
依頼者の決断を尊重し、思いの実現を全力でサポート
幼少期に感じた法律のちから、生活の穏やかさを取り戻し解決をする側の弁護士に
ーー弁護士を目指したきっかけや理由を教えてください。
小学生の頃に、2時間ドラマをよく見ていたのですが、ドラマに出てくる弁護士をはじめとする司法関係者を見て、「かっこいいな」と憧れを抱いていました。法律には、事件を展開させる力があるのだと、子どもながら感じていました。
このように捉えた背景には、私が母子家庭で育ったということもあると思います。私は、父親がいないことを不思議に思っていましたが。母に聞けるものでもなく、友人と気軽に話せる話題でもありません。ドラマにも、私と同じように悩みを抱える登場人物が出てきますが、「自分がこういう人の気持ちを軽くする側になりたい」と思うようになったのが、弁護士を志したきっかです。
ーー地元・岩国を弁護士として活動する拠点に選んだ経緯を教えてください。
大学進学のため上京しました。それから、東京での生活が長くなり、当初は、東京の事務所で働きたいと思っていました。東京には華やかなイメージがあり、人が集まる中心地にいたかったんです。
考え方を変える転機になったのは、司法試験の受験中に、法律事務所でアルバイトをしたことです。その法律事務所の代表から、弁護士数の多い東京で弁護士をやることの厳しさや、東京で働く弁護士のリアルな状況を教えてもらいました。弁護士は、個人事業主ですから、自分の力で生計を立てていくのに、東京に居続けることが私にとって、本当にいいことなのか考えるようになりました。
ちょうどその頃、地元・山口県にある弊所が、インターン生を募集していて、今後の進路を考える上でヒントが得られればと思い、行ってみることにしました。
弊所でのインターンで先輩弁護士の話を聞くと、それぞれに自分を持っていて、外交的なスタイルが特徴だと思いました。地方だからと偏見があったかもしれませんが、実際に行ってみると、東京とは違う時間軸ですごくイキイキと仕事していて、インターンでの経験と自分が弁護士として活動するイメージが合致したんです。
また、弊所が岩国に拠点を増やすことを検討していることも大きかったと思います。地元出身の強みを活かして、キャリアの早いうちからより多くのお客様と関わる方がよいのではないかと考え、弁護士としての第一歩を弊所でスタートすることにしました。
実際に、山口で弁護士として働くようになってからは、やりたかった仕事ができ、周りの人間関係にも恵まれて充実感をもって活動できています。
弁護士として法的に実現可能なことを全力でサポート
ーー注力分野とその分野に注力している理由を教えてください。
離婚・男女問題を始めとする家事事件に注力しています。山口県内は女性弁護士が少ないので、女性弁護士に相談したいという方の相談が多く、自然と注力するようになりました。
ーー仕事をする上で心がけていることは何でしょうか。
3つあります。1つは固定観念を持たないことです。「弁護士はこうあるべき」とか「絶対にこの結論にならないとおかしい」などと思ってしまうと、自分の弁護士活動の幅が狭まるだけでなく、依頼者の利益を損なう可能性もあります。目の前の問題や事情に対して柔軟に対応する姿勢を常に持ち続けたいと思っています。
2つめは、弁護士としては当たり前のことでも、省略せずにきちんと依頼者に説明することです。例えば、和解を前提に話をしている場面で、和解と裁判の判決は別の手続きだということを弁護士は当たり前に理解していますが、依頼者は必ずしもそうではありません。日々仕事をしていると、弁護士として専門知識を知っていて当たり前の感覚に陥りがちですが、依頼者に前提知識を質問されてハッとすることがあります。当たり前のこともきちんと説明するよう意識しています。
3つめは、弁護士としてサポートできることと、依頼者が自分で決断すべきことを線引きすることです。弁護士は法的な手続きについてはサポートできますが、その後の人生はあくまで依頼者自身のもの。自分で決断したからこそ、その後の人生を、納得感をもって歩んでいけると考えているからです。
ーー弁護士として活動をされてきた中で、印象に残っているエピソードを教えてください。
依頼者が親権を希望された、ある離婚事件が印象に残っています。こちら側の状況は非常に難しく、私としても、依頼者の要望に応えられないことにもどかしさを感じることもありました。それでも、私が案件に関わる以上は、この弁護士に依頼してよかったと依頼者に思われるような結果を残したいと思い、弁護士としてできることは全力を尽くそうと取り組みました。
具体的にはお話しできませんが、最終的に、親権以外の条件で想定以上のものを勝ち取ることができました。法的に実現可能な範囲という制限はありますが、希望に可能な限り近づけることができ、印象に残っています。
誰かに話すことで楽になることもある。早めに相談を
ーー下関のメインオフィスから、拠点が地元・岩国に移られました。意気込みを教えてください。
弁護士法人ONEは下関市、宇部市、周南市などの山口県全域における、企業法務、交通事故、相続問題、離婚問題など幅広い分野に対応しており、岩国オフィスは新たな拠点となります。
岩国は、振り返ればいつもある故郷として私の心を守ってくれました。地元へ戻って活動するのは「貢献」という気持ちもあります。また、弁護士登録した頃から青年会議所活動をしており、岩国に移って、一般社団法人岩国青年会議所に加わりました。今後は、弁護士としの業務にとどまらず、故郷のために活動していければと思います。
ーー今後の展望についてお聞かせください。
事務所の岩国オフィスを立ち上げたばかりなので、軌道に乗せることに全力を注いでいます。地域の方々のお悩みを一件でも多く解決していきたいと思います。
分野については、現在は、家事事件が多いですが、分野にとらわれず、広く対応させていただければと思っています。
ーー法律トラブルを抱えて悩んでいる方へメッセージをお願いします。
一人で悩まず、まず弁護士に相談することが大切だと思います。今後の見通しがわかることはもちろんですし、誰かに話すことで自身が抱えている苦しさを緩和できるかもしれません。
また、今後の展開を有利に進めるためにも、早めの相談が大切です。「もっと早く来てくれればもっとできることがあったのに」ということは少なくありません。
弁護士というと、堅いイメージが先行しますが、弁護士も一人の人間ですから、気負わずに相談に来ていただければと思います。