『同棲していた恋人と別れることになったのですが、猫の親権が2人とも欲しくて、話がまとまりません。
猫を買うことは恋人が提案し、購入するブリーダー探しや購入費用、飼育費用、動物病院の費用も彼が負担していました。お金は確かに恋人の負担が多かったのですが、日頃のお世話は、ほとんど私がやってきました。
こういう場合、どちらに親権は認められるのでしょうか?』
(質問は弁護士ドットコムの法律相談コーナー「みんなの法律相談」に寄せられた相談をもとに編集部が作成しました)
A. 澤藤亮介弁護士「結論から言いますと、彼に権利があります」
結論から言いますと、彼に権利があります。
私の事務所にもよく寄せられるご相談ですから、なぜ権利は彼に渡るのか、詳しく説明したいと思います。
ペット好きの方にはショックかもしれませんが、日本の法律は、猫などのペットは「人」ではなく「物」に分類しています。
正確にいえば、ペットは不動産以外の財産である「動産」にあたりますから、猫に「親権」という考え方はできないのです。
そこで、「物」である猫の「所有権」がどちらに帰属するのか、と判断していきます。
その際には、猫の購入代金を誰が支払ったのかが考慮されます。
みきさんの場合は、恋人が自分の資金で購入していたため、恋人に所有権が認められるという考え方になるのです。
「親権」であれば、どちらが主に世話をしていたかも判断材料の1つに入りますが、「所有権」では、その点は残念ながら、まったく考慮には入れられません。
(弁護士ドットコムライフ)