東京都内のある地域のコミュニティサイト(LINEオープンチャット)で、気になる投稿を見つけた。
「家の前で洗車して、敷地外に流すことは、違法で、不法投棄にあたるそうです」
住民のマナーを問題視する投稿主は、役所に見解を聞いたのだという。
自宅で愛車を洗う光景は珍しくないが、カーシャンプーなどを使って洗車し、その排水が道路や側溝に流れた場合、違法となる可能性はあるのだろうか。
道路上でバーベキューやプール遊びをする「道路族」が近隣トラブルの火種になることがあるが、洗車もまた条件によっては問題になり得るのかもしれない。
廃棄物関連の問題について、鬼沢健士弁護士に聞いた。
●洗車の排水は「汚水」と考えられる
──洗車によって生じる排水を道路や側溝に流す行為にはどのような問題があるでしょうか。
洗車の際にカーシャンプーを使用している場合、洗い流した水は下水道法が定める「汚水」にあたると考えられます。車体の汚れや洗剤を含む水だからです。
一般的に自宅前で洗車すれば、その排水は道路の側溝に流れていくと考えられます。下水道法が定める方法に従って、汚水処理する必要があります。
下水道法は、汚水を適切な方法で下水道に出して、処理することを想定しています。
●下水道には「合流式」と「分流式」がある
下水道には大きく分けて次の2種類があります。
(1)雨水も汚水も一緒に同じ管で流す「合流式下水道」
(2)雨水と汚水を別々に分けた管で流す「分流式下水道」
合流式の場合、側溝に流れた水はそのまま下水道に流れていくため、汚水処理の方法として問題ないといえます。
一方、分流式では、汚水が側溝に流れても、下水道につながっていないので、汚水処理の方法としては不適切であるということになります。
東京都23区では、ほとんどの区で合流式下水道が採用されていますから、その地域であれば汚水処理の問題は生じないでしょう。
ただし、地域によって異なるため、東京都下水道局のウェブサイトに掲載されている下水道のマップを確認するか、下水道局に問い合わせるのが確実です。
●自宅で洗車する場合の注意点
──自宅で洗車する際、どのような点に注意すればよいでしょうか。
下水道法のほか、自治体ごとに条例で汚水処理に関する規制が設けられている場合があります。ただし、家庭での洗車程度であれば、直ちに条例違反となるケースは通常あり得ないと考えても大丈夫です。
下水道に排水できない状況で、自宅でどうしても洗車したい場合には、排水設備を整える必要がありますが、費用がかさみ現実的ではありません。
そのため、乾拭きや水のみでの簡易な洗車にとどめるか、カーシャンプーを用いた本格的な洗車は、洗車場やガソリンスタンドといった専用設備のある場所でおこなうのが望ましいです。