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「週6勤務・1日14時間」 超絶ブラック企業のパワハラ社長から「残業代」を取り戻せ
画像はイメージです(プラナ / PIXTA)

「週6勤務・1日14時間」 超絶ブラック企業のパワハラ社長から「残業代」を取り戻せ

ブラック企業からの退職時に残業代を請求したい——。ある中小企業を退職しようとしている人からの相談が弁護士ドットコムに寄せられました。

入社から5年間、ほぼ週6日、1日14時間以上働かされていたのに、残業代をもらえていないだけでなく、社長からパワハラまで受けていたそうです。

退職を機に残業代を請求しようとした場合、どのような方法があるのでしょうか。また、仮に退職した後でも請求することはできるのでしょうか。田村優介弁護士に聞きました。

●退職後であっても請求することは可能

——退職した後でも請求することはできるのでしょうか。

もちろん、退職後でも残業代の請求は可能です。むしろ、多くの方が退職後に請求しています。

残業代は3年で消滅時効にかかってしまいます(労働基準法の改正で、残業代の消滅時効は2020年4月から「2年→3年」になりました)。この時効は毎月の給料日を基準に計算しますので、毎月毎月、時効にかかって1カ月分の残業代が消えてしまうといえます。

——消えるのを阻止するためにはどうすればよいのでしょうか。

会社に内容証明を送るなどして支払請求の意思表示(催告)をすれば、半年以内に裁判を起こすことによって、時効の完成を猶予することも可能ですので、できるだけ早めに専門家に相談することをおすすめします。

——具体的にはどのように請求することになるのでしょうか。

弁護士に依頼した場合は、まず会社に対して内容証明郵便で残業代を直ちに支払うよう請求します。会社と代理人弁護士で協議し、任意での支払いがまとまればここで解決です。もし、協議がまとまらない場合には、労働審判や正式裁判など、裁判所を活用した請求をおこなうことになります。

弁護士を立てずに自分で残業代を請求する場合には、労働基準監督署(労基署)に相談し、会社に対して是正指導をしてもらう方法も考えられます。

退職してしまった後ですと、タイムカードなどの残業時間がわかるものが入手できない、ということもありがちです。在職中に写真撮影するなどして証拠を確保しておくことをおすすめします。

(弁護士ドットコムライフ)

プロフィール

田村 優介
田村 優介(たむら ゆうすけ)弁護士 城北法律事務所
ブラック企業被害対策弁護団副事務局長、日本労働弁護団。残業代請求、不当解雇、パワハラなど、労働問題を多く手がける。共著「働く人のためのブラック企業被害対策Q&A」など。

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