高速道路を自動車で走行中、道路内に立ち入った人とぶつかりそうになったとする動画がツイッターで投稿され、1万2000回以上リツイートされるなど大きな話題となっている。
投稿によると、撮影されたのは7月30日で、九州自動車道の八代インターチェンジ(またはジャンクション)と人吉インターチェンジ間での出来事だったようだ。
投稿者は追い越し車線を走行していたが、走行車線の車を追い抜こうとするタイミングで、道路内に立ち入った人を発見した。カーブの出口からすぐの地点で、当時の状況を投稿者も「人はゴミみたいにちっちゃく見える。薄暗い」と振り返っている。
立ち入った人は2車線の中央からわずかに追い越し車線側の位置におり、極めて危険な状況だったが、なんとか接触を回避。投稿者は「一瞬すぎて何も反応出来ませんでした」とツイートしたが、動画ではなんとか中央分離帯側に少し避けたようにも見えた。
立ち入った人は何かを拾うようなしぐさを見せていたが、投稿者によれば、バーストして外れたタイヤを自ら回収していた様子だったという。動画には、しばらく先に進んだ地点で、ハザードランプを点灯させた自動車が中央分離帯付近で停まっている様子も映っていた。
投稿者は発見数秒前にすれ違った対向車線を走行していたトラックがパッシング(ヘッドライトを素早く点滅させること)していたことを気にしていたようで、「なんだろーって思った矢先だった」としている。立ち入った人に気づけたのは、このパッシングが幸いしたのかもしれない。
●「110番か道路緊急ダイヤル『#9910』で通報して」
投稿者は幸い事故を回避できたようだが、その後はどうなったのだろうか。
NEXCO西日本九州支社は、弁護士ドットコムニュースの取材に対し、九州自動車道への人の立ち入りについて「弊社では把握していない」と話し、当時の状況等についても「不明」だとしている。
もし今回のようなケースを把握していた場合には、通報があった段階で、設置している情報板(電光掲示板)で後続車両に対して注意喚起を実施するとともに、交通管理隊を現場に急行させて追い越し車線の規制を実施して、作業終了まで警戒を続けるという。
事故や故障でやむを得ずに停止してしまった場合、当事者は「本線や路肩を歩き回らないことを心がけていただきたい」と注意喚起する。
「停止した車の運転者や同乗者が後方から来た車にはねられて死亡するという例もあります。後続車の運転者が必ずしも停車車両等に気づくとは限りませんので、ハザードランプを点灯させたり発煙筒や停止表示機材を使用して後続車に対する安全措置を取ってください」(担当者)
また、後続車両が追突する可能性があるので、車内で待機するのではなく、車外へ出て、「ガードレールの外などで待機してほしい」と話す。
同社が対応するにしても、通報がなければそれも難しい。
今回のようなトラブルが発生した場合、当事者や目撃者には「高速道路の脇に設置されている非常電話、あるいは110番や道路緊急ダイヤル『#9910』で通報してほしい」という。どちらの番号も個人の携帯電話から通話できる。
「高速道路上は基本的に事故や緊急でやむを得ず走行ができなくなった場合しか駐停車できませんので、携帯電話による通報の場合は、休憩施設など安全な場所で停車しておこなうか、(走行中であれば)必ず同乗者の方に通報していただければと思います」(担当者)