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過失割合80対20の提示から10対90に修正し、訴訟上の和解が成立した事例
相談前の状況
ご依頼者は、片側2車線の道路を自動車で走行し、道路沿いの施設に入るため、右折合図を出して右折しようとしていました。
右折態勢に入ったところ、同一方向の後方から進行してきた相手方車両が、車列の右側に設けられたゼブラゾーンを直進して追い越そうとし、ご依頼者の車両に衝突しました。
この事故により、ご依頼者は頚部や背部を負傷し、通院治療を受けました。
しかし、相手方から提示された過失割合は、「ご依頼者80%、相手方20%」というものでした。
ご依頼者としては、右折合図を出して右折態勢に入っていたにもかかわらず、自身に80%もの過失があることには納得できない状況でした。
双方の主張の隔たりが大きく、示談交渉による解決が困難であったため、ご相談いただきました。
解決への流れ
ご依頼を受けた後、防犯カメラ映像、事故現場の道路状況、警察が作成した物件事故報告書などを収集し、事故態様を詳しく検討しました。
相手方は、訴訟において、ご依頼者が右折合図を出していなかったと主張しました。
しかし、警察官が事故直後に作成した物件事故報告書には、相手方自身が「ウインカーを出している車に気が付かず、ぶつかってしまった」と説明した旨が記載されていました。
そこで、事故直後の相手方の説明と、訴訟における主張が矛盾していることを指摘し、ご依頼者が右折合図を出していたことを主張しました。
また、防犯カメラ映像などを分析したところ、ご依頼者の車両は単に進路変更を始めた段階ではなく、車線の右端に寄り、既に右折態勢に入っていました。
他方、相手方車両は、通常の走行車線ではなく、車列の右側にあるゼブラゾーンを後方から進行していました。
そのため、通常の進路変更事故として評価するのは相当ではなく、既に右折態勢に入っていた車両と、その右側から追い越そうとした後続車両との事故として過失割合を判断すべきであると主張しました。
さらに、相手方は治療期間の一部や家事休業損害も争ってきました。
これに対して、診療録等を精査し、治療期間中も頚部及び背部の症状が残っていたものの、治療により段階的に改善していたことを主張しました。
家事休業損害についても、調理、洗濯物を干す作業、掃除、布団の片付け、浴槽の掃除などに具体的な支障が生じていたことを明らかにしました。
その結果、最終的に、ご依頼者10%、相手方90%の過失割合を前提として、訴訟上の和解が成立しました。
当初の提示では、ご依頼者の過失が80%とされていましたが、訴訟を通じて事故状況を具体的に主張・立証したことにより、ご依頼者の過失を10%まで大幅に減らすことができました。
國田 修平 弁護士からのコメント
交通事故の過失割合は、保険会社から最初に提示された割合で確定するものではありません。
本件では、相手方から、ご依頼者に80%の過失があるとの提示を受けていました。
しかし、防犯カメラ映像、道路形状及び警察が作成した事故直後の資料を精査すると、相手方車両が後方からゼブラゾーンを進行していたことや、ご依頼者が右折合図を出していたことを裏付ける事情が確認できました。
特に、相手方が事故直後には「ウインカーを出している車に気が付かなかった」と説明していたにもかかわらず、訴訟では「右折合図は出ていなかった」と主張していた点は、相手方の主張の信用性を判断するうえで重要な事情でした。
保険会社から提示された過失割合に納得できない場合、防犯カメラ、ドライブレコーダー、警察作成資料及び事故直後の当事者の説明などを精査することで、結論が大きく変わる可能性があります。
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