国際・外国人問題の解決事例
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在留資格のない外国人が労災事故について損害賠償請求訴訟を提起した事例

30代 男性
この事例の依頼主 30代 男性

相談前の状況  私はA国人です。来日後、オーバーステイになってしまいましたが、ある工場でプレス工として働くことにしました。契約書の取り交わしなどはなく、勤務初日、社長にちょっと挨拶しただけで、私は同僚になる外国人から機械の操作方法の説明を受け、作業を開始しました。
 私はプレス機を扱うのは初めてでしたので、ゆっくり丁寧に作業していたところ、これを見た社長が、「そんなやり方では効率が悪すぎる。」と言い、プレス機のペダルに足をかけたまま作業するようにと言ってきました。
 プレス機は、ペダルを踏むことでテーブル面が上昇し、金属板をプレスする仕組みになっていましたので、私はペダルに足をかけたまま作業をするのは危険だと思いましたが、いう通りにしないとクビになるのではないかと思い、足をかけたまま作業を再開しました。
 途中、何かの拍子に、テーブル面に置いた金属板がズレたため、私は急いで手で位置を直そうとしましたが、その時、ペダルにかけたままの足を踏み込んでしまいました。
とっさのことで、手を引き抜く暇もなく、私の指は、プレス機にはさまれ、潰れてしまいました。
 私は、病院で治療を受けましたが、利き手の指が2本壊死してしまい、生活上の様々な場面で不自由を強いられることになりました。
 その後、私は労災申請をし、後遺障害等級9級と認定されました。また、労災給付として、診療費や休業補償、障害補償等の給付を受けましたが、会社は、労災でカバーできない慰謝料や逸失利益等については、一切支払おうとしませんでした。
 社長が、危険な姿勢での作業をさせたりしなければ、私は怪我などしなくてすんだはずです。私は会社の無責任な態度に納得できませんでしたので、どうすればよいか、弁護士に相談しました。

解決への流れ  弁護士は、会社に対し、安全配慮義務違反を理由として、損害賠償請求訴訟を提起してくれました。
 その結果、裁判中に和解の機運が出て、私は一定の解決金を受け取ることで訴訟を終わらせることに合意しました。
 あのまま弁護士に相談していなければ、労災給付だけを受け取って帰国していたであろうと思うと、相談して本当に良かったと思います。

関 範子 弁護士 関 範子 弁護士からのコメント  本件は、在留資格のない外国人労働者が、仕事中に起きた事故で負った怪我について、勤務先会社に対し安全配慮義務違反を原因とする債務不履行に基づく損害賠償請求訴訟を提起し、最終的には和解により会社から解決金の支払いを受けた事例です。
 在留資格がなくても、また、雇用契約書の取り交わしがなくても、労災給付を受けたり、雇用主に対して損害賠償請求訴訟を提起することは可能ですので、労災事故でお困りの方は、あきらめず、弁護士に相談されることをお勧めします。

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