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松坂の勇姿を来季こそ見たい! 大幅減俸で契約延長した場合、税金はどうなる?
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松坂の勇姿を来季こそ見たい! 大幅減俸で契約延長した場合、税金はどうなる?

平成の怪物がよみがえる日はやってくるのか。ソフトバンクの松坂大輔投手(36)が3年契約の3年目を迎えたが、一軍登板は昨年の1試合で大炎上しただけで、現在も復帰のめどが立っていない。

その松坂投手について、東スポWeb(8月6日)に驚きの内容が報じられた。球団側として、来季も松坂投手の意思次第で契約をする方向性だというのだ。これまでも大物選手の引き際について、本人の意向に任せており、球団関係者にも復活した姿を見たいという期待もあるそうだ。

ただ、松坂投手は年俸4億円だが、大幅にダウンする可能性がある。過去には、2015年に、年俸5億円だった杉内俊哉投手(巨人)が、自らの申し出で、4億5000万円ダウンの5000万円プラス出来高でサインして話題になった。

もし、松坂投手が、杉内投手と同じように、9割減で、今の4億円から、4000万円までダウンした場合、税金はどう変わるのだろうか。年俸のダウンにより、税金を払えないという事態は生じないのか。李顕史税理士に聞いた。

●4000万円だと住民税しか払えない可能性

そもそもプロ野球選手は確定申告をする必要があるのか。

「2軍に所属しているプロ野球選手でも、一定以上の年収があり、どの選手でも確定申告をする必要があります。なぜなら、プロ野球選手は会社員ではなく個人事業主であり、個人事業主である以上は確定申告が必要となってくるからです。

日本にありがちな実業団に所属するアマチュアスポーツ選手とは違い、プロですからいつ球団から解雇されてもおかしくありません。当然税金についても自己責任です」

松坂選手の場合、税金はどうなることが想定されるのか。

「2017年の推定年俸が4億円ですから、ここから税金を払う必要があります。ちなみに4億円は売上のようなもので、ここから経費を差し引くことができますが、球団からはユニフォームの支給、練習道具が支給され、また移動交通費も支給されるそうで、経費計上には限界があります。せいぜい自主トレーニングにかかる費用や、トレーナーやマッサージに支払う給料くらいでしょう。

納税時期は確定申告時期の2018年3月頃になります。気になる税額は概算で所得税が1億7,800万円、住民税が4,000万円です。4億円のうち、半分以上が税金となる形です。仮に来季の年俸が9割減の4,000万円になったとしたら、住民税と同じ金額になってしまいます。

本来は2017年に支給された年俸から払うのが筋ですが、見方によっては、4,000万円の年俸で住民税を支払うために来季選手生活を続けるということになります。もちろん松坂選手のことですから、税金のことも把握されていて、事前に納税資金を貯めていると思います。ちなみに年俸は一括で払われるのではなく、年俸を12等分して、毎月同じ金額が銀行口座に振り込まれると聞いたことがあります。

最後に松坂選手がもう一花咲かせることを願ってます」

【取材協力税理士】

李 顕史(り・けんじ)税理士

李総合会計事務所所長。一橋大学商学部卒。公認会計士東京会研修委員会委員、東京都大学等委託訓練講座講師。あらた監査法人金融部勤務等を経て、困っている経営者の役に直接立ちたいとの想いから2010年に独立。金融部出身経歴を活かし、銀行等にもアドバイスを行っている。

事務所名 :李総合会計事務所

事務所URL:http://lee-kaikei.jp/

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