企業法務・顧問弁護士の解決事例

【人事・労務】労働組合団体交渉への対応

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相談前の状況  労働組合から団体交渉を求める通知が来ましたが、労働組合からの要求は、特定の従業員に対する残業代の請求です。このような、特定の労働者の問題についても、労働組合と団体交渉をしなければならないのでしょうか。

解決への流れ  特定の労働者だけの問題でも団体交渉の応じなければならいことを知り、団体交渉に応じました。
 残業代に関して事前に検討したところ、訴訟に発展した場合には残業代支払いのリスクがあることが分かりました。
 団体交渉では、それらのリスクを踏まえて交渉し、結果として、訴訟に発展した場合よりも廉価な解決金の支払いをすることで解決することができました。

芳賀 広健 弁護士 芳賀 広健 弁護士からのコメント  労組法上、団体交渉に応じなければならない事項に制限はありません。また、①組合員の労働条件や待遇、又は団体的労使関係の運営に関する事項であって、②使用者に処分可能なものについては、団体交渉を拒むことはできないと考えられています。
 特定の労働者の残業代に関する問題は、まさに組合員である労働者の労働条件や待遇に関する事項で、残業代の支払いをするかしないか会社の判断で決定できるため、使用者に処分可能なものとして、義務的団体交渉事項に該当します。
 そのため、今回のケースでは団体交渉を拒否することはできません。
 労働組合と交渉することに違和感を覚えるかもしれませんが、最近の団体交渉では、特定の労働者に関する問題が協議事項とされることが多いです。中小企業の場合、会社内に労働組合が存在しないことが多く、特定の労働者が会社に残業代を請求する場合や退職する際に、地域ユニオンに相談するためです。
 なお、労働者が最初から弁護士に相談した場合には、弁護士から、残業代を求める通知が来ます。
 残業代の請求を受けた場合には、まずは残業をしていた事実があるか、タイムカードや出勤簿等を確認します。また、必要に応じて他の従業員から聞き取り調査等を行い、残業の実態を確認します。
 なお、労働安全衛生法により、労働時間を把握することは会社側の義務となっていますので、日ごろから労働時間を把握しなければならないことに注意が必要です。
 また、固定残業性を採用しているケースも多いと思われます。固定残業制度が有効か否か、労働契約書や就業規則の規程を確認してリスクの洗い出しをします。

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