東京・渋谷などで映画館を展開したり、映画配給をおこなっている「アップリンク」の浅井隆代表から日常的にパワハラにあったとして、元従業員5人が損害賠償をもとめる訴訟を起こしたことを受けて、浅井代表は6月19日、ホームページ上で謝罪文を掲載した。
浅井代表は「これまでの言動に過ちがあったことを認め、傷つけたことを深く謝罪致します」「自分の経営者としての力不足、叱責によってスタッフを傷つけたこと、無理な采配で過度な負担をかけてきたことを、深く反省致します」「アップリンクを応援してくださった皆様に残念な思いをさせてしまい、大変申し訳ありませんでした」と謝罪している。
●「ハラスメントにあたるという認識が自分に欠けていた」
謝罪文によると、ここ数年のアップリンクの急成長の中で、会社の規模に対して、マネージメント体制がふさわしくなく、「スタッフに過大な負荷がかかる状況が常態化していた」という。
こうした中で、「研修を十分にせず、責任の重い仕事を任せ、スタッフに過度のプレッシャーを与えること自体がハラスメントにあたるという認識が自分に欠けていた」と浅井代表は釈明している。
従業員に対する態度については、「これまでにスタッフから何度も『これはハラスメントである』という指摘を受け、是正するよう言われてきました」「一番の自分自身の問題は、スタッフに対して人としての尊厳を傷つけていることに自覚がなかったことです」と反省の弁を述べている。
アップリンクの経営からは退かないとしながらも、今後については、専門家を交えながら、(1)外部委員会の設置、(2)通報制度・窓口の設置、(3)社内体制の改革・スタッフとの定期的な協議、(4)取締役会の設置、(5)セミナー、カウンセリングへの参加などを検討して、会社の運営体制や職場環境を根本的に変えていくとしている。
(アップリンク)謝罪と今後の対応
https://www.uplink.co.jp/news/2020/53509
●実名・顔出しでパワハラ訴え
提訴後の元従業員たち(2020年6月16日/弁護士ドットコム撮影)
アップリンクをめぐっては、元従業員5人が6月16日、浅井氏から日常的に叱責などのパワハラを受けていたとして、損害賠償をもとめて東京地裁に提訴した。原告5人のうち4人は同日、都内で記者会見を開いて、顔出し・実名でパワハラ被害を訴えた。浅井代表は同日、「不適切な言動があったことを深く反省し、謝罪致します」と短めの声明を出していた。