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遺産分割協議

自筆証書遺言の有効性を当初争っていたが、不動産の売却を実行することで、最終的には話合いで解決に導いた事例

ご相談者様

60代・男性

事件の概要

ご相談者は長男で、母は先立っていて父の相続についての案件でした。 
ご相談者は、長男として、父母とともに父名義の土地建物に居住し、長年生活の面倒を見てきました。

しかし、父がなくなる2~3年前に、妹が父の面倒を見たいというので、ご相談者は格別心配もなく妹に父を預けました。ところが、妹に父を預けたあと、父の自筆証書遺言が作成されました。

ご相談者としては、遺言の内容が、妹に有利な内容になっていたこと、また何より、そもそも父が自分で書いた遺言なのかどうか疑問だということで、当事務所にご相談に来られました。

解決ストーリー

まず、当事務所は、遺言が父の自筆によるものか、民間の筆跡鑑定を依頼したところ、こちら側に有利な結果が出たことから、遺言の無効を視野に入れて調停を申し立てました。

しかし、調停が始まってから、相手方(妹側)も任意に筆跡の鑑定をし、それはそれで相手方にとって有利な結果になっていました。

したがって、調停では、遺言の有効性と、また、長年両親と生活してきた土地建物の売却も現実的な問題となりました。

その土地建物に居住しているご依頼者としては、移転先の確保とその資金繰りが何よりの懸案事項でした。

当事務所は、実際に不動産が売却でき、ご依頼者が新しい住居を確保することが重要であると考えました。
そこで、不動産の売却を知り合いの業者に委任することの合意を相手方から取り付け、これにより、不動産の売却と、ご依頼者の移転先の確保を実現しました。

結果、当事者双方にとっては、あとは不動産を売却した金額をどう分けるかという問題だけとなり、その後は話合いがスムーズに進み、結局、遺言無効を争うまでもなく解決に至ることが出来ました。

渋谷徹法律事務所からのコメント

遺言(とくに自筆証書遺言)が無効ではないか、と言う問題はかなり耳にするところです。
ただ、遺言の無効については、どうやって立証するかという点のほか、現実問題として訴訟で争う場合には費用が高額になる可能性があります。また筆跡鑑定などの費用もさらにかかり、時間的にも長期化することは避けられません。

この件に限ったことではありませんが、遺産の配分については、金額的にどれだけになるのか、と言う問題のほか、具体的にどうそれを実現していくか、も重要な要素になります。

本件ではありませんが、遺産が不動産だけといった場合は多く、その場合にはこれを売却しなければ分配が実現しないといったことは多数あります。
その場合にはそこに居住している相続人についてどう調整していくか、また場合によっては調停の過程で売却を実現して進めていくことも効果的です。

このように、遺産の分割については、いたずらに対立するだけでなく、協調して進行を図るといった配慮も必要ですし、それは結果として、双方にとって早期に納得のいく解決、にもつながってきます。

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