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臨時国会欠席のガーシー議員、除名に発展するか 参院では過去1件のみ
ガーシー議員(本人のInstagramより)

臨時国会欠席のガーシー議員、除名に発展するか 参院では過去1件のみ

臨時国会召集の8月3日、彼の姿は永田町にはなかった。中東ドバイにいるとされる暴露系YouTuberのガーシー(本名:東谷義和)参院議員だ。7月の参院選でNHK党から比例代表で出馬し、初当選。N党が比例に擁立した9人のうち個人名での得票が28万7715票と最多を記録した。

参院議院運営委員会は8月2日、全会一致で海外滞在を認めず、速やかな出席を求めている。このまま欠席した場合、なんらかの懲罰を受けたり、議員資格を失ったりすることになるのだろうか。今後想定される動きについて、参院広報課に聞いた。

●ハードル高い「懲罰委員会」

「まず今国会は3日間なので、出席の要請にとどまります」と参院広報課の担当者は明言する。

法律では​「議員が正当な理由がなく召集日から7日以内に出席せず、もしくは議長が招状を発し、その招状を受け取った日から7日以内に、なお、理由なく出席しない者は懲罰委員会に付する」と規定されている(国会法91条の2)。

つまり、欠席は7日以上でないと処分の対象にはならないということだ。では、次の国会でも欠席し続けたらどうなるのか。

「自動的に懲罰委員会に付されるというものではありません。あくまで7日以上休んだら『付することができる』ということ。濫用されれば、たとえば多数派が気に入らない議員に対して片っ端から乱発できてしまう。極めて限定的に運用されているのが実際のところです」

●除名は参院で過去1人だけ

懲罰には「戒告」「陳謝」「登院停止」「除名」がある。懲罰委員会で「除名」が相当と判断された場合、さらに本会議で出席議員の3分の2以上が賛成した場合には国会議員の地位を失うことになるという。

担当者は「除名は懲罰の中で最も重い処分です。参院では過去1件のみ。1950年の小川友三議員で、委員会で賛成したのに本会議で反対するという議会の混乱を招くような、議員としての態度を問題視されたことが原因でした」と解説する。

除名どころか、懲罰委員会に付されるかどうかも、まだまだ不透明だ。

「たとえば、YouTubeで『期間を区切らず帰るつもりはない』など、故意に欠席し続けることを公言した場合は、あまりにも悪質な態度だと判断される可能性はあります。会派の党首を含めて、議会に対してどういう態度を示すかによっては(N党にとっては)悪い方向に向かう可能性もあるのではないでしょうか」

国会議員としての活動をせずに歳費だけを受け取ることに、ネット上では反発の声も上がっている。28万超の票が何を期待して投じられたかはわからないが、ガーシー議員や立花孝志党首がどう動くのか注目される。

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