家事調停官や裁判員裁判の経験を活かし、民事・刑事を問わず幅広いトラブル解決に尽力
「人の助けになりたい」使命感を抱き、弁護士に
ーー弁護士を目指したきっかけや理由を教えてください。
もう40年も前のことになりますが、大学時代、友人に「法学部に入ったんだから、司法試験を目指そう」と誘われたことがきっかけです。最初は軽い気持ちで受験して、結局合格するまで5年間、受け続けることになりました。試験を受け続けたのは、性格が負けず嫌いなことと、人の助けになる仕事がしたいという使命感のような想いに突き動かされていたからだと思います。
私は北海道の釧路出身なのですが、大学時代は京都で過ごしていました。夏は暑くて仕方がなかったです。40年前なので下宿に冷房などはなく、友人から「奥田は溶けるんじゃないか」と言われていました(笑)。
ーー注力分野と、その分野に注力している理由を教えてください。
札幌の町弁として、個人や中小企業の経営者の方からの相談をメインに受けています。特に力を入れているのは離婚や相続といった家事事件と、刑事事件です。
家事事件については、家事調停官という非常勤の裁判官を2年間務めたことがあり、その経験を活かしたいという思いから注力しています。
家事調停官として携わった事件は200件を超えます。相続事件もあれば離婚や養育費の事件もあり、弁護士がついている事件、ついていない事件…と本当にさまざまなケースを経験しました。
裁判官という第三者的な立場から事件を見る経験を積んだことは、弁護士の仕事にも役立っています。「裁判所から見たときにどう見えているか」を常に意識するようになり、「この主張をしても裁判所には通用しないな」「こういうふうに伝えたら通りやすいな」といったことを的確に見極められるようになりました。
刑事事件は、もともと関心が高い分野であることと、一度無罪判決を獲得したことがきっかけで、力を入れるようになりました。国選事件を担当することが多いですが、インターネットで私を知ってくれた方から、私選で依頼されることもあります。
裁判員制度が始まった当初から裁判員裁判の事件を割り当ててもらい、今までに10件近く手がけました。札幌の弁護士のなかでは多く経験しているほうだと思います。
ーー裁判員裁判ならではの難しさややりがいはありますか。
難しいのは、裁判員に選ばれた方に、いかにわかりやすくプレゼンテーションするかということです。
通常の裁判であれば、それなりにたくさんの書面であっても裁判官は読んでくれますし、書面の内容をもとに判断を下してくれます。でも、裁判員裁判の場合、裁判員に書面を何十枚も読んでもらうことは難しいです。書面を読んでもらう代わりに、15分や30分という限られた時間のなかでこちらが言いたいことをわかりやすく伝えなければならないことが、難しさであり、やりがいでもあります。
裁判員に配布する資料を作るときにも、わかりやすさにこだわります。カラーか白黒かだけでも裁判員の反応が全然違うので、私の資料は基本的にカラーです。文字の大きさやレイアウトにもいくらでも工夫の余地があるので、資料作り一つとってもやりがいがあります。また、証人尋問も、やり方によって裁判員への伝わり方が変わってくると思います。
裁判員裁判はこれまで何度も経験してきましたが、今でも本を読んだり研修を受けたりして、どうすればより上手くプレゼンできるか研究を続けています。
ーー刑事事件を手がけるうえでのやりがいを教えてください。
日本の刑事事件は裁判での有罪率が99.9%と言われますが、私の実感としても、有罪か無罪かを争える事件はごくわずかです。検察官は間違いなく有罪になる事件しか起訴しないですし、裁判でこちら側の言い分が通る事件は本当に少ないと思います。だからこそ、事実認定や量刑の部分で争う余地がある事件を手がけるときは腕が鳴ります。
とはいえ、ほとんどの事件は最初から分が悪いです。野球で言えば、始まる前から5-0や10-0の点差がついている試合をしなければいけないケースがたくさんあります。でも、そういう事件でも、起訴されずに済んだ、執行猶予が取れた、保釈が認められた…といった目に見える成果が出たときはやはり嬉しいですね。
事件によっては、依頼者、つまり罪を犯した人の言っていることに共感できることもあります。「やったことは確かにひどいけど、この部分はわかるな」と思えることがあると、裁判の中で伝えてあげたいと思います。弁護人以外に、その人の思いを代弁できる人はいませんから。
「変化に対応し、常に最先端のリーガルサービスを提供できるように」
ーー休日の過ごし方と趣味を教えてください。
読書をして過ごすことが多いです。ミステリーをよく読んでいて、特に東野圭吾の作品はどれもおもしろいので、新刊が出るたびにチェックしています。
昔から紙工作などものを作ることも好きで、コロナの影響でステイホームになってからはプラモデルを作るようになりました。時間を忘れて熱中できるのがいいんです。車や戦車、飛行機などいくつも作って、自宅や事務所に飾っています。
ーー今後の展望を教えてください。
今までどおり、1つ1つの事件に丁寧に取り組んでいきたいです。今、メインで手がけている家事事件や刑事事件では関連する法律の改正がおこなわれて、それに伴い実務の運用も変化しています。
その変化に遅れずについていくことはもちろん、変化するなかで出てきた課題にも対応しつつ、常に最先端のリーガルサービスを提供できるように尽力したいと思います。
ーートラブルを抱えて悩んでいる方へのメッセージをお願いします。
一言でいうと、トラブルかどうかはっきりしない段階でも、気軽に相談に来てくださいということです。
「これって弁護士に相談していいことなのかな?」と思って二の足を踏んでいる方は多いと思いますが、そんな方こそ相談にお越しください。弁護士が介入する必要がなければそのようにお伝えしますし、「今は大丈夫だけど、今後こういうことになったらまた来てください」とアドバイスもできます。
相談するべきかどうか迷っている間にどんどん事態が進行してしまったり、自己判断で誤った対応をしたりしたために、大事になってから事務所に来る方は結構多いです。そうなってからでは、弁護士が提示できるアドバイスや解決の選択肢が限られてしまいます。
「こんなこと聞いていいのかな」と思っている段階でもかまいませんので、お気軽にご連絡下さい。