「権利を踏みにじられた人を助けたい」感情への共感と理論的な視点の両立が事件解決の要
子どもの頃から憧れ続けた弁護士の仕事
ーー弁護士を目指したきっかけや理由を教えてください。
小学生のときに弁護士が活躍するドラマを見て以来、漠然と憧れていました。小学校の卒業文集にも、「将来は弁護士になりたい」と書いていましたね。
憧れの気持ちが、本格的に弁護士を目指そうという目標に変わったのは、大学に進学してからです。法学部で学ぶなかで、「法律の知識を活かして仕事をしたい」と強く思うようになりました。ちょうどその頃、ロースクール制度が創設されて、法律家への門戸が広がったことにも背中を押されました。
子どもの頃からずっと弁護士になりたいと思い続けていたのは、父の存在が大きいと思います。教師だった父は過労によって体調を崩し、入退院を繰り返していました。もともと持病があったことも影響し、私が中学生のときに亡くなりました。
働きすぎで心身を蝕まれた父の姿を見てきたことで、「権利を不当に侵害されて苦しんでいる人を助けたい」という思いを潜在的に持ち続けていて、それが弁護士を目指すモチベーションになっていたのだと思います。
ーーどんな学生生活でしたか?
勉強に打ち込む、真面目な大学生活でした。
実は、高校生まではあまり勉強していなかったんです。両親が教師だったこともあって子どもの頃から「勉強をしなさい」と言われることが多く、勉強をしないことで反抗していたんですよね。
でも大学に入って、「100パーセント勉強に向き合える最後の機会になるかもしれない」「自分の意思で選んだ法律という分野を、しっかり勉強してみよう」と思ったんです。
サークルにも入らず一生懸命勉強して、授業が終わると毎回教授に質問しに行っていました。そうするとより深いことが分かったりして、学べば学ぶほど法律への興味が湧きましたね。勉強に打ち込んだことで自分でも信じられないくらいいい成績が取れて、司法試験を受ける自信にもつながりました。
依頼者の気持ちに寄り添い、最善の解決を目指す
ーー注力分野を教えてください。
主に離婚事件に注力しています。親権や面会交流など子どもが関係する案件を扱うことも多いです。
離婚事件は、当事者が感情的になりやすい分野です。精神的にナーバスになっている依頼者も多いので、まずは気持ちに寄り添ってじっくり話を聞くことを心がけています。自分の気持ちを分かってくれない人からアドバイスをされても、なかなか受け入れられないですよね。一般の方には馴染みがない法律の話であればなおさら、聞こうという気持ちになれないと思うので、共感する姿勢は大切にしています。
一方で、依頼者が望んでいることでも、法律のルールに則ると実現が難しい場合もあります。依頼者に寄り添いつつ、理論的な視点でも事件を見て、「気持ちはわかるけれど、法律的には難しい」ということをいかにわかりやすく説明できるか常に模索しています。
希望を100パーセント叶えることは難しいかもしれないけれど、今与えられている法律という限界のなかで、最善の解決を目指して一緒に頑張りましょう。そんなスタンスで事件に対応しています。
ーーやりがいを感じるのはどのようなときですか。
依頼者から感謝の言葉をもらったときです。弁護士として当然のことをしたまでですが、「先生に頼んでよかった」「ありがとうございます」と言われると、依頼者は私が思う以上に本当に困っていて、弁護士として関わったことでこの方の助けになれたのだなと実感します。
弁護士にとってはいくつもある事件の一つでも、依頼者にとっては人生に一度あるかないかの大きな問題です。1件1件、それぞれの依頼者の人生がかかった大切な案件として、丁寧に対応していきたいと考えています。
どんな悩みでも安心して相談を
ーー休日の過ごし方や趣味を教えてください。
休日は身体を動かしていることが多いですね。冬はスキー、暖かくなったらランニング。週2回ジムでトレーニングもしています。運動した後はサウナでじっくり汗を流すのが好きです。
ーー今後の展望についてお聞かせください。
今後も離婚事件を中心に手がけていきたいです。
弁護士のほうから、困っている人を探して駆けつけることはできません。せめて私のところに来てくれた方には、最善を尽くしてトラブルを解決したいと思っています。これは弁護士になってからずっと考えていることで、今後も初心を忘れずに仕事と向き合っていきたいです。
ーー法律トラブルを抱えて悩んでいる方へメッセージをお願いします。
最近は無料相談をおこなう事務所が増えています。自分にとって「話しやすそうだな」と思う弁護士に、なるべく早い段階で相談してほしいです。問題がこじれてから弁護士が介入しても、解決まで時間も費用もかかってしまいます。早期解決のためには早めの相談が肝心です。
「こんな相談をしてすみません」と言われることもありますが、弁護士はそんなふうに思いませんよ。どんな悩みでも安心してお話しいただければと思います。