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「息子に出すなんて」 女性の胸モチーフの「ケーキ」が物議、性的虐待にあたる?
写真はイメージ(yamasan / PIXTA)

「息子に出すなんて」 女性の胸モチーフの「ケーキ」が物議、性的虐待にあたる?

「おっぱいケーキ」と呼ばれる、女性の胸部を模したケーキがネット上で話題になっている。

女性の胸を模した「おっぱいケーキ」を子どもにプレゼントするのは「虐待」にあたるのか。ケーキ屋のショーケースを撮影したとみられる画像が拡散されて話題だ。母親が息子に「おっぱいケーキ」を買ったという過去の投稿も掘り起こされるなどしている。

●「息子に出すなんて」「一定の需要はある」

関連投稿は1万回以上リポストされて、SNSでは批判の声があがっている。

「息子にこんなの出すなんてガチできっっっしょ、性的虐待だろ」

「母親が子どもの成長を阻害しているように見えるな」

「おっぱいケーキって分かりにくい形でこそこそと売ってる物だと思ってた。まさか堂々とショーケースで販売してる店があるとは。ケーキ屋って子どもも来る場所なのに」

一方で、パティシエ経験者という人からはこんな声も。

「私もパティシエ時代におっぱいケーキを3台ほど作った記憶があるから一定数の需要があるんだなぁと思っている。乳首を作る時が一番気まずい」

検索してみると、「おっぱいプリン」や「おっぱいまんじゅう」など、胸部をモチーフにした菓子は全国各地で販売されていることがわかる。

●親が子どもに「おっぱいケーキ」を贈るのは児童虐待?

議論の中心になっているのは、親が子どもに「おっぱいケーキ」をプレゼントするのは虐待ではないのか、という点だ。法的にはどう整理されるのだろうか。

児童虐待防止法2条は「児童虐待」を次の4つの類型に分けて定義している。

(1)身体的虐待(暴行を加えること)

(2)性的虐待(児童にわいせつ行為をする、またはさせること)

(3)ネグレクト(監護の著しい怠慢)

(4)心理的虐待(暴や拒絶、家庭内暴力による心理的外傷など)

●「おっぱいケーキ」は虐待にはあたらない可能性が高い

このうち問題となりうるとすれば、(2)性的虐待と(4)心理的虐待だ。

まず、性的虐待は「児童にわいせつな行為をすること」など、直接的で具体的な性的行為を指す。単に特定の形をしたケーキを食卓に出しただけで、これに該当するとは考えにくい。

また、心理的虐待は「児童に著しい心理的外傷を与える言動」を指すが、提供の意図や状況、子どもの年齢や反応を考慮しても、一般的には「著しい外傷」や「健全な発達の阻害」とまでは言えないだろう。

したがって、児童虐待防止法上の「虐待」に該当する可能性は低いと考えられる。

●法的に問題なしでも「親の配慮」は不可欠

ただし、法的な虐待にあたらないからといって、親の配慮が不要になるわけではない。

子ども本人が嫌がっているのに無理に出すなど、親の判断や説明が不十分であれば、子どもの自己肯定感や性に対する感覚に悪影響を及ぼす可能性もある。

性にまつわる表現物をどのように扱うかは、家庭や文化によっても差がある。

「おっぱいケーキ」をめぐる騒動は、単なる炎上ではなく、子どもへの配慮や性教育のあり方を考える契機として受け止めるべきだろう。

この記事は、公開日時点の情報や法律に基づいています。

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