ここでは海外企業や日本の大手企業との取引などに関する案件を手がけて、企業法務について専門的な知識と経験を身に付けました。
その後、水戸市にある法律事務所に移籍しました。こちらは個人の法律問題を主に取り扱い、人権問題や市民運動などにも積極的に取り組む事務所でした。
ーー取り扱い分野も規模も、全く違う事務所に移籍されたのですね。
そうですね。もちろん大企業の仕事もやりがいはありました。ただ、個人や社会問題解決のために闘うというのは、弁護士を志した原点の1つです。個人法務や社会問題、人権活動などを扱う業務も担当したいと考えていました。
ーー企業法務をメインとする大規模事務所と個人法務をメインとする事務所のどちらも経験されて、改めてどういう道に進もうと思われたのでしょうか?
2つの法律事務所を経験させていただいて実感したことは、企業と個人、どちらの立場だから良いとか悪いということは全くないということです。個々の事情を見ずに、最初から「自分はこちらの立場からしか依頼を受けません」と決めることは、事案の適切な解決にはなりません。
どのような立場であっても、依頼者の主張が事実に基づき、理に適っているのであれば、弁護士として適切に主張することが求められますし、そのような依頼者の期待に応えられるような存在でありたいと思いました。
お世話になった2つの法律事務所での経験を経て、企業法務と個人法務、2つの知見を活かした法律事務所を運営したいと考え、弁護士登録をしてから約5年経った2013年に長瀬総合法律事務所を開設して今に至ります。当初は私1人で始めましたが、現在は茨城県内に4つの事務所を構え、弁護士も9名体制になりました。
茨城県は面積が広いので、4つの事務所を構えることで、依頼者にとって一番都合の良い場所に足を運んでいただけるようにしています。
ーー異なるタイプの事務所での勤務を経て、ご自身の事務所を構えた今、改めて、どういった方のために仕事をしたいと思われますか?
どのような立場であれ、誠実に現実と向き合っている個人・企業の皆様のお力になりたいと考えています。誠実な方・企業が報われない、正当な権利を主張できないということには納得ができない思いがあります。そういった方々のお力になることができ、少しでも笑顔が戻ったときに喜びを感じます。
個人、会社、そして社会を守る法的サービスを提供
ーー注力分野と、注力している理由を教えてください。
企業法務・相続・交通事故に注力しています。
企業法務については、弁護士になった当初から取り組んでおり、自分の強みを発揮できる分野だと考えて注力しています。また、茨城県では企業法務の重要性が浸透しておらず、顧問弁護士が付いていない企業だけでなく、法的トラブルに対して法律相談を検討するという考えに及ばない企業も少なくありません。企業法務に取り組む法律事務所はまだ多くありませんので、企業法務に傾注することで、地域のお役に立つことができると感じています。
相続については、企業法務とつながる部分も多いため注力しています。茨城県には中小企業が多く、経営者の高齢化も進んでいます。経営者が他界した後、預金や不動産といった遺産はもちろん、誰が会社を継ぐか、株式を誰が相続するかといった問題も生じますし、経営権を巡る裁判になることもあります。相続問題を適切に解決することが安定的な企業経営につながるため、企業法務に関する知識や経験も生かして取り組んでいます。
交通事故については、茨城県は自動車での移動が頻繁にあり、交通事故の問題も多く発生しています。個人法務の中でも特に多く担当してきた知識や経験も豊富にあります。また、顧問先企業からも、従業員の方が交通事故問題でお悩みになっているご相談はよく寄せられます。そのような場合にも迅速かつ適切に対応したいと考えて力を入れています。
ーー仕事をするうえで、どういうことを心がけていますか?
基本に忠実に、ということはいつも心がけています。たとえば、依頼者から連絡がきたらなるべく早く返事をする、整理整頓をする、期限や約束を守る、手間を惜しまずに調べるといったことです。
一見当たり前で、一つ一つのことは誰にでもできます。ですが、凡事徹底、つまり、なんでもないことを徹底的におこなうことは誰にでもできるわけではありません。
致命的なミスは、基本をおろそかにしたときに発生します。条文の確認を怠ったり、リサーチ不足で大事な裁判例を見落としていたりする場合ですね。このようなミスにつながらないように、基本に忠実におこなうことを意識しています。
トラブル解決で終わらない「再生司法」を目指す
ーー弁護士として活動する上での信念やポリシーを教えてください。
事務所の使命としても掲げていますが、すべてのクライアントを「再生」することです。
再生という言葉には、ただ「前の状態に戻す」のではなく「前より良い状態にする」という意味があります。弁護士として、目の前の紛争を解決するだけでなく、紛争をきっかけに、個人・企業いずれの方も紛争が起こる前よりも良い状態にしたい。その願いを「再生司法」という言葉に込めました。
ーー紛争が起こる前より良い状態というのは、具体的にどういうことでしょうか?
たとえば社員から会社に対して残業代請求されたとします。この場合、その社員との紛争を解決するだけでなく、それをきっかけに就業規則を改めたり、そもそも残業を減らす環境を整えたり、残業できない事情がある人でもきちんと評価される人事評価制度を設けるといった施策に取り組んでいきます。実際に、このような紛争をきっかけに社内の労務管理体制を改善することができたケースも経験しました。
ーー他に、再生司法を実感するケースとしてはどのようなものがありますか?
債務整理の案件も挙げられます。多額の借金の返済に追われ、余裕がない状態になってしまう方は多く見受けられます。債務整理によって一旦借金の返済をストップし、無理のない返済計画を立てて生活再建に向けたスタートをすることで、ご本人も余裕を持つことができ、ご家族との関係も見直すきっかけとなり、前向きに生きられるようになったーー。そのようなケースは多くあります。
相続でも、私たちが代理人として交渉し、相続人間でできる限り公平な遺産分割ができるよう提案した結果、それまで争っていた親族の諍いが和らぎ、早期解決に至ったということもあります。
企業法務であれば、M&A(企業の合併や買収)の案件も挙げられます。合併や買収と聞くと、会社同士が敵対しているようなイメージがあると思います。ですが、実際にはお互いを発展させるために前向きに合併するケースも少なくなく、合併をすることで社員の生活も守れます。こういったケースを手がけるたびに、弁護士の仕事は決してトラブルありきではないことを実感します。
仕事と家族を中心に、健康管理も怠らず
ーープライベートについても伺います。大学時代は、どのように過ごしていましたか。
空手部に所属しており、大学時代は空手部の活動と司法試験の勉強しかしていませんでした。大学時代までは空手の経験はなかったのですが、勧誘してくれた先輩方が魅力的で入部しました。大学での空手部を通じて培った体力と精神力が、弁護士となってからの日々を支える土台となってくれていると実感しています。
ーー休日の過ごし方やご趣味を教えてください。
子どもの習い事や塾の送り迎えなど家族の予定に合わせて動いています。今は仕事と家族が中心ですから、自分だけの時間はなかなか作れませんが、時間を見つけて筋トレを継続しています。コロナ禍の影響もあり数年でライフスタイルが変わり、体力も随分と落ちてしまったと感じていました。少しでも体力の衰えをカバーしようと思って筋トレを始めてからは、食生活にも気を遣うようになりました。
「ここに相談すればどんな案件でも対応してもらえる」と思っていただける事務所に
ーーこれからの展望についてお聞かせください。
当事務所では、複数の弁護士が所属しており、各弁護士がそれぞれ注力分野を持つようにしています。地方都市で業務を行っていることから、各弁護士は幅広く案件対応できる実力を培ってもらうと同時に、特定の注力分野を持ってもらうことで、事務所全体としても特定の分野に関する専門性が高まり、より迅速・的確に案件を進められるようになりました。
私は、先ほどお話したとおり企業法務・相続・交通事故に注力していますが、当事務所には、離婚に注力している弁護士、不動産問題に注力している弁護士、ネットの誹謗中傷に注力している弁護士などもいます。
「ここに相談すればどんな案件でも対応してもらえる」、そう思っていただける存在になることが目標です。また、自分たちの仕事を通じて、目の前の会社や個人だけでなく、地域社会がより良くなるサポートをしていきたいと思っています。
ーー法律トラブルを抱えて、悩んでいる方へのメッセージをお願いします。
様々なお立場ごとに色々な悩みがあると思いますが、どのような悩みであってもまずはご相談いただくことが最善の道だと思っています。
お1人で考えていてもなかなか良い解決策は見つかりません。第三者の意見、特に専門家の意見を聞くことで違う視点を得られるはずです。 まずはお気軽にご相談いただきたいと思います。