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2017年03月18日 09時59分

出前の「寿司桶」、洗わず返す客に有吉が激怒…洗う義務ってあるの?

出前の「寿司桶」、洗わず返す客に有吉が激怒…洗う義務ってあるの?
画像はイメージです。

出前の容器を洗わずに返す客に憤る視聴者からの意見が、3月8日放送のトーク番組「マツコ&有吉の怒り新党」(テレビ朝日)で取り上げられた。

意見を寄せたのは宅配寿司の配送のアルバイトをしている男性。男性は、寿司桶を洗わないで返す客が多いことについて、「一人暮らしの学生ならまだ理解もできますが子供のいる家庭でも平気でそのまま返してきます」「しかも食べ残しの食材やゴミまでそのまま」と戸惑っているという。

さらに、10代から60代の男女500人に聞いたアンケートでは、24%が出前の容器を洗わずに返却していると答えたこともわかった。洗わない人たちの「俺の仕事じゃない」「洗う料金をもらってない」という主張に対して、有吉弘行さんは「出た出たほら客が偉いパターン」「『お客様は神様です』お前が言うな」と激怒した。

この日の放送について、ネット上では「軽く水洗い程度は常識だと思っていました」「洗わない。店先で食べても洗わないのに出前だと洗わなきゃいけないのかがわからない」など様々な意見が上がっていた。出前を取った際、客には、空になった容器を洗って返却する義務があるのだろうか。髙橋裕樹弁護士に聞いた。

●「寿司桶を洗うよう請求することはできない」

「非常に面白い問題ですね。結論としては、宅配寿司のお店が客に対して、寿司桶を洗うよう請求することはできないと考えられます」

高橋弁護士はこのように述べる。

「寿司桶を洗うことは、道徳的・道義的な義務と捉える余地はありますが、法律上の義務とは考えにくいですし、当事者間の合意によって義務が発生しているとも考えにくいと思います。

また、仮に、寿司桶を洗って返す道徳的・道義的義務があるとしても、その義務は、客に対して洗うよう請求したり、裁判で求めたり、強制的に洗うよう命じることができない義務(債務)だと思われます。

ただ、この点を深堀りしていくと、義務(債務)とは何か、債務の種類にはどういったものがあるのか、という民法学者が行っている議論にもわたってしまいます。法律家でも、立場によって色々な考え方ができる問題のように思いますので、ここでは深い法律論には入らず、私見を簡単に説明させていただきます」

●契約の要素に「寿司桶を洗って返す」義務が含まれているとは考えにくい

「まず、宅配寿司は、法律的には『売買契約』もしくは『サービス供給契約』にあたるものと思われます。

この契約の申込み、すなわち寿司注文の際に、通常は、お店が客と飲食後に寿司桶を洗って返す合意をしていたり、チラシなどに『寿司桶を洗っていただきます』と記載していたなどの事情はないでしょう。

そのように考えると、宅配寿司注文という契約の要素に、『客が寿司桶を洗って返す』という義務が含まれていると解釈することは難しいのではないでしょうか」

軽く洗うくらいは当然だと考えている人もいるようだが…。

「確かに有吉さんが番組でコメントしたように、皿くらい洗って返すのが常識だろうと考える方も多いと思います。

もし寿司桶を洗って返すことが、誰しもが守っている暗黙のルールや慣例になっているといえるような事情があれば、道徳的・道義的義務はあるのかもしれません。

しかし、そこまでに至っているといえるかは疑問です。ネット上でも賛否両論が飛び交っていますし、例えば、大人数が集まる親族の集まりなどで宅配寿司が振舞われた時に、大人数分の寿司桶を全て洗って返すのが当然かといわれると、やはり疑問が残るように感じます。

お店にとっても、寿司桶を目にする周辺住民にとっても、寿司桶を洗って返すことが望ましいでしょう。僕も洗って返します。しかし、洗って返さなければいけない義務まではなく、お店が客に対して寿司桶を洗うよう請求することもできないと思われます」

(弁護士ドットコムニュース)

髙橋 裕樹弁護士
無罪判決多数獲得の戦う弁護士。依頼者の立場に立って、徹底的に親切に、誰よりも親切でスピーディな、最高品質の法的サービスの提供をお約束! でも休日は魚と戦う釣りバカ弁護士!
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