依頼者に安心感と勇気を与える存在として、丁寧に話を聞き、共に問題解決に取り組む
地域の人から相談を受ける父の姿を見て法律に興味を抱く
ーー弁護士を目指したきっかけや理由を教えてください。
父が司法書士をしていて、地元の方から相続手続などの身近な困りごとについて相談を受けていました。父は、日曜日でもお客様から相談があると言って事務所に出ていました。子どもながらに、日曜日まで大変だなと思っていましたが、他方で、父はやりがいをもって仕事をしているんだろうなとも感じていました。そういった父の姿を見て、自然と、法律を使っていろんな人の悩みを解決する仕事を目指してみようかなと思うようになりました。
ーーどんな学生時代でしたか。
大学生活は授業を受けながら、サークル活動やアルバイトにいそしむ、「普通の学生」でしたね。3,4年生の際にはゼミを履修していましたが、司法試験受験に特化したゼミではなく、就職組とロースクール進学組が半々くらいのゼミでした。今でも年に1度はゼミの同期と交流していますが、法曹とはまったく異なる領域・立場でそれぞれに日々奮闘している友人の話を聞くと、とても刺激を受けます。
大学を卒業してからはロースクールに進学し、充実した日々を送りました。授業では、ただ教授の話を聞くだけでなく、他の学生や教授と議論する機会が多くあり、それがとても面白かったです。
ーー注力分野と、その分野に注力している理由を教えてください。
離婚・男女問題と、成年後見です。
離婚・男女問題については、弊所には女性弁護士が多く在籍していることから、女性の方からご相談を受けることが多いです。弊所には2024年4月時点で6人の女性弁護士が在籍しています。女性弁護士がこの人数在籍している法律事務所は神奈川県内でも珍しいのではないでしょうか。
私自身、抱えている案件の半分ほどが離婚、婚姻費用や養育費の請求、面会交流など、離婚・男女問題に関するものです。家族・夫婦の問題は、なかなか相談しづらいですよね。女性の方からの離婚のご相談の多くは、モラル・ハラスメントを原因とするものですが、「自分にも非があるんじゃないか」と思っていらっしゃる方も多く、相談をすることさえためらわれてしまう。そんな中、一歩踏みだして相談にいらしてくれた、その勇気を讃えたいという気持ちでいっぱいになりながら、ご相談にのっています。離婚が成立するなど、解決した時は、本当に、自分のことのように嬉しいです。
成年後見では、高齢者や知的障害を持つ方など、自ら財産管理や法律行為を行うことが難しい方の代わりに、財産管理や法律行為を行います。
後見といっても、ご本人の判断能力にはグラデーションがあります。そのため、個々のケースに応じて、ご本人や親族の方と密にコミュニケーションをとり、ご本人の意思を最大限尊重することを心がけています。中には、一人暮らしをしている方もいるため、1〜2か月に1度、ご自宅を訪問するようなケースもあります。他愛もないおしゃべりをしながら、体調の変化や困りごとができていないかを確認しています。
依頼者が安心できるよう、しっかり話を聞く
ーー仕事をする上で心がけていることを教えてください。
依頼者・ご相談者様の話をしっかり聞くことです。法的なアドバイスをするのはもちろんですが、まずは自分の気持ちや考えを聞いてほしいという思いでご相談にいらしていると思うのです。それに、お気持ちや考えを理解しないと、その方にとって何が最良の解決方法なのかを検討することができません。そのため依頼者とのコミュニケーションを重視しています。
ーー弁護士として活動してきた中で、印象に残っているエピソードを教えてください。
私が弁護士になったのは、東日本大震災及び東京電力福島第一原子力発電所事故が起きた2011年です。原発事故によって被害をこうむった方たちの力になりたいという思いから、福島原発訴訟の原告弁護団に所属し、今もその活動を続けています。
私が担当してきたのは、原発事故による被害実態をどのように主張立証するかを検討・実践することです。弁護士1年目の頃から福島に通って、多くの原告の方たちから被害の聞き取りを行ってきました。
その中で特に印象に残っているのは、事故当時、小さなお子さんを抱えていた、同世代の女性たちから聞いた話です。母乳育児を続けたくても、母乳に放射性物質が含まれているのではないかと不安になり、粉ミルクに切り替えざるを得なかった。子どもへの健康影響を懸念して、沖縄まで母子避難をしたけれど、避難についての考え方が夫と異なり、離婚することになった。原発事故の被害は、生活のあらゆる面にあらわれる、根深いものだということを、実感させられました。
第1陣訴訟は、原賠審中間指針第五次追補の策定につながるなど一定の成果はありつつも、残念ながら、最高裁で国に敗訴という形となりました。現在でも第2陣訴訟が福島地裁に係属しています。二度と原発事故を起こさせないために、国の法的責任を勝ち取るため、引き続き、全力で取り組んでいきたいと思います。
依頼者をエンパワーメントする弁護士でありたい
ーープライベートについても伺います。休日はどのようにお過ごしですか。
普段はインドア派で、休みの日は家のことをやったり、時間に追われずゆっくりご飯を作ったりと家で過ごすことが多いのですが、年に一度は海外旅行に行きます。
昔から旅行が好きで、国内はもちろん、様々な国や地域を訪れました。これまでに訪れた国・地域には、アメリカ、ハワイ、メキシコ、フランス、イタリア、ポルトガル、スペイン、韓国、タイ、スリランカなどがあります。旅行は夫婦で行ったり、事務所の同僚弁護士や事務員さんと行くこともあります。旅先で美味しい食べ物を見つけるのが特技です。
ーー今後の展望を教えてください。
弁護士の役割は、問題を法律的に解決することだけではなく、依頼者をエンパワーメントする(力づける、自信を与える)ことにあると考えています。これまでも意識してきたことですが、依頼者の話をしっかり聞くことで安心してもらい、依頼者と共に問題解決に取り組むことが大切だと思います。この姿勢を今後も続けたいです。
ーー法律トラブルを抱えて悩んでいる方へメッセージをお願いします。
相談に来る方の中には、「こんな些細なことで相談してもよいのかな」とためらう方が多いのですが、どんなことでも遠慮せずに気軽に相談していただきたいなと思います。
弁護士は、みなさんの問題解決のお手伝いをする存在です。ご相談にいらしていただければ、現状の課題の整理を行い、課題を解決するための方法を丁寧に説明いたします。ご自身の問題を整理するためにも、ぜひお気軽にご相談にいらしてください。