小学生に体当たりして転倒させ、ケガを負わせたとして、横浜市の会社員男性が6月中旬、傷害の疑いで神奈川県警に逮捕された。
報道によると、男性は5月26日朝、神奈川県大和市内の歩道で、通学中の小学2年の女児に体当たりをして転ばせ、ケガをさせた疑いが持たれている。
小学校の教員の間では「黒マスクのぶつかりおじさん」として知られており、男性は容疑を認めているという。
駅や路上で、故意に他人へ体当たりする、いわゆる「ぶつかりおじさん」。近年、たびたび社会問題となってきたが、加害者は男性に限らず、女性による事例もある。
こうした行為は、過去にどのような罪に問われてきたのだろうか。
●SNSで知られるようになった「ぶつかりおじさん」
「ぶつかりおじさん」や「ぶつかり男」という呼び名は、近年、SNSをきっかけに広く知られるようになった。2018年には、新宿駅構内ですれ違いざまに女性へ次々と体当たりする男性の動画がSNSで拡散され、大きな話題となった。
その後も、故意の体当たりによる事件で逮捕者が相次いでいる。
2017年7月には、神戸市の駅構内で歩きながらスマホを見ていた女性に体当たりし、重傷を負わせたとして、傷害の疑いで男性(当時60代)が逮捕された。
2019年9月にも、東京メトロ駅構内で歩きスマホをしていた女性ばかりを狙って体当たりしていた男性(当時40代)が、傷害容疑で逮捕されている。
また、女性の胸に当たるよう故意にぶつかっていた男性が逮捕されたケースもある。
男性だけでなく、女性が故意に体当たりをしたとして問題になったケースもある。SNSで「ぶつかりおじさん」と呼ばれ、話題になった事例も少なくない。
いずれにせよ、被害者は女性や子ども、高齢者など、狙われやすい立場の人が目立つ。
●体当たりは「暴行罪」「傷害罪」に
刑法上、人に故意に体当たりする行為は「暴行」にあたる可能性がある。
暴行罪は、相手にケガが生じていない場合に成立し、2年以下の拘禁刑もしくは30万円以下の罰金、または拘留もしくは科料が科される。
一方、体当たりによって相手が転倒し、打撲や擦り傷などのケガを負った場合には、傷害罪に問われる可能性がある。傷害罪の法定刑は15年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金で、暴行罪よりも重い。
今回の神奈川県の事件では、小学生が転倒してケガを負ったことから、傷害容疑が適用されたとみられる。
●見過ごしてはいけない「体当たり」
駅や路上での接触は、混雑による“偶然”と思われ、見過ごされてしまうことも少なくない。
しかし、故意に他人へ体当たりする行為は、ケガがなければ暴行罪、ケガを負わせれば傷害罪に問われる可能性がある。
防犯カメラや周囲の目撃証言が捜査の手がかりになることもあるため、悪質な体当たりの被害を受けた場合は、泣き寝入りせず、できるだけ早く警察へ相談することが重要だ。