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沖縄そば店で客が大暴れ、容器を放り投げ中身をぶちまける…客は後から謝罪 弁護士は「犯罪です」
ススリバの「軟骨ソーキそば」(https://www.instagram.com/p/CwuuVoLyMkk/)

沖縄そば店で客が大暴れ、容器を放り投げ中身をぶちまける…客は後から謝罪 弁護士は「犯罪です」

沖縄県那覇市にある沖縄そば店が5月30日、客が突如、そばの入った容器を床にぶちまけて退店していく様子を写した動画をXに投稿し、話題となっている。

この店は沖縄そば「ススリバ」。防犯カメラで撮ったとみられる投稿動画では、帽子をかぶった男性がカウンターの向こう方向へ、そばやスープが残っている容器を放り投げていた。その後さらに、知人とみられる別の男性とともに席を離れる際にも、知人の食べ残しを床にぶちまけていた。

こうした行為に対して「酷い」「信じられない」「どんな理由があれ、食べ物を粗末にする奴は一生食べ物に困って苦しむ人生を送れば良い」と批判の声が殺到。店側は動画とともに、「なんでこんなことができるのか、不思議で悲しい気持ちになりますね」と投稿し、「綺麗に片付けて、本日も20時より沢山のご来店お待ちしております」と負けない姿勢をみせた。

●カウンターに調味料がなく激怒…店「客は泥酔していた」

「ススリバ」の担当者は、弁護士ドットコムニュースの取材に対し、当時の状況や今後の対応について語ってくれた。

店によると、帽子の男性らは2人で来店。そばの注文から提供までは特に問題がなかったものの、その後カウンターに調味料が置かれていなかったことをめぐり、店員と次のようなやり取りがあったという。

「調味料については、必要な場合はスタッフにお伝えくださいという形で提供しているのですが、かなり酔っていたからか『なんで置いてないんだ』と急に怒り出しました。調味料を提供したものの、スタッフとのやり取りに逆上し、厨房のほうへ容器を放り投げられた状況でした」(担当者)

ぶちまけられたそばや容器で店内が汚れたものの、幸いなことに、店員への被害はなかったという。

動画を投稿した経緯については、「投稿時点では男性らが誰かわかっておらず、こういう人がいたことを伝えるため」と話す。

その後、男性らは再度店を訪れ、直接謝罪してきたという。店側は謝罪を受け入れたが、割れたものや店内備品の汚れ、清掃代については請求する意向を示した。応じてもらえない場合は警察へ被害届を出すことも検討するという。

●「軽い気持ちでやったことの代償は小さくない」

酒に酔っていたことは暴れて良い理由にはならないだろう。今回のような行為におよんだ場合、どのような法的責任が発生するだろうか。

西口竜司弁護士は「当然のことですが、軽い気持ちでやったことの代償は小さくない」と話す。

「店内にそばやスープなどをぶちまけた行為は、威力業務妨害罪(刑法234条)に該当する可能性があります。

『威力』とは人の意思を制圧するに足りる勢力を用いることを意味しますが、今回のように中身の入った容器をぶちまけるというのは、周りの人がひるむような行為であり、『威力』といえるでしょう」

同罪の罰則は「3年以下の懲役または50万円以下の罰金」で、「悪質な事案では逮捕の可能性もある」(西口弁護士)ようだ。また、容器が割れたり店内備品が汚れた場合には、器物損壊罪(刑法261条、3年以下の懲役または30万円以下の罰金もしくは科料)の成立もあり得るという。

また、西口弁護士は、民事責任について「不法行為(民法709条)に基づく損害賠償請求も可能だろう」と説明。損害額については、「判断が難しいが、容器代や清掃に要した費用を請求することになるのでは」と話す。

現時点で、店側にはすぐに警察対応を求める意思はなさそうだったが、「警察署に対し被害届を出せば、警察が動く可能性はあると思う」と西口弁護士は指摘する。

「いずれにせよやった行為は犯罪ですので、絶対にやめてもらいたいです。『なんくるないさ』で済ませていい問題ではないです」(西口弁護士)

この記事は、公開日時点の情報や法律に基づいています。

プロフィール

西口 竜司
西口 竜司(にしぐち りゅうじ)弁護士 神戸マリン綜合法律事務所
大阪府出身。法科大学院1期生。「こんな弁護士がいてもいい」というスローガンのもと、気さくで身近な弁護士をめざし多方面で活躍中。予備校での講師活動や執筆を通じての未来の法律家の育成や一般の方にわかりやすい法律セミナー等を行っている。SASUKE2015本戦にも参戦した。弁護士YouTuberとしても活動を開始している。今年からXリーグにも復帰した。

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