
「社会的に弱い立場にある人たちの力になりたい」弱者の目線に寄り添って、債務整理・遺産分割などに注力
裁判官だった祖父の影響で法曹の世界へ
ーー弁護士を目指したきっかけは?
もともと中学生ぐらいから漠然と法曹という仕事を考え始めていたんですけど、その最初のきっかけとしては、祖父が裁判官をやっていたことだと思います。
大学では法学部に進学しました。そうして実際に法律を勉強していくなかで、法律のアカデミックな面の面白さも感じていき、また裁判実務に関わったり、実際の現場で起こっている困りごとをどう解決したらいいかということを考えるようになったことで、より法律に興味を引かれていきました。
ーーでは、法曹三者のなかで弁護士を選ばれた理由は?
一番の理由は、司法試験合格後の司法修習のなかで、最も面白かったのが弁護士事務所での研修だったこと。また、その際にお世話になった先生が活き活きと仕事をされている様子を見て、「すごくいい仕事だな」と感銘を受けたのも大きかったです。
実際に依頼者の自宅に行ったり、生活保護が必要な場合は役所に行ったり、そうやって動き回っている姿が今も非常に印象に残っています。それがずっと裁判所にいる裁判官や、検察官とは一味違うなって思ったんですよ。
ーーロースクールにはすぐに進まず、一度就職されていますね。
学生の間に司法試験(旧試験)に合格できなかったので、やっぱり仕事をしなきゃいけないということで、仕事もしつつ勉強もしつつっていう時代があったわけですね。当時は飲食店で働いたり、警備員をしていたこともあります。
試験の日程が毎年決まっているので、それに合わせてうまく働こうと思ってた時期があって、試験の直前はなるべく仕事はしないで、試験が終わったらガッツリ仕事をする……みたいなサイクルの生活をしばらく送っていました。その後、ロースクールに入ることになりました。
ーーでもその時の経験は弁護士になった後に生きそうです。
そうですね。私のプロフィールを見てくれた相談者の方が「自分と近い境遇だな」と思って親近感を持ってもらえることはありますね。
ーー先生が注力されている分野は?
弁護士ドットコムさんに掲載しているのは5分野あるかと思います。この中で特に力を入れているのは債務整理。次に、遺産相続、交通事故です。
債務整理に力を入れているのは、「社会的に弱い立場にある人たちの力になりたい」という気持ちが大きいですね。
先程お話した恩師の先生も、社会的、経済的に弱い人の味方になっていました。その影響もありますし、実際に自分で仕事をしてみたときにも自分に合ってるなって思いましたし、やりがいも大きい仕事だと思っています。
解決には「人間力が問われる」
ーー弁護士として活動するなかで、印象的だったエピソードは?
「他の事務所に相談したり、依頼したりしていたんだけど、うまくいかなかった」という依頼者の方が、うちの事務所にセカンドオピニオン的に相談していただいて、別の切り口からアドバイスをさせていただいたら、解決できたことがありました。「佐々木先生に依頼してよかったです」というお言葉をいただいて、その時は非常に嬉しく思いましたね。
ーー同じ弁護士でも解決に差が出るんですね。どういう例がありますか?
とてもシンプルな話で言うと、他の弁護士が時効という制度に気づいておらず、そこに気づいたらあっさり解決できてしまうとか。他の弁護士だったら見落としているんだけど、別の弁護士に相談したことで、新たな視点で何か気づきが生まれるっていうことはありえますよね。
弁護士のセカンドオピニオンも、最近は増えていると思います。弁護士ドットコムでも複数の事務所のページを見たうえで「ここがいいかな」って最初にふるいにかけて、複数の事務所に相談をしてみて、相性が良い弁護士を探している方もいらっしゃいます。
もちろん私も依頼者の意思はもちろん尊重しますが、無理なことを引き受けるわけにはいかないので、無理なことは無理と伝えリスクのある部分についてはしっかり説明した上で、納得してもらって、依頼してもらっています。その方が、のちのちトラブルにもなりにくいですし、最終的にそれが依頼者のためになると考えています。
ーー他に注力してるのは?
2番目の注力分野が遺産相続で、最近、結構ご依頼も増えてきている印象です。遺産分割は、やはりお金の問題が中心ではあるんですけど、人対人の問題という面も大きいので、感情が絡むことが多く、そういう中で依頼者や、相手方を説得しなければなりません。
だからこそ、単純なお金の問題ではなくて、相手の気持ちを汲み取って理解したうえで提案するようにしています。人間をある程度理解した上で対応することが解決の一つの鍵にはなってるんじゃないかなと思っています。
ーー人間力がかなり問われると。
そうですね。私は苦労人と感じてもらえることがあり、相手から信用してもらえるからこそ、本音を話していただけることがあります。そうすれば、その人がどう考えてるのかがよりこちらも深くわかりやすくなりますよね。
ーー仕事をする時に先生が心がけていることは?
今まで話したことと重なりますが、依頼者の心を開いてもらって、しっかりいいことも悪いことも聞き取ること。そうすることで、なるべく最良かつ最短のルートで解決にたどり着けるようにしています。
遺産相続を事務所内でワンストップで解決したい
ーー今後の方針について教えてください。
事務所としては、基本路線はそう大きく変えるつもりはありません。当事務所は札幌駅の近くにあるため、他の事務所と比較すると利用しやすいと思います。土曜日の営業も続けていこうと思ってます。
また、弁護士も次の年度からひとり入所する予定ですので、少しずつ拡大して、サービスも充実していけたらいいなと思っています。具体的には、弁護士事務所が行なっているサービスだけではなく、他士業が行なっているサービスを提供すること。司法書士の登記業務とか、税理士の税務申告業務を、ひとつの事務所内でワンストップで提供できたらいいなと思っているんです。
たとえば遺産相続の案件では、遺産に不動産がある場合、登記を申請しなきゃいけない…という場面がある。その時に別の司法書士さんを紹介して、余計に料金かかってしまうという問題がありました。税理士も一緒ですよね。相続税の申告をしなきゃいけないときに、税理士さんを紹介して、そこでまた税理士費用がかかっちゃうと。
ですので、これ全部パッケージにしてしまって、全部面倒見てあげられるようになれたらというのがひとつの理想ですよね。一応、弁護士であれば、税理士登録をして税理士業務を行うことができるのですが、場合によっては司法書士に事務所に入ってもらう必要もあるかと思います。
ーー最後に、法律トラブルを抱えて悩んでいる人に一言メッセージをお願いします。
「相談する場合はなるべく早めのほうがいいですよ」ということはお伝えしておきたいと思います。債務整理にしても早めにご相談いただいたほうが、状況が悪化してしまう前の解決方法が見い出しやすいですし、遺産相続でも自分で相手と話し合うことで、かえって対立が深くなってしまうことは少なくありません。専門家が入ったほうがより良い解決がしやすいことも多いんです。
当事務所は土曜日も営業していて、10時~17時まで相談可能です。債務整理・遺産相続・交通事故の初回相談は無料で受け付けており、できる限り便利な相談環境を整えていますので、少しでも早くお気軽にご相談いただきたいですね。