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意識ない女性の服を脱がせて撮影・・・なぜ「準強制わいせつ罪」で逮捕されたのか?
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意識ない女性の服を脱がせて撮影・・・なぜ「準強制わいせつ罪」で逮捕されたのか?

意識を失った知人女性の裸の写真を撮影したとして、熊本市職員の男性が11月中旬、準強制わいせつの疑いで、熊本県警に逮捕された。

報道によると、男性は今年7月31日夜、熊本市内の飲食店で知人女性と一緒に酒を飲んだ。その後、意識がなく抵抗できなくなった女性を自宅に連れ込んで、服を脱がせたうえ、デジタルカメラで撮影した疑いがもたれている。

県警の取り調べに対して、男性は「準強制わいせつ」の容疑を認めたということだ。今回、どういう行為が「わいせつ行為」とされたのだろうか。女性の裸の写真を撮影したことだろうか。刑事事件にくわしい大山滋郎弁護士に聞いた。

●実務上、裸の撮影だけでは「わいせつ行為」とされていない

「『準強制わいせつ』は、意識をなくして抵抗できなくなっている人などに、わいせつ行為をする犯罪です。

今回の被害者は、お酒によって意識を失くしていたようです。そんな状態の人の服を脱がせて裸にしたならば、わいせつな行為で問題ないはずです」

では、裸の写真を撮ったこと自体はどうだろうか。

「裸の写真ですから、十分わいせつな行為にも思えますね。

しかし、もし裸の写真を撮ることがわいせつ行為なら、酔っ払って自分で服を脱いで寝ている人の写真をとることも、『準強制わいせつ』にあたることになります。

また、寝ている本人のそばで撮影するならまだしも、離れたところで裸で寝ている人を、望遠レンズで撮影した場合も、『準強制わいせつ』だというのは、常識的にもおかしな気がします。

これまでも実務上、裸の写真を撮影しただけでは、わいせつ行為とされませんでした」

今回のケースでは、服を脱がせた行為が「わいせつ行為」とされたのか。

「今回のケースも、服を脱がせた行為がなければ、『準強制わいせつ』は成立しなかっただろうと考えます。

一方で、何が『わいせつ行為』といえるのかは、必ずしも明確な基準はありません。

したがって、将来において、裸の撮影、少なくとも至近距離での裸の撮影が『わいせつ行為』とされる可能性も否定できないところです」

大山弁護士はこのように述べていた。

(弁護士ドットコムニュース)

プロフィール

大山 滋郎
大山 滋郎(おおやま じろう)弁護士 弁護士法人横浜パートナー法律事務所
刑事弁護と企業法務が得意分野。メーカーの法務部門に長く勤め、勤務のかたわらニューヨーク州弁護士資格を取得し、日本の司法試験にも合格した。会社の法律問題を扱う一方、多数の刑事事件を手がける。

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