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東京23区で初、江戸川区が「インターネット条例」制定 中傷被害の区民支援など
江戸川区役所(Bantam / PIXTA)

東京23区で初、江戸川区が「インターネット条例」制定 中傷被害の区民支援など

東京都江戸川区の「インターネット健全利用促進条例」(4月1日施行)が3月25日、区の本議会で制定された。ネットの誹謗中傷が社会問題となっているなか、江戸川区の責任として、権利侵害された区民の支援を明言するものだ。

このような条例は23区でも初めてのことだという。被害者支援窓口の設立、子どもたちへの情報教育の普及が期待されている。

●江戸川区「予算を組んでいないので、具体的な動きはまだまだ先になる」

この条例は2021年2月に発案され、区民からの意見をパブリックコメントで募っていたものだ。

特に罰則は設けられていないが、「区の責務」として、区民のネットリテラシーの向上や、ネットで権利侵害された区民の支援を定めている。

江戸川区の総務課長は「予算を組んでいないので、具体的な動きはまだまだ先になる」としながら、学校教育で取り組む以上のネットリテラシーに関しての啓発の充実などが進められていく見込みだとした。

●条例案をつくった前区議「ネットの負の側面を幼いころから知るべき」

立案に関わった大西洋平前区議は「SNS上で容易に人が傷つけられてしまう状況です。ネット条例は23区では初。江戸川区は中学生以下の人口が10万人を超えています。ネットの利便性を教えることは学校でもすでに実施されているが、負の側面も含めた情報教育を小学生のころからすすめていく必要があります」と話した。

また、ネットの相談に対応できる明確な相談窓口が江戸川区にはないことから、専門窓口の設立が期待される。

総務課長は、現在あるリソースでは専門的知見の提供はなかなか難しいとするも、「専門機関につなげていく」ような役目を果たすところから始めていくとしている。

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