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「痛い、痛い」キング自称の叔父支配下で暴行…神戸6歳男児死亡で母親に実刑、叔母2人に執行猶予
神戸地裁(2026年1月14日、兵庫県神戸市で、弁護士ドットコムニュース撮影)

「痛い、痛い」キング自称の叔父支配下で暴行…神戸6歳男児死亡で母親に実刑、叔母2人に執行猶予

兵庫県神戸市の草むらで2023年6月、スーツケースに入った穂坂修(ほさか・なお)ちゃん(当時6歳)の遺体が見つかった事件で、神戸地裁(松田道別裁判長)は1月14日、傷害致死と死体遺棄の罪に問われた母親に懲役4年(求刑:懲役8年)の実刑を言い渡した。

また、母親の妹で修ちゃんの叔母2人は懲役3年、執行猶予5年(求刑:懲役7年)の判決とした。

神戸地裁は、被告人らに知的障害があることや、きょうだい間で暴力によるマインドコントロールの状況が生まれていたことを指摘した。

この事件では、修ちゃんの叔父にあたる母親の弟も起訴され、別の裁判で審理されることになっている。

判決では、この叔父が自身を「キング」、母親らを「クイーン」「ペット」などと呼び、暴力による恐怖によって家族を支配していた構図が明らかにされた。

●鉄パイプで殴ったり、背中を踏みつけたり

判決などによると、修ちゃんは死亡当時、母親(当時34歳)とその弟(同32歳)、双子の妹2人(同30歳)、祖母(同57歳)の計6人で生活していた。

母親と叔母2人は2023年6月19日、神戸市西区の自宅で、叔父と共謀して修ちゃんを床にうつ伏せにしたうえで、鉄パイプで多数回殴ったり、背中に乗って飛び跳ねたりするなどの暴力を加え、外傷性ショックで死亡させた。

その後、遺体をスーツケースに入れて、自宅近くの草むらに運んで投棄したとされる。

判決によると、修ちゃんは当初、叔父を除く5人で暮らしていたが、2022年12月に叔父が同居するようになってから、暴行を受けるようになったという。

叔父は家族内で自身を「警察のトップ」「キング」などと自称し、母親は「クイーン」、叔母たちを「ペット」などと呼んでいたと認定された。また、部屋に鍵をかけて家族が自由に外出できないようにしたり、携帯電話を管理したりするなどしていた。

●6歳の子どもは「痛い、痛い」と叫んだ

母親らには軽度の知的障害があり、叔父から日常的に暴力を振るわれる中で、その指示に従わざるを得ないようなマインドコントロールの状況に置かれていったという。

そして2023年6月19日、叔父の命令で、叔母2人が修ちゃんの手足を押さえつけ、母親が鉄パイプで修ちゃんに暴行。「痛い、痛い」と叫ぶ修ちゃんに対して、叔父はさらに背中を踏みつけるなどしたとされた。

修ちゃんが息をしなくなったことから、叔父はキャリーケースに修ちゃんを入れ、母親ら3人とともに自宅から少し離れた草むらに運び、立ち去った。

●裁判所「極限的な状態にあったとまではいえない」

叔母2人は叔父の恐怖に支配され、自由に行動できなかったとして無罪を主張していた。これに対して、裁判所は当時の状況において、叔母2人に適法な行為が期待できたかどうかを検討した。

その結果、叔母2人は叔父の命令に従いながらも、修ちゃんに暴行する際に力を弱めるなどしていたことなどから、「他にまったく選択肢がないような極限的な状態にあったとまではいえず、適法行為の期待可能性はあり、その程度が相当程度低下していた」として、無罪の主張を退けた。

画像タイトル 神戸地裁(2026年1月14日、兵庫県神戸市で、弁護士ドットコムニュース撮影)

●母親は叔父から性的暴行も受けていた

量刑の理由について、松田裁判長は、修ちゃんが「強度かつ理不尽な暴行を加え続けられた末に死に至ったもので、肉体的苦痛のみならず、絶望感や将来が奪われた無念さは察するに余りある」などと指摘。

遺体をスーツケースに入れて放置した点も含めて「犯行全体の犯情は相当悪質」と述べた。

一方で、共犯者の中で最も責任が重いのが叔父であることは「明らか」とし、母親ら3人は「従属的な立場にあった」と判断した。

叔母2人については、修ちゃんの手足をつかんだものの、その後の母親と叔父による暴行に直接関与していないことなどから、執行猶予を付けるのが相当とした。

母親については、叔父から肉体的・性的暴力を受けていた状況を考慮しつつも、2度にわたって修ちゃんを鉄パイプで殴るなどした点を重くみて、「その意思決定は強く批判するほかない」として、実刑は免れないと結論づけた。

この記事は、公開日時点の情報や法律に基づいています。

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