福岡県北部の直方市(のおがたし)で11月上旬、帰宅中の女子高校生が白髪交じりの男にスカートをまくられるという事件が起きて、警察が捜査しているーー。西日本新聞のウェブサイトにそんなニュースが掲載された。報道によると、容疑者とみられる男は、身長165センチぐらいで、カーキ色のTシャツに黒色長ズボンという服装だったそうだ。
スカートめくりというと、中学時代にふざけて同級生の女子のスカートをめくったことがあるという男性もいるのではないだろうか。今回は警察が捜査しているということだが、「スカートめくり罪」というのは聞いたことがない。いったい、どんな「罪名」になるのだろうか。
また、中学生が校内でふざけてする「スカートめくり」も犯罪になってしまうのか。寺林智栄弁護士に聞いた。
●卑劣な行為を禁止した条例とは?
「スカートめくりを行った場合に成立する可能性がある犯罪で、最も考えうるのは、迷惑防止条例違反です。各自治体では、迷惑防止条例が設けられていて、その中で卑猥な行為をすることが禁じられています。
具体的には、着衣の上から人の身体に触ることや、下着をのぞき見たり、撮影したりする行為などが、これに該当するとして禁じられています。
迷惑防止条例というと、痴漢を思い浮かべる人が多いと思いますが、それだけではないのです。また、スカートをめくるに当たって、体を押し付ける、羽交い締めにするなどの行為を行った場合には、強制わいせつ罪が成立する可能性があります」
学校の中であった場合も同様なのか。
「公道で行われた場合でも、学校内で行われた場合でも、事情は変わりません。また、成人がやっても未成年がやっても、変わりません。
一方、未成年者が行った場合には、原則として刑事罰に問われず、保護観察や少年院送致などの保護処分というものが課されるにすぎません。
ただ、現実には、男子中学生がスカートめくりをしただけで、少年院に送られるというケースはほとんどないのではないかと思われます。しかし、学校での評価は当然下がりますし、繰り返すことによって、警察に通報される可能性も否定できません。スカートめくりというと、軽いいたずらというイメージが強いですが、された方には精神的なトラウマが残ることも考えられます。この点は、注意してもらいたいものです」
寺林弁護士はこのように話していた。