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原告女性「彼を注意する上司が1人もいなかった」システム会社・セクハラ訴訟口頭弁論
報告集会をする原告側代理人弁護士

原告女性「彼を注意する上司が1人もいなかった」システム会社・セクハラ訴訟口頭弁論

システム大手の新日鉄住金ソリューションズで契約社員として働いていた30代女性が、会社からの雇い止めの無効と慰謝料など約1091万円を求めた訴訟の第1回口頭弁論が7月10日、東京地裁であった。新日鉄住金ソリューションズ側は請求棄却を求め、争う姿勢を示した。具体的な主張は、次回期日以降に提出される。

女性は正社員で管理職の男性からセクハラを受けたが、会社が対応してくれず、精神疾患を患って休職状態になったところ、雇い止めを受けたと主張している。

同社は答弁書で、「じゃあ、今度エロ勝負しましょう←消化しきった人」などのフェイスブックメッセンジャーにおけるやりとりの存在は認めたものの、セクハラかどうかについては否認した。

女性は意見陳述で、「会社に常識があれば、彼にきちんと指導や注意ができました。しかし彼にはそういうことをきちんと指導してくれる愛のある上司が一人もいませんでした。会社が制裁指導を加えないから行動に拍車がかかり、気づいた時にはこのように社会問題になってしまいました」などと訴えた。

原告側は終了後、弁護士会館で報告集会を開いた。今回の意見陳述に関して、同社の代理人は男性の名前を秘匿するよう意見書で求めていた。最終的に女性はイニシャルで読み上げたが、原告側代理人の河村健夫弁護士は、「同社側は訴訟記録の閲覧制限の申し立てもしている。裁判になる前に解決するチャンスはあったのに、企業として危機管理を失敗している」と厳しく批判した。

(弁護士ドットコムニュース)

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