刑事事件・少年事件に注力〜迅速な接見がモットー「一刻も早く、弁護士という味方がいることを伝えたい」
否認事件をきっかけに、被疑者・被告人のケアの重要性を知る
ーー弁護士を目指した経緯を教えてください。
大学時代、アルバイト先で同僚がケガをしたときに、責任者から「バイトは労災が適用されない」と言われて泣き寝入りする姿を目の当たりにしたんです。調べてみると、アルバイトでも労災申請できるとわかり、「法律を知らないと損をすることもあるんだな」と思いました。この頃から、漠然と弁護士になりたいと思うようになりました。
ちょうど私が大学生のときにロースクール制度が創設されて弁護士への門戸が広がったことに背中を押され、司法試験にチャレンジしようと決意しました。
ーー注力分野とその分野に注力している理由を教えてください。
案件として一番多いのは、刑事事件、少年事件です。
弁護士になって初めて自分だけの力で手がけたのが、否認事件、つまり本人が容疑を認めていない刑事事件でした。
被疑者の方は、全く身に覚えがないのに逮捕された、ということで精神的にかなりナーバスになっていました。「自分はやっていないけれど、もう楽になりたいから罪を認めたい」と何度も言う様子を見て、弁護士がしっかりケアをしないと、やっていない罪を認めてしまうことが起こりうるのではないかと思ったんです。
この事件を通じて、弁護士が被疑者・被告人をサポートすることの大切さを知り、それ以来刑事事件、少年事件に力を入れています。
ーープロフィールページに、「夜9時を超える場合でも、時間の許す限り相談当日に本人に接見に伺い、現場に駆けつけております」と書かれていました。刑事事件において、弁護士の接見は重要なポイントなのでしょうか。
はい。捜査段階では、迅速に接見に行くことが一番大事だと思います。取り調べが始まるタイミングより少しでも前に接見に行かないと、本当はやっていないのに取り調べが辛くて罪を認めてしまう、といった取り返しがつかない事態を招く可能性があります。そうなる前に接見に行き、弁護士という味方がいると伝えることはすごく大事です。
また、否認事件では、「検察官が作る調書にサインをしない」という方針をとることもあります。しかし、早く接見に行かないとそのようなアドバイスができません。その結果、取り調べで自分にとって不利なことを話して、検察側に有利な内容の調書にサインをしてしまうことが起こりえます。こうした事態を避けるためにも、一刻も早く接見に行くようにしています。
信頼関係を作るため、真摯にコミュニケーション
ーー仕事をするときに心がけていることを教えてください。
依頼者の方との信頼関係を作ることが一番大事だと思っているので、コミュニケーションをしっかりとることを意識しています。
話しやすい雰囲気を作ることや、上から目線にならないこと、真摯に話を聞くことを心がけています。専門用語をなるべく使わず、わかりやすい言葉で説明することも意識しています。事件の見通しや流れについても、「今後はこういうふうに手続きが進みます」と丁寧に伝えています。
少年事件の場合は、成人の方と接するとき以上に説明の仕方に気をつけて、「どうしたら分かりやすいか」と考えながら噛み砕いて説明しています。少年は、重大な事件を起こしていても、実際に話してみるとすごく素直なことが多いです。こちらが本人の思いを理解すれば、それだけでいい方向に向かう場合もあるので、より一層本人の話に耳を傾けるようにしています。
ーー覚醒剤の事件を多く扱ってきたと伺いました。
そうですね。弁護士になったときから、多く手がけてきました。覚醒剤事件特有の難しさは、再犯率の高さです。頭ではやめたいと思ってもなかなかやめられず、苦しんでいる方がたくさんいます。
なぜ薬物に手を出すようになったのか、本人もよくわかっていない場合は少なくありません。弁護活動では、薬物に依存してしまう本当の原因を一緒に考えたり、精神科のクリニックなどに通院していただいたりして、再犯を防ぐためにサポートしています。
ーー弁護士として活動をしてきた中で、印象に残っているエピソードを教えてください。
少年による薬物事件が印象に残っています。家庭環境が非常に複雑で、「自分なんかどうでもいい」と自暴自棄になって薬物に手を出してしまったという案件でした。
私が何度話に行っても少年はなかなか心を開いてくれず、苦労したことを覚えています。更生に向けてサポートをしてくれる方がいないか探し回ったところ、かなり遠方に住んでいる親戚の方が支援を申し出てくださいました。少年と一緒にその方を訪ねて、「あなたのことを大切に思ってくれる人がいるんだよ」と話したりするなかで、少しずつ心を開いてくれるようになりました。
最終的には、少年院には行かず、保護観察という形に落ち着きました。今ではしっかり更生して、ときどき連絡もくれます。
この事件を手がけたことで、保護環境を整えることの重要さを知りました。本人と正面から向き合い、本当に欲しているものを探っていくことで、更生の方向に向かうことも実感できました。とても印象深い事件です。
ーープライベートについても伺います。休日の過ごし方や趣味を教えてください。
家族と過ごすことが多いです。出かけることが好きで、コロナ前は家族旅行にもよく行っていました。
趣味はスポーツ観戦です。時間ができたときはふらっと球場に足を運ぶこともあります。
ーー最後に、永井先生の今後の展望と、トラブルを抱えて悩んでいる方へのメッセージをお願いします。
展望としては、今と同じように、刑事事件・少年事件にできる限り注力していきたいと考えています。
トラブルやお悩みを抱えている方の中には、「こんなことを弁護士に相談していいのかな」と思う方もいると思います。結果的に、弁護士に相談する話ではなかったとしても、話すだけでスッと気持ちが晴れるかもしれません。遠慮なく、お気軽に問い合わせていただければと思います。
また、刑事事件や少年事件は特に、迅速に対応することが重要です。トラブルを抱えた際は、お早めにご相談ください。