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マックで「商品買わず」、延々と勉強する大学生…追い出すことはできないの?
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マックで「商品買わず」、延々と勉強する大学生…追い出すことはできないの?

スタバやマックでパソコンを開いたり、教科書を開いたりして勉強する学生ーー。このような光景を目にしたことがある人は多いだろう。しかし、非常識な行動をとる客もいる。

首都圏に住むAさんによると、休日で混雑しているマックで席を探していたところ、店の商品を何も買わずに自ら持ち込んだペットボトルを片手に勉強している学生がいたという。しかし、レジとは違う階にあるテーブルだったため、店員から注意を受けることもなく、他の客も黙認していたという。

店員に対して、このような非常識な客を、追い出すよう求めることはできるのか。もし応じてくれない場合、自分で「出て行ってくれ」と主張して、追い出すことは認められるのだろうか。足立敬太弁護士に聞いた。

●店は「プライベートな空間」ではない

「迷惑客を追い出してもらうよう店側にお願いすることはできますが、最終的に、実行するかどうかは店の判断になります。『追い出したい』という要望は、必ずしも実現するわけではありません」

足立弁護士はこのように説明する。

「たとえば、若者がにぎやかに話しているのを迷惑と感じる客もいれば、そうでない客もいます。そもそも喫茶店は、自分だけのプライベートな空間ではありません。

そうである以上、自分が気にくわないからといって、すぐに『迷惑だから排除してほしい』と要求できるわけではありません。我慢しなければならないときもあります」

ただ、そもそも商品を購入することすらしない大学生は「客」と考えることができるのか。

「商品を購入しない人を『客』として扱うかどうか、これも店長など店側が判断することになります。ちゃんとした店ならちゃんと対応してくれるはずですから、席がないことを店員に伝えて席を用意してもらうのを待つべきです」

もし応じてくれない場合、自らこの大学生に対して、「出て行ってくれ」と主張して、追い出すことは認められるのか。

「誰を店から追い出すのかを決める管理権は店側にあります。従って客が直接他の客を追い出すことは許されないです。嫌なら『二度とこんな店には来ない』と決意して、自分が退店すべきです」

(弁護士ドットコムニュース)

プロフィール

足立 敬太
足立 敬太(あだち けいた)弁護士 あい弁護士法人富良野・凛と法律事務所 旭川OFFICE
北海道・富良野在住。投資被害・消費者事件や農家・農作物関係の事件を中心に複数の分野を取り扱う。「常に相談者・依頼者様の視点に立ち、分かりやすい説明を心がけています」

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