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2018年10月09日 19時48分

「柳井さん、話聞いて!」倒産したユニクロ海外下請会社のスタッフ、退職金求める

「柳井さん、話聞いて!」倒産したユニクロ海外下請会社のスタッフ、退職金求める
ワーニさん(左)とテディさん

衣料品大手ユニクロから商品生産を委託されていたインドネシアの下請会社(サプライチェーン)が倒産して、約4000人の従業員に退職金が支払われないまま解雇された問題で、インドネシア人の元従業員2人と支援団体が10月9日、東京・霞が関の厚労省記者クラブで会見を開いた。下請会社が倒産した責任の一端はユニクロにあるとして、退職金の支払いに関する話し合いに応じるようもとめた。

●「労働環境が悪化していった」

オランダに本部があるNGOクリーン・クローズ・キャンペーンなどによると、倒産したのは、インドネシアのジャバ・ガーミンド社。同社は、さまざまなアパレルメーカーから委託を受けていたが、2012年10月にユニクロと取り引きをはじめると、その商品生産が全体の45%を占めるまでになったという。ところが2014年10月、取り引きを打ち切られて、2015年4月、倒産した。

この日の会見に出席した元従業員で、労働組合委員長のテディさん(36歳)によると、ジャバ社は、ユニクロとの取り引きのもと、非常に高い水準の製品クオリティがもとめられたほか、組合をつくることも禁止されていたという。そうした状況で、労働者の最低賃金が守られなくなり、しかも残業時間が長くなるなど、労働環境が悪化していったそうだ。

ワーニさん(46)は、ジャバ社設立から倒産まで縫製部門で働いていた。ワーニさんは「ユニクロと取り引きがはじまるまでは、生産量に無理もなく、残業もなかった」と話す。2012年10月以降、労働環境が悪化していった。それまで乳児のいる女性従業員は業務時間中、授乳が認められていたが、それすらできなくなってしまったという。

ワーニさん本人も、満足に家に帰れず、病気の夫の看病に行かせてもらえなかったそうだ。賃金未払いを経て倒産したあと、夫が亡くなり、職も失い、子ども2人も養えなくなった。家族は離れ離れになったという。かつて収入は月約2万5000円だったが、現在は1日約500円の日雇いで働きながら、屋台でソーセージ(1日50円〜300円の売上)を売っているそうだ。

●「サプライチェーンの労働者の権利・人権を守って」

ユニクロの親会社ファーストリテイリングによると、ジャバ社とは、継続的な品質問題と納期遅延が発生して、その問題が解決しなかったため、取り引きを終了したという。委託料の支払いはすべて完了しており、倒産に関して法的責任や、元従業員へ金銭補償もおこなう理由はないが、人道的見地から救済措置を提案しているとしている。

この日の会見後、ジャバ社の元従業員2人と支援団体は、厚労省記者クラブから、東京・赤坂のユニクロ本社が入るビル前に移動して、ファーストリテイリングの柳井正会長の名前を出しながら、退職金の支払いに関する話し合いに応じるようもとめる街宣活動をおこなった。

クリーン・クローズ・キャンペーンの東アジアコーディネーターのソ・ション氏は、ユニクロがサプライチェーンに関する国際水準の責任をとっていなかったとして、ジャバ社倒産の責任の一端があると指摘。「ユニクロが本当に衣料品において、グローバルトップに立ちたいなら、国際水準の責任を負ったり、サプライチェーンの労働者の権利・人権を守らないといけない」と話した。

(弁護士ドットコムニュース)

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