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刑務所で「丸刈り強制」は人権侵害、日弁連が勧告
岩崎副会長

刑務所で「丸刈り強制」は人権侵害、日弁連が勧告

青森刑務所に収容されていた男性受刑者(50代)が「丸刈り」を強制されたとして人権救済を申し立てた件で、日弁連は1月26日、法務大臣と同刑務所に対して人権侵害に当たると勧告したことを発表した。勧告は警告に次いで重い措置。1月21日付で郵送した。

勧告書によると、この男性は青森刑務所に収容中の2018年10月、月一回程度ある調髪を拒否したところ、少なくとも5人の職員に身体を押さえつけられ、バリカンで髪を切られたという。2019年1月に救済を申し立てた。

受刑者の髪型は法務大臣が定めることになっており、基本的に男子は原型刈り(長さ0.2ミリ)か、前五分刈り(中央部の長さ1.6センチ)から受刑者が選ぶことになっている。

今回の男性は、強制的に前五分刈りにされた。なお、女子については華美でなければ、ある程度の自由が認められているという。

日弁連は、髪型の自由や身体の一部である頭髪の処分を強制されない自由を侵害する人権侵害だと判断。押さえつけるなどして髪を切ったことも問題視した。岩崎淳司副会長は、「青森刑務所に限らず、全国的な問題だと考えている」と話した。

●刑訴法の見直しについての意見書も

発表は日弁連の定例会見でのもの。このほか、会見では今年が改正刑事訴訟法の附則に基づく、「施行3年後見直し」の年に当たることから、取り調べの録音・録画の対象をすべての事件に拡大することなどを求める意見書も発表された。

また、弁護士過疎地域での弁護士活動を支援する「ひまわり基金」の20周年を記念した動画シリーズの新作も公表された。

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