磯田 直也 弁護士
事態が切迫しており、一刻の猶予もない状況でした。刑事処罰を回避するためには、会社側が警察に被害届や告訴状を提出する前に、迅速かつ誠実に被害弁償を行い、示談を成立させる以外に道はないと判断しました。当事務所では直ちに以下の活動を開始しました。・被害弁償資金の確保: 依頼者に対し、親族からの借入れや資産の売却など、あらゆる手段を講じてでも、被害額全額(6000万円)を即座に準備する必要があることを強く説明しました。幸い、依頼者は親族の協力を得て、短期間で全額を準備する目途を立てることができました。・会社側との交渉: 弁護士は依頼者の代理人として、直ちに会社の顧問弁護士と面談の機会を設けました。席上、依頼者が自身の行為を深く反省し、心から謝罪していること、そして被害額全額を速やかに一括で弁償する用意があることを伝えました。・示談条件の協議: 会社側は当初、被害額の大きさと裏切られたことへの怒りから強硬な姿勢でしたが、弁護士は、①刑事事件化した場合、会社側にも捜査協力や評判リスク等の負担が生じる可能性があること、②何よりもまず被害回復(6000万円の即時回収)を実現することが会社にとって最も合理的であること、③依頼者が深く反省し退職を予定していることなどを丁寧に説明し、交渉を続けました。交渉の結果、会社側は最終的に、「被害額全額の即時弁済」と「依頼者の即時退職」などを条件に、刑事告訴や被害届の提出はしないという内容での示談(和解)に応じる意向を示しました。当事務所において速やかに示談書を作成し、被害弁償も完了させました。結果、依頼者は逮捕・起訴されることなく、刑事事件化そのものを回避することができました。依頼者は会社を退職しましたが、最も恐れていた実刑判決と前科を免れることができました。
被害額6000万円の業務上横領、刑事事件化前の示談交渉で解決した事例の
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