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「海外に売り飛ばすぞ!」風俗スカウト会社から借金した女性を襲った悲劇
写真はイメージです(hanack / PIXTA)

「海外に売り飛ばすぞ!」風俗スカウト会社から借金した女性を襲った悲劇

事情があり、風俗のスカウト会社にお金を借りたものの「海外に売り飛ばす」などと脅されているーー。弁護士ドットコムに、このような相談が寄せられている。

相談者が借りた金額は30万円。順調に返済していたが、12万円返済し終わったころ、思わぬ展開が待ち受けていたという。

「担当者がコロコロ変わり、最終的に会社とも連絡が取れなくなりました。残りの借金を返したくても、返すことができなくなったのです」と相談者はいう。

それから1年ほど経過した後、知らない番号から「詐欺罪で訴える」という電話が。残り18万円だった借金は「訴える段取りがあるから」などの理由で、35万円に膨れ上がった。

疑問や不安を抱きながらも、毎月支払いを続けたという相談者。ところが、借金が残り18万円になると「事業を撤退するので、ただちに完済するように。無理ならば、借用書を持って家に行く」と言われたという。

相談者は、今後どのように対応すべきなのだろうか。村上英樹弁護士 に聞いた。

●電話の主に「本当に請求する権利があるのか疑問」

ーー今回のケースにおいて、問題となるのはどのようなことだろうか

「借金を返済する場合に大切なことは『債権者が誰か』ということと『借金の正確な金額がいくらか』という2点です。

今回のケースの場合、当初の『債権者』であった会社そのものとは連絡が取れなくなった後に、知らない番号から電話がかかってきています。そのため、今請求している者は何者かは分かりません。本当に請求する権利がある『債権者』といえるのか、大いに疑問があります。   また、18万円の借金が1年ほどで35万円に膨れ上がることはありません。増えた分が利息だとすれば、利息制限法や出資法の上限金利(今回のケースは元本が18万円のため18%)を大きく超える違法なものとなります。

さらに、借金の返済方法についても、元々は分割弁済を認めていたものを、債権者の一方的な都合でただちに完済するよう求めることもできません」

●「言われたままに支払うのではなく、弁護士に相談を」

ーー相談者は今後どうすればよいのだろうか

「そのまま言われたままに支払うのではなく、弁護士に相談すべきです。

この請求については、先ほど述べたように、いくつもの点で疑問があります。相手に言われたとおり支払っても、また何かの理由で請求を受けるおそれもあります。

いち早く弁護士に相談して、不当な請求であれば、弁護士を通じて請求を拒否するなど適切な対応をすべきです。

もし、実際に相手が相談者の家に請求に来て、立ち去らない等のことがあれば、すぐに警察に通報する必要があります」

プロフィール

村上 英樹
村上 英樹(むらかみ ひでき)弁護士 弁護士法人神戸シティ法律事務所
主に民事事件、家事事件(相続、離婚など)、倒産事件を取り扱い、最近では、交通事故、企業顧問業務、不動産問題、労働災害、投資被害、医療過誤事件を取り扱うことが多い。法律問題そのものだけでなく、世の中で起こることそのほかの思いをブログで発信している。

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