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周防正行監督ら「共謀罪」の危険性を強調「解釈と運用でどうにでもなる粗い編み目」
周防正行監督

周防正行監督ら「共謀罪」の危険性を強調「解釈と運用でどうにでもなる粗い編み目」

日弁連は5月18日、都内でいわゆる共謀罪(テロ等準備罪)の成立に反対する集会を開催した。痴漢冤罪を描いた映画「それでもボクはやってない」などで知られる周防正行監督は、「法律は解釈と運用でどうにでもなる」と述べ、危険性を強調した。

政府はテロ対策と銘打っているが、対象となる犯罪は277種類(衆院事務局によると316種類)と広範で、所得税法や著作権法など生命や身体に影響がなさそうなものも含まれている。

周防監督は、日本がすでに13本のテロ防止関連条約に加盟していることや、政府が主張する国際組織犯罪防止条約の加盟に、共謀罪の成立は求められていないことなどを解説。次のように訴えた。

「テロ対策に不備があるというのなら、共謀罪みたいな粗い編み目の大きな網をかけるのではなく、具体的に何が足りないかを明示し、その不備をカバーできる法案を提出して、国会で議論していただきたい」

集会には学者も多数出席。刑法学者の浅田和茂・立命館大学教授は、国会で審議されている法案は何が罪になるのかという明確性を欠いており、刑法の原則である罪刑法定主義に反すると説明。共謀罪が未遂の処罰規定がない犯罪や親告罪にも適用されることにも触れ、「実態は思想の処罰だ」と批判した。

表現の自由にくわしい専修大学の山田健太教授は、「警察を信用しましょうという精神論では自由は守れません」と訴えた。

(弁護士ドットコムニュース)

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