- 生活費を入れない
音信不通の相手方に離婚訴訟を提起した例
相談前の状況
私の夫は、理由は不明なのですが、5年ほど前から一切帰宅しなくなり、生活費もくれなくなり、途中から自宅のローンも払わなくなりました。
夫が、従前の勤務先で働いていることはわかっていましたが、現在どこに住んでいるのか、不貞相手がいるのかいないのか、そういったことは、全て謎に包まれたままでした。
子どもは中学生でしたが、父親がこのように家庭を顧みなくなったことがトラウマになってしまったようで、不登校になり、心療内科にかかるようになりました。
私はそんな我が子を抱え、ローンと生活費のために必死で働き続けましたが、ふと我に返り、この先どうすれば良いのか、夫と話し合いもできない状況で、夫との共有名義になっている自宅不動産に、このまま子どもと一緒に住み続けられるのかどうか等、将来に対する不安が一挙に押し寄せてきたため、思い切って弁護士に相談することにしました。
解決への流れ
弁護士に相談するまでは、私は子どもと二人、毎日を何とか生きるのに精いっぱいで、夫とのことをどうするかを、落ち着いて考えることなどできませんでした。
弁護士は、夫のこれまでの態度からして、離婚しか道はないであろうこと、また、話し合いで条件などを決められるとは到底考えられないことから、交渉や調停ではなく離婚訴訟を提起し、養育費、財産分与、慰謝料等、考えうる最大の金銭的請求と、自宅の夫名義の共有持分の移転請求をすることをアドバイスしてくれましたので、代理を依頼しました。
私が日々の生活に忙殺されている間、弁護士は、財産分与の主張に必要な資料を集めたり、書面を作成する等して、離婚訴訟を提起してくれました。
その結果、私は離婚判決を得ましたが、一番の目的であった、自宅の夫名義の共有持分の移転を認めてもらうことができ、また、養育費、財産分与、未払の婚姻費用、慰謝料も、ほぼ請求通りの金額で認めてもらうことができました。
関 範子 弁護士からのコメント
本件では、別居している夫の勤務先だけはわかっていたのですが、住民票が異動されておらず、居住場所はわかりませんでした。
そこで、弁護士であることを伏せて、夫の勤務先に連絡をしてみましたが、何の応答もなく、離婚の話し合いも調停も不可能な状態でした。
そのため、本件ではいきなり離婚訴訟を提起するしかなく、しかも送達先は勤務先にせざるを得ませんでした。
通常、勤務先に裁判所からの書類が届くと、驚いて連絡してくる人の方が多いと思うのですが、本件相談者の夫からは、最後まで、一度たりとも、何の反応もありませんでした。
裁判所も、勤務先に送達がされても何の反応もせず、生活費もローンも全く負担しない夫を、悪質であると思ったに違いありません。判決では、離婚の原因は夫にある、と認定され、当方が請求していた養育費、財産分与、未払の婚姻費用、慰謝料、いずれもほぼ請求通りの金額が認められました。
また、夫との共有名義である自宅不動産は、相談者に取得させるべき、として、夫の持分について、全部移転登記手続をすることが認められました。
相談者は、何よりも自宅にお子さまと住み続けられるかどうかを最も気にかけておられましたので、その点がクリアできたことは本当に良かったと言えるでしょう。
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