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「岡口裁判官にSNSの投稿で侮辱された」女子高生殺害事件の遺族が提訴 
岡口基一裁判官(2018年10月24日、弁護士ドットコム撮影)

「岡口裁判官にSNSの投稿で侮辱された」女子高生殺害事件の遺族が提訴 

2015年に都内の女子高生が殺害された事件について、仙台高裁の岡口基一裁判官によるSNSやブログへの投稿により、精神的苦痛を受けたとして、女子高生の両親が慰謝料150万円など、合計165万円を岡口氏に求める訴訟を東京地方裁判所に提起していたことが、6月4日わかった。

訴状によると、両親が問題視している岡口氏の発言は、2015年11月に発生した事件をめぐる以下の2つの発信だ。

(1)両親が岡口氏が当時所属していた東京高裁に抗議した後の2018年10月、自身のブログに「遺族には申し訳ないが、これでは単に因縁をつけているだけですよ」と投稿。

(2)2019年11月、フェイスブックに「遺族の方々は、東京高裁を非難するのではなく、そのアップのリンクを貼った俺を非難するようにと、東京高裁事務局などに洗脳されてしまい、いまだに、それを続けられています」旨を投稿。

2つの投稿については、「あたかも原告らが自ら判断をする能力がなく、東京高裁事務局等の思惑どおりに不合理な非難を続けている人物であるかのような印象を与える侮辱行為であり、また、原告らの社会的評価を低下させる名誉棄損行為と言うほかない」と主張している。

また(2)の投稿がなされたのが、殺害された女子高生の命日であったことから、「冥福を祈る最も悲しい日になされた投稿により、またもや深く傷つけられた。その悲しみ、憤り等の精神的苦痛は、もはや計り知れることができない」としている。

訴訟の中で、両親は、精神的苦痛に対する慰謝料として150万円、弁護士費用として15万円の合計165万円を求めている。

両親は、「これから裁判がはじまるので、コメントは控える」としている。

岡口氏は、現在まで、インターネット上の発信などを理由に、2回の戒告の懲戒処分を受けている。また、今回の両親は、2019年2月、国会の裁判官訴追委員会に対して岡口氏の訴追を請求し、現在も審理が行われている。

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