2019年10月13日 08時59分

「あまりに理不尽」恩師からのキスで、妻に300万円請求された女性の怒り

「あまりに理不尽」恩師からのキスで、妻に300万円請求された女性の怒り
写真はイメージです(HiroS_photo / PIXTA)

キスをされただけなのに、相手の奥様から300万円の慰謝料を払うよう要求されましたーー。弁護士ドットコムにこのような相談が寄せられています。

相談者は2年前、母校の男性教師と居酒屋に行ったそうです。彼が既婚者であることは、居酒屋で話している中で知ったといいます。ところが、居酒屋から帰る途中、男性教師に「お前は特別な生徒だった」と言われ、突然キスされてしまったのです。

「酔った勢いだと思います。不貞行為はありません」と相談者はいいます。

その後、相談者は男性教師からの連絡を無視していました。ところが先日、彼の妻から「相談者と教師の不貞行為が原因で精神的苦痛を味わった」として、慰謝料を請求されてしまいました。

「あまりに理不尽です。家族も巻き込み、ストレスで仕事にも影響が出ています」と相談者は怒りをあらわにしています。相談者は慰謝料を払わなければならないのでしょうか。

●キスをしただけでも「不法行為」が成立することも…

慰謝料が認められるためには、「不法行為」があったことが前提となります。不法行為は、故意または過失によって、他人の権利を侵害する行為のことをいいます(民法709条)。

結婚している人が、本人の意思に基づいて、配偶者以外の人とおこなう性的交渉のことを「不貞行為」といいます。

「不貞行為」は「不法行為」となるため、不貞行為をおこなった配偶者とその相手に慰謝料を請求することができます。

セックスがなくとも、不貞行為が認められることもありますが、キスやハグをしただけでは該当しにくいといえます。ただし、キスをしただけであっても、場合によっては、夫婦関係を破綻させたとして、「不法行為」の成立が認められる可能性もあります。

●相談者の場合は「不法行為が成立する可能性はほぼゼロ」

離婚・男女問題に詳しい山口政貴弁護士は「今回のケースでは、肉体関係はありませんので、『不貞行為』には該当しません」と指摘します。

「たしかに、キスをしただけでも不法行為に該当する可能性はありますが、今回のケースでは、男性教師から突然キスされた状況であり、相談者自身からキスをしたわけではありません。

その後も相談者は、男性教師と連絡を取らないようにしたりして、男性教師との接触を避けています。相談者の行為に何ら違法性はなく、不法行為が成立する可能性はほぼゼロといえるでしょう」(山口弁護士)。

取材協力弁護士

山口 政貴弁護士
サラリーマンを経た後、2003年司法試験合格。都内事務所の勤務弁護士を経験し、2013年に神楽坂中央法律事務所を設立。離婚、婚約破棄等を専門に扱っており、男女トラブルのスペシャリストとしても知られる。

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