家裁非常勤裁判官としての知見・経験を活かし、離婚・相続分野に注力 裁判員裁判経験も多数
離婚、相続問題に注力。成年後見にも積極的に対応
ーー弁護士を目指したきっかけや理由を教えてください。
当初は公務員試験を受けようと考えていたのですが、どうせなら文系で最高峰の司法試験に挑戦しようと思ったのがきっかけです。そこから本格的に勉強を始めて、6年目にどうにか合格できました。勉強を続けて挑戦し続けることは大変でしたが、最後は、ここまできたら受かるまでがんばろうという気持ちでしたね。
ーー注力している分野を教えてください。
家庭裁判所で非常勤裁判官として勤めていた経験もあるので、離婚や相続といった家事事件を多く取り扱っています。件数は民事よりも少ないですが、刑事事件も積極的に引き受けています。事件の見通しや必要な手続き、どのくらい費用がかかるかなど不明瞭な点を可能な限り明確にし、相談者に丁寧に伝えることを心掛けています。
成年後見制度の後見人を依頼されることも多いです。成年後見というと、認知症が発症するなど、判断能力が低下した高齢者の利用を思い浮かべる方が多いかもしれませんが、障害のあるお子さんをもつご両親からの相談も少なくありません。
いわゆる「8050問題」と言われている問題にもつながるのですが、障害のある子の面倒を見ていた両親が高齢となって、自分たちが亡くなった後の子のことを心配して、財産の管理などを弁護士に依頼するケースです。
私自身、障害の持つ子どもの親であることから、こうした境遇にある方たちの力になりたいと思い、取り組んでいます。
ーーどのようなケースがあるのでしょうか。
例えば、相続が発生した際、遺言がなく相続人が複数いる場合は、相続人全員の合意によって遺産分割する必要がありますが、障害によって判断能力がない相続人は遺産分割協議で法的に有効な意思表示をすることができません。そのため、成年後見人が本人の代わりに遺産分割協議に参加する必要があります。
非常勤裁判官としての経験を、弁護士としての強みに
ーー非常勤裁判官の経験が弁護士業務に活きている点はありますか。
ひとつは、俯瞰的に事件に取り組むことができる点です。依頼者の目線に立って、依頼者の立場から事件に向き合うことももちろん大切ですが、それだけでは視野が狭くなってしまうことがあります
裁判官の目線として、事件を客観的に、俯瞰的に捉える視点を得られたことは、弁護士としての業務にも大いに役に立っていると思います。
もうひとつは、裁判官としての経験があることで、弁護士として裁判官と対峙する際、裁判官の判断の傾向などをある程度予想できることです。「この事実からは、裁判官はこのように判断する可能性が高い」といったように、ある程度の見込みを持った上で事件に臨むことができるのは、強みと言ってよいのではないかと思います。
刑事弁護を担当する際は、被害者への気持ちを大切に
ーー弁護士として活動をされてきた中で、特に印象に残っているエピソードはありますか。
ある裁判員裁判で、難しいと思われていた執行猶予つきの判決を得ることができたことが印象に残っています。親族の方にも感謝されたのでとても記憶に残っています。
確かに刑事事件は困難で、ときには批判も受けますが、国選弁護士として担当する事件は、誰かがやらなければならない重要な仕事だと認識しています。弁護士としての責任を果たすために一生懸命やっているという自負はあります。
ーー刑事事件を手掛けるうえで、心がけていることはありますか?
被害者の方の気持ちを強く意識しています。被告人から被害者への弁償をしたいという相談の場合でも、被害者の方が弁護士と話すことを拒む場合もあります。そのような被害者の方々に対しては、傷つけないよう、また理解を得られるように丁寧に説明することを心掛けています。
トラブルを未然に防ぐには、早めの相談を
ーートラブルがある場合は、どのタイミングで相談するのが良いのでしょうか。
どの段階で相談すれば良いのかを判断するのは難しいと思います。ただし、早期に相談をいただくことが、問題解決には最適です。現在起きている問題に対して何が可能で、何が困難なのかを明らかにし、それに基づいて今後の方針を決定することができるからです。
ーー最後に法律トラブルを抱えて悩んでいらっしゃる方へのメッセージをお願いいたします。
トラブルが問題になる前に回避できる方法があるなら、その選択をするべきです。その際に必要なのは、第三者目線で見てもらうこと。だからこそ、まずは弁護士にご相談ください。