9月19日東京家庭裁判所にて、俳優の高嶋政伸さんと妻でモデルの美元さんの離婚裁判が結審し、約1年7ヶ月に及んだ裁判の判決は11月9日に言い渡されることになった。
一連の裁判は、有名タレント夫妻の離婚問題ということだけでなく、双方の主張が真っ向から対立していることでも注目を集めている。高嶋さんは美元さんの浪費癖や暴力行為、ストーカー行為を理由として「1日でも早く離婚したい」と主張しているのに対し、美元さんは「離婚する理由がない」と反論、2人が揃って出廷した今年6月の裁判では高嶋さんが「芸能生活をなげうってでも別れたい」「愛情は一切ない」とまで言い切ったが、美元さんは「関係修復は可能」とし、全くかみ合うことなく泥沼の様相を呈してきた。
はたしてこの離婚裁判はどのような判決が下されるのか。弁護士ドットコムに登録する弁護士に、離婚が認められるかどうかとその理由について、匿名でアンケート調査を行なった。(回答者数は77名)
●夫婦の一方だけが離婚を希望している場合、争点は何か
まず、今回の高嶋さんと美元さんの離婚問題のように、夫婦の一方だけが離婚を希望している場合、争点は何になるのか。アンケートに回答した弁護士からは、
「夫婦関係が破綻しているかどうか」
「民法770条1項で定められる事由(※)があるか」
「別居期間はどの程度か」
「子供の有無、子供がいる場合は子供への影響の程度」
という見解が主に挙げられた。
それでは具体的に、高嶋さんと美元さんの裁判では離婚は認められるのだろうか。
●64%の弁護士が「離婚できる」を選択
回答した弁護士の64%は「離婚できる」を選択し、高嶋さんの主張が認められるという見方がやや優勢となった。「離婚できる」を選択した弁護士の主な見解としては、
「婚姻関係は既に破綻している」
「婚姻期間の割りに別居期間が長い」
「2人の間に子供はいない」
というもので、またその他に「夫婦のプライバシーが世間の好奇の目に晒されたことからすれば、もはや正常な婚姻関係に戻ることは不可能」という声もあった。
●36%の弁護士は「離婚できない」を選択
一方、36%の弁護士は「離婚できない」を選択、その理由としては、
「婚姻関係が破綻しているとまではいえない」
「別居期間が短い」
という見解が多くを占めた。その他には「離婚を求めている側である高嶋さんによる暴力行為があったため」、「夫婦関係改善の努力もさしてなされていないと思われる」という声もあった。
●判決は11月9日に その理由にも注目
今回のアンケートでは「離婚できる」という立場を取った弁護士がやや多い結果になったが、圧倒的多数とまではいえず、実際にどのような判決が下されるのかは未知数だ。
判決は11月9日に下される予定となっているが、はたして離婚は認められるのか。その結果だけでなく判決理由にも注目したい。
(※編集部注:裁判で離婚が認められるための事由を定めた民法の条項であり、(1)配偶者に不貞な行為があったとき、(2)配偶者から悪意で遺棄されたとき、(3)配偶者の生死が3年以上明らかでないとき、(4)配偶者が強度の精神病にかかり回復の見込みがないとき、(5)その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき、の5つが列挙されている。)