相談者から高評価の新着法律相談一覧
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企業法務
【相談の背景】
国内で高いシェアを持つ商材(食品原料)を製造販売しているメーカーです。問屋を通じて全国の顧客に製品を届けており、この度、重要顧客への販売量を増加させるために、問屋に対してリベートを支払う契約を考えています。契約では、年間販売数量が前年を1割以上上回った場合に、超過売上額の20%を割戻すことを定めています。当業界では特段大きな割戻額ではないと認識しています。また、販売数量把握のため、数量報告義務を課しています。
【質問1】
本件商材の国内のシェアは9割以上です。本契約について独禁法上の懸念事項はありますか?スレッドを見る
回答ベストアンサー①リベートが実質的に競争品の取扱いを制限する手段(排他的リベート)として機能し、かつ➁市場における有力な事業者(市場シェア20%超が目安)がそれを用いて競争者を排除する効果をもたらす場合に、独占禁止法違反となります。
本件においては、国内のシェアは9割以上とのことですので、➁は充足していると考えられます。
そこで、①の該当性が問題になりますが、この点については、以下の要素を総合的に考慮して判断されます。
・リベートの水準: リベートの額や割引率が高く設定されているか。
・供与の基準: 取引先の達成可能な範囲で高い水準に設定されているか、また基準が明確か。
・累進度: 取引数量等に応じて累進的に水準が設定されており、その度合いが著しいか。
・遡及性: 基準を超えた際に、それまでの全取引数量に対して遡って適用されるか。
こちらの掲示板の性質上、詳細な事情を追加で伺った上で、総合判断をお示しすることは困難であるため、独禁法を専門とする弁護士に個別にご相談いただくのがよろしいと存じます。 -
企業法務
【相談の背景】
企業の知財業務を担当しています。
特許侵害により損害賠償請求で得た金銭の税務上の取り扱いについて疑問があります。
【質問1】
他社からの損害賠償によって得た金銭は「収入」として課税対象となるのでしょうか?
【質問2】
あえて他社に損害賠償を請求しなかった場合、賠償金相当額が自社から相手方への譲渡として見做されるのでしょうか?スレッドを見る
回答ベストアンサー【ご質問1】
特許権等の侵害に基づき受け取った損害賠償金は、原則として法人税法上の益金の額に算入されます。これは、損害賠償金が「資本等取引以外の取引」に係る収益として、法人税法第22条第2項の規定に基づき益金とされるためです。特許侵害による賠償金は、実質的にその特許権の貸付けに係る対価としての性質を有しており、所得を補填する実質を持つことから、課税対象となります。
【ご質問2】
損害賠償請求権を行使せずに消滅時効を完成させた場合、損金算入として認められるためには、第一に債権が法的に消滅した「法律上の貸倒れ」に該当するか(法基通9-6-1)、あるいは法的な消滅を待たずとも債務者の資産状況から全額回収不能であることが明らかな「事実上の貸倒れ」(法基通9-6-2)の要件を満たす必要があります。いずれの場合も、単なる時効の経過だけでなく、債務者の支払能力や回収不能の事実認定が慎重に判断されます。
一般論としては上記のとおりですが、最終的な結論は具体的な事情を踏まえた個別判断になりますので、税理士にご確認いただければと思います。 -
企業法務
【相談の背景】
契約交渉中ですが、契約の相手方から契約の締結日のバックデートを求められています。契約発効日のバックデートで交渉したのですが、どうしても締結日を遡りたいとの意向があります。
【質問1】
契約締結日のバックデート(契約締結日を偽る)ことは、法的にどのようなリスクがあるでしょうか。契約内容を明確にしていませんので、一般論でになろうかと思いますが、ご教示いただければと思います。
【質問2】
契約締結日を偽ることは私文書偽造に該当する可能性があるでしょうか。
(相手方の署名や印章を偽造するわけではないため、該当しない?)スレッドを見る
回答ベストアンサー【ご質問1】
一般論としては、以下のようなリスクがあります。
1. 民事・実務上の問題
・証拠としての信頼性低下: 作成日を過去に遡る行為は、契約書が真正に成立したことを担保する書証としての信頼性を損なう恐れがあります。
・第三者との関係における不整合: 契約締結日(とされた日)以後に、人事異動や組織変更、役員変更が行われていた場合、契約締結者や部門の権限と日付との間に矛盾が生じ、第三者とのトラブルの原因となります。
・電子契約における可視化: 電子契約ではタイムスタンプが付与されるため、契約書上の日付と実際の署名時刻(文書の存在証明)の乖離が客観的に判明してしまいます。
2. 法令遵守・会計上の問題
・ 取適法では、委託後ただちに書面を交付することが義務付けられているため、後日に遡って契約書を作成する(バックデートする)ことは同法違反となります。
・租税回避・脱税: 会計期間を跨ぐようなバックデートを行い、収益や費用の計上時期を操作することは、脱税や租税回避のために行われるものであり、当然に認められません。
・予算消化目的の不適切処理: 年度内の予算消化のために、担当者が取引先に依頼して実際より前の日付で納品書や請求書を発行させる行為は、会社による隠蔽・仮装と認定されるリスクがあります。
3. 税務上の問題
・重加算税の賦課要件との関係: 判例・裁決によれば、契約締結日をバックデートして記載したこと自体は「事実の仮装」と言い得るものの、その日付が課税仕入れの時期(役務提供の完了日等)の判定要素とならない場合には、「課税標準等又は税額等の計算の基礎となるべき事実」を仮装したことにはならず、重加算税の対象外とされることがあります。
・隠蔽・仮装と認定される場合: 実態のない架空の契約書を作成して交際費課税を免れたり、事実と異なる日付で請求書を発行させたりする行為は、重加算税の賦課対象となる隠蔽・仮装行為とみなされます。
【ご質問2】
ご理解のとおり、私文書偽造には該当しません。 -
不動産・建築
【相談の背景】
当社は商業施設を運営しており、各テナントと「定期建物賃貸借契約」を締結して売場区画を賃貸しています。
その中の1社が2024年8月に代表者死去に伴い契約期間を2年弱残した状態で営業を休止しました。尚、当該会社に対しては江戸川区、及び佐倉市(本店登記)から税金滞納処分に基づく差押のための調査依頼の連絡も受けました。
当該ショップは、店舗後方倉庫及び戸田商品センターに商品(約900万円)、及び什器・備品等(カゴ車4~5台程度)を残置したままの状態で、複数回に渡り書面の送付・会社訪問をするものの、現在まで全く連絡が取れない状態です。尚未収金等はありません。
先日、当該会社の登記簿を確認したところ、同社は1年前(2024年12月)に会社法472条(休眠会社のみなし解散)の規定により、既に解散処理されていることが判明しました。
【質問1】
契約の解除処置、やむなく保管している「商品」及び「什器・備品等」の処置についてアドバイスをお願いいたします。スレッドを見る
回答ベストアンサーご相談者様の施設内に残置された商品や什器・備品等がテナントの所有物であり、またテナントに賃料や原状回復費用の未払いがあれば、テナントの清算事務は終了しておらず、テナントは現在でも株式会社として存続していることになります。
したがって、登記されている清算人に連絡を取り、賃貸借契約書の定めに従い、契約解除、債権債務(未払賃料、原状回復費用、敷金等)の清算、残置物の処理を行えばよろしいと存じます。
実務的には、例えば、ご相談者様と清算人との間で、①両者は賃貸借契約が一定の日をもって終了したことを確認する、➁両者は未払賃料・原状回復費用等と敷金を相殺する、③清算人は残置物の所有権を放棄するといった合意書を締結することになると考えられます。なお、➁の相殺後も未払賃料・原状回復費用等が残る場合には、税理士にご相談の上、貸倒処理をすることが考えられます。 -
労働
【相談の背景】
取締役会の年間予定日策定と、取締役の業務執行状況報告としての「3ヶ月以内に開催」との関係で整理したい点があります。
3ヶ月以内運用については、やむを得ない場合の数日超過は問題なしとして、当社でも監査役の了解の上で、出席取締役の急遽都合により3日超過でリスケ開催した経験はあります。
今回は、年間予定を調整するにあたり、監査役の日程が業務執行状況報告の最初の月(7月)にどうしても合わず、前倒しすると後の報告月日に影響していくこともあり困ってます。
【質問1】
年間予定計画の場合でも、執行状況報告の日程を数日超過する日程で事前に組むことは、法律およびガバナンス上、問題ないでしょうか?
【質問2】
業務執行状況報告の回数を増やすことはなるべくしたくありません(年間4回を5回にして3ヶ月以内維持)。質問1に無理がある場合、他の対応策はありますでしょうか?スレッドを見る
回答ベストアンサー【ご質問1】
取締役会設置会社の取締役は、3か月に1回以上、職務執行の状況を取締役会に報告することを要し(会社法363条2項)、かかる職務執行状況の報告については他の取締役及び監査役全員への通知による報告の省略を認めた同法372条1項の適用もありません(同条2項)。その帰結として、3か月に1回以上の取締役開催が求められるというのが定説です。
したがって、①3か月に1回以上の取締役会開催を予定していたものの、災害などの不可抗力によって結果的に開催できなかったような場合であれば別の議論があり得るかも知れませんが、➁あらかじめ3か月を超える開催間隔を設定することは、会社法に違反すると言わざるを得ません。
【ご質問2】
上記1で述べた次第で、3か月に1回以上の取締役会開催日程を組んだ上で、監査役の都合が付かないのであれば、①電話会議又はオンライン会議で参加してもらうか、➁欠席してもらうのが現実的な対応と思います。監査役は取締役会への出席義務がありますので(同法383条1項)、①がベターです。 -
不動産契約
【相談の背景】
個人事業主でネイルサロンを経営しています。このたび事情があり、従業員の1人に経営権を事業譲渡しようと思います。
以下条件で相場はどれくらいでしょうか。
ちなみに以下内容は、生成AI数ヶ所に打診した平均値です
▪️状況
平均3年で閉店すると言われているネイルサロンで、9年間続いている店舗。
オーナーと従業員2人。
▪️年間売上・利益
1千万円 (利益は250万円程度)
▪️店舗の賃貸借契約
これはすでに従業員に私、不動産会社と契約をし直してもらっています
▪️ 譲渡価格案…この考え方はあり得ますでしょうか。
1️⃣ 有形資産(内装・什器・備品)
• 30万円(初期段階で100万円投資)
2️⃣ 営業権(売上高×0.25倍)
•1千万円 × 0.25 ≒ 250万円
•売上高・固定客・集客力が安定的についています
3️⃣ ブランド・世界観・顧客基盤プレミアム
•9年間築いてきたブランド・差別化・SNS・顧客リスト…50万円
【質問1】
売り渡し価格の相場官のご相談です。
上記合計:30 + 250 + 50 = 330万円
この価格の妥当性はあり得ないものでしょうか。それとも現実離れとまでは言えないでしょうか。スレッドを見る
回答ベストアンサー法的には、事業譲渡の対価については、当事者間で合意した任意の金額に設定することができます。
実務的には、中小企業のM&Aでは、分かりやすくて計算が簡便であるという理由から、「時価純資産プラス営業権法」という計算方法がよく使われており、事業譲渡の場合には、以下の計算式によることになります(以下の説明は、佐竹伸『M&Aコンサルティングの実務(第2版)』71-72頁(2020年、中央経済社)に依拠しています)。
・譲渡対象資産-引き継ぐ負債の時価+のれん代(実質営業利益×2-5倍)=譲渡価格
「実質営業利益」とは、事業の本当の実力を見るために、節税に使った経費などを調整し、再計算した「実力の利益」をいいます。
負債の引継ぎの有無などにもよりますが、このような考え方によれば、お考えの金額は、実務的な相場のレンジに収まっているように思います。
なお、譲渡益の申告など、税務上の処理については、別途税理士にご相談ください。 -
不動産・建築
【相談の背景】
地主で、20年間の借地契約を更新しました。その際の協議事項は更新料のみで、その他は従前の契約内容と同じ内容で更新契約書を締結しました。
ただ、従前の契約内容の更新料は20年前に決めたものなので、現在の相場の2分の1程度です。
更新契約から1年足らずで、借地の増額請求をした場合、相場額への増額は裁判で認めらえるものでしょうか。
本来、更新契約時に地代も見直せばよかったのでしょうが、当時は更新料のことしか意識しておらず、更新料以外の話は一切しませんでした。
【質問1】
合意更新から1年足らずで、賃料増額請求をした場合、認められるか。更新時に賃料の増額協議はしていない場合です。スレッドを見る
回答ベストアンサー「借地契約」とありますので、建物所有を目的とし、借地借家法が適用される賃貸借契約が締結されているとの前提でご回答します。
同法11条1項に基づく賃料増額請求は、当事者間で直近に合意された賃料がその後の事情の変更により不相当となった場合に認められるところ、東京地判平成30年8月10日(2018WLJPCA08108009)は、賃貸借契約の更新に当たり更新契約書が締結され、更新後の賃料として従前と同額の賃料が合意されていた場合でも、賃料についての具体的な交渉がなされたことを示す証拠がなければ、更新契約の締結時は直近合意時点とはならないと判示しています。
同判決によれば、「更新料以外の話は一切しませんでした」との前提事実の下では、20年前に当初の賃料が合意された時点が直近合意地点となり、その後の事情の変更を踏まえて相当賃料が判断されることになります。
なお、実務的には、相当賃料について争いがある場合、裁判所が選任した不動産鑑定士による鑑定によって相当賃料を決するのが一般的です。 -
企業法務
【相談の背景】
株式会社に、屋号というのは考えられるのでしょうか。
通常は、屋号は個人事業主が事業の名称とするものと言われていますが、
株式会社も屋号を用いる、ということが考えられるでしょうか。
【質問1】
株式会社の場合も「屋号」というのは考えらるか。スレッドを見る
回答ベストアンサー株式会社は、「株式会社」という文字が入った「商号」を定款に定めて登記することが求められており、事業の主体を表示する際には、「商号」を用いるのが通常です。したがって、個人事業主のように、事業の主体を表示するために「屋号」を用いることは通常ないと考えられます。
もちろん、例えば「KDDI株式会社」の携帯電話サービスの名称が「au」であるように、商号と異なるブランド名をサービスや商品に付けることはあります。また、「松下電器産業株式会社」が「パナソニック株式会社」に商号変更したように、商号よりブランド名が浸透している等の理由で、ブランド名に合わせて商号変更する例もあります。
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企業法務
【相談の背景】
当社法人です。
メーカーA(商品a製造業者、海外)→代理店B(国内)→当社(国内)→得意先C(国内)
この度、法人である得意先Cに商品aを販売することになりました。
【質問1】
1,契約書を交わさない場合、PL法上の責任を当社は負うのでしょうか?
2,契約書を交わす場合(PL法上の責任については特に条文なし)、PL法上の責任や債務不履行などの契約上の責任は負うのでしょうか?スレッドを見る
回答ベストアンサーご相談者様が、製造物責任法2条3項各号の「製造業者等」の要件に該当すれば、BやCとの契約書の存否にかかわらず、製造物責任を負います。実際にご相談者様が要件に該当するかは、商品の表示内容等によりますので、個別に弁護士にご相談ください。
また、ご質問においては、ご相談者様がBからaを仕入れてCに販売すること、すなわち①B社を売主・ご相談者様を買主とする売買契約と、➁ご相談者様を売先・Cを買主とする売買契約が存在することが前提であると理解されるため、ご相談者様は、BやCとの契約書の存否にかかわらず、①Bに対する買主の債務(代金支払い等)、➁Cに対する売主としての債務(商品引渡し等)を負います。
実務上重要なのは、aに品質上の問題があり、ご相談者様が、(i)エンドユーザーから製造物責任を、(ii)Cから契約不適合責任を追及されたような場合に、Bに責任を転嫁できることです。そのためには、ご相談者様とBとの間で売買契約書を締結し、その中で(i)、(ii)のような事態によってご相談者様が受けた一切の損害(合理的な弁護士費用を含む)につき、Bが補償する旨を規定しておく必要があります。また、Bの支払能力が十分ではなく、Bが補償責任を果たせない可能性がある場合には、ご相談者様において、(i)、(ii)のような事態に備えたPL保険等への加入を検討する必要も出てきます。 -
労働
【相談の背景】
社員が業務中に、パソコンで使用サイトを頻繁に閲覧しているのではないかと苦情がありました。その社員の後ろは壁で人が通ることは出来ません。
知り合いが隠しカメラで確認したと言っていましたが(本人には言っていないようですが)これはまずいですよね?
本人に確認しても否定するだけだと思います、疑いたいわけではありませんが他の社員のこともありますので・・・
どのように確認すればよいでしょうか?
【質問1】
社員の問題行動についてスレッドを見る
回答ベストアンサー使用者が労働者のインターネットのアクセス履歴をモニタリングするためには、個人情報保護法違反及びプライバシー侵害の問題が生じないよう、「ネットワーク利用規程」等の社内規程を制定・周知し、その中でモニタリングについて規定することが一般的です。
ですので、ご相談者様としては、会社の人事部門、あるいは内部通報窓口に私用サイト閲覧の疑惑を伝え、そのような社内規程に基づいて(規程が未存在なら、まず制定・周知の上で)モニタリングを実施してもらうよう要請されるのが、穏当なやり方ではないでしょうか。 -
企業法務
【相談の背景】
民法545条2項で、「2 前項本文の場合において、金銭を返還するときは、その受領の時から利息を付さなければならない。」となっている意味についてお教えください。
売買契約を解除して、支払い済みの売買代金の返還請求をする場合、支払日(受領日)を参入して(初日参入して)利息計算をしていいのでしょうか。
【質問1】
解除に基づく返還請求のときの利息計算は、初日参入するか。スレッドを見る
回答ベストアンサー初日参入されます。
したがって、例えば、売買契約を解除し、民法545条に基づく原状回復として、支払済み代金の返還を求める訴状のよって書きは、「よって、原告は、被告に対し、契約の解除に基づく原状回復請求として、売買代金〇〇万円及びこれに対する代金受領日である令和〇年〇月〇日から支払済みまで民法所定の年3%の割合による利息の支払いを求める。」と記載することになります。 -
企業法務
【相談の背景】
労働派遣契約について
当社法人です。
派遣会社と新規契約時に基本契約書を交わしています。
半年に一回、契約更新という形で派遣契約書(個別契約)が送られてきますが、こちらから記名押印して返すような書式ではないので返送はしていません。
ただ、個別契約には「情報漏洩対策は当社に責任あり」、基本契約は「情報漏洩対策は派遣会社に責任あり」と記載があり、基本契約には「この基本契約は全ての個別契約に適用される」と記載があります。
【質問1】
結局のところ、情報漏洩対策はどちらに責任があるのでしょうか?スレッドを見る
回答ベストアンサー1. 「情報漏洩対策」の具体的な意味がはっきりしない部分がありますが、「派遣労働者が、ご相談者様(派遣先)での就労に際して、ご相談者様が保有する個人データや秘密情報(第三者とのNDAに基づいて秘密保持義務を負う情報)を漏洩しないための合理的な対策」という意味であるとの前提でご回答します。
2. まず、派遣労働者は、ご相談者様にとって、個人データの取扱いについては従業者(個人情報保護法24条)、秘密情報の取扱いについてはNDA上の履行補助者に該当しますので、ご相談者様が上記の意味における「情報漏洩対策」を取らずに派遣労働者が個人データや秘密情報を漏洩させた場合、ご相談者様は、個人情報保護法やNDAに基づく法的責任を負うことになります。したがって、ご相談者様としては、派遣会社との契約内容にかかわらず、上記の意味における「情報漏洩対策」を講じる必要があります。
3. 次に、ご質問の点については、①基本契約と個別契約が矛盾する場合、個別契約が優先すると解するのが一般的であり、➁受領した個別契約書に押印せずとも、ご相談者様が履行行為(個別契約書に規定された派遣労働者の受入れや料金の支払い)を行っていれば、個別契約が成立すると解釈される可能性が相当程度あります。したがって、実務的には、ご相談者様が個別契約に基づく義務を負うことを前提に、その内容(例えば、上記の意味における「情報漏洩対策」以外の義務を課すものか)について派遣会社に確認の上、必要に応じて義務の内容を明確化する覚書を締結することが考えられます。なお、個別契約書において、派遣先が「甲」、派遣会社が「乙」などと略称されている場合、「情報漏洩対策」を講じる主体について「乙」と記載すべきところ、誤って「甲」と記載されており、実は個別契約書と基本契約書に矛盾はないという事態も起こり得ますが、本件はそのようなケースではないと理解しております。 -
企業法務
【相談の背景】
クライアントとの間にて、開発案件が頓挫したことから返金をすることになったのですが、その際にクライアントに決算書、売り上げや現時点での資産や現金がわかる書類をご提出してくれと言われていますが、提出義務はあるのでしょうか?私としては提出したくありません。
【質問1】
決算書や売り上げや現時点での資産や現金がわかる書類をご提出ください。と言われてるのですが、提出する必要はあるのでしょうか?スレッドを見る
回答ベストアンサークライアントとの契約において提出義務が規定されている等の特別な法的根拠がない限り、提出に応じる義務はないと解されます。
ただ、交渉上の観点から申し上げますと、クライアントから返金条件として一括払いや担保・保証人の設定を求められている場合、任意に書類の全部または一部を提出し、ご相談者様の信用状態に問題がない旨を示すことにより、返金条件の緩和(無担保での分割払い等の許容)につながる可能性はあるように思います。
なお、クライアントと返金について合意できた場合、返金条件、ご相談者様が返金以外の損害賠償義務を負わないこと、それまでの成果物の帰属といった点を定めた合意書の締結が必要になります。 -
企業法務
【相談の背景】
太陽光発電施設の管理会社の対応があまりよくないので変更をしようと思っているが、契約書に期間の定めがあっても解約条項がない。
【質問1】
解約条項がない場合は契約書で定められている契約期間は解約ができないのでしょうか?
【質問2】
解約条項がないので、取り決めもなく先方と合意できれば解約できるとは思っていますが、進め方で注意点はありますでしょうか。スレッドを見る
回答【ご質問1】
管理会社との契約の性質は、一般的には準委任か請負に当たることが多いと思いますが、ご相談者様が締結されている契約の性質が準委任であれば民法656条・651条1項により、請負であれば同法641条により、契約に解除条項がなく、また管理会社の債務不履行もなくても、中途解約できる可能性があります(ただし、641条による場合、管理会社が受けた損害の賠償を要します)。
もっとも、民法656条・651条1項及び同法641条は任意規定であるため、特約で排除することが可能です。
契約の性質や中途解約権排除特約の有無については、契約書の記載等を踏まえた事案ごとの判断になりますので、個別に弁護士にご相談されることをお勧めします。
【ご質問2】
ご相談者様の中途解約権が認められず、合意解約として解決する場合には、権利義務の精算の方法や、他に債権債務がないことの確認(清算条項)等を規定した合意書を締結しておくべきです。具体的な内容については、やはり事案ごとの判断になりますので、個別に弁護士にご相談されることをお勧めします。 -
企業法務
【相談の背景】
当社はグループ親会社(A社)の社員を出向にて受け入れております。
此度、当社からグループ外会社(B社)への出向を検討しております。
【質問1】
A社からの出向者をB社へ出向させることは違法行為に該当しますでしょうか。(A社の承諾はあります)
【質問2】
本件が違法でない場合、出向契約は当社とB社の間でのみ締結すればよろしいでしょうか。スレッドを見る
回答まず、出向は労働者供給に該当するとされているため、「業として」行われる場合には,職業安定法44条が禁止する、労働者供給事業に該当します。もっとも、厚生労働業の「労働者供給事業業務取扱要領」によれば、いわゆる在籍型出向と呼ばれているものは、通常、①労働者を離職させるのではなく、関係会社において雇用機会を確保する、②経営指導、技術指導の実施、③職業能力開発の一環として行う、④企業グループ内の人事交流の一環として行う等の目的を有しており、出向が行為として形式的に繰り返し行われたとしても、社会通念上業として行われていると判断し得るものは少ないと考えられるとされています。したがって、A社から貴社の出向についても、①又は④に該当し、労働者供給事業に該当しないと整理されていると思われますが、貴社からグループ外のB社への再出向については、➁や③に該当することを立証できない限り、労働者供給事業に該当すると判断されるリスクが高いです。
次に、A社から貴社への出向については、A社の就業規則の規定を根拠としていると思われますが、このような規定が出向先からグループ外の企業への再出向をもカバーしていることは稀であるため、改めて再出向に関する社員の同意を得なければならない可能性が高いです。
以上より、A社から貴社への出向を一旦解除した上で、A社において、改めてA社からB社への出向を検討してもらうことが無難であり、かつ一般的ではないでしょうか。
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企業法務
【相談の背景】
監理組合、登録支援機関に勤務してます。
理事が退職してますが顧客の役員の方と親密です。
顧客の紹介より紹介してもらった企業へ特定技能の受入をするようです。
理事は登録支援機関を設立して独立及び他の監理組合へ転職します。
その際に顧客のネットワークを活用することに関して、次の懸念があます。
顧客持ち出しによる利益相反リスク 及び信用毀損リスク 。
従って将来的な紹介停止 になるように思います。
また、実際に顧客の一部を持ち出してます。(登録支援機関として自分の設立する機関へ顧客を移動)
【質問1】
これらは、課題的にどのような法令違反になる可能性が、ありますか?
退職した理事の顧客持ち出しての法令違反。
企業役員も会社の顧客を利用して紹介多数料をもらう場合の法令違反などの懸念あればご教示くださいスレッドを見る
回答一般論としては、①元理事の方が持ち出したお勤め先の顧客情報が営業秘密に該当する場合には不正競争防止法違反、➁元理事の方がお勤め先との間でそのような顧客情報の持出しを禁止する旨の誓約書を交わしていた場合には契約違反の責任を負います。
①、➁のような責任が実際に成立するかは具体的な事実関係次第ですが、詳細な事実関係をこちらのような公開の掲示板にご記載いただくのはどうかと思いますので、個別に弁護士にご相談ください。 -
企業法務
【相談の背景】
私はクライアント企業のコストダウンコンサルを行う立場ですが、クライアントが取引を行っている会社の契約条件(手数料、家賃、卸価格等)を教えていただくことが前提です。当然、当社とクライアント間ではNDAを締結するものの、一般的に契約条件は機密情報として、クライアントと取引先間で「第三者への情報開示は不可」と制限があると思っています。
【質問1】
この場合、クライアントは情報漏洩にあたるのでしょうか?よくある「業務に必要な範囲で」という条項があれば抗弁はできるのでしょうか。一概に言えないことは理解しています。
【質問2】
その上で、当社も情報を得た場合、罰せられるリスクはあるのでしょうか?当社とクライアント感には、「クライアントが契約や法も確認した上でNDAを交わす」旨の条項をいれています。
【質問3】
現場サイドでは、相見積もりや競合他社への切り替えの際、条件開示をすることはあると考えていますが、原則論はNGということでしょうか?スレッドを見る
回答【ご質問1】
まず、クライアント・取引先間の契約(取引に関する契約または別途締結したNDA)において、契約条件について守秘義務を課す条項がなければ、クライアントがそれをご相談者様に開示することは問題ありませんので、そのような条項の有無をクライアントにご確認ください(一般論としては、ライセンス契約やFC契約であればほぼ100%そのような条項があるでしょうが、賃貸借契約や取引基本契約であればそのような条項が入っていないケースもままあります)。
次に、クライアント・取引先間の契約において、契約条件について守秘義務を課す条項がある場合であっても、ご指摘のとおり、契約当事者の役職員や外部専門家(弁護士、税理士など)への開示を例外とするケースがよくあるため、そのような例外の有無と、例外が規定されていた場合にはご相談者様への開示を認める表現になっているかをクライアントにご確認ください。
【ご質問2】
クライアントが契約条件について取引先への守秘義務を負っていることを知っている、又は知り得たにもかかわらず、ご相談者様がクライアントに開示させた場合には、取引先がクライアントに対して有する契約上の権利を侵害する不法行為として、取引先に対する損害賠償責任を負う可能性があります。ご相談者様がこのような責任を負わないためには、クライアントから取引先との契約条件の開示を受けるに先立ち、上記1で述べたとおり、両者間の契約においてご相談者様への開示が禁止されていないかをクライアントにご確認ください。
【ご質問3】
ご質問1と同様です。 -
企業法務
【相談の背景】
個人でネイルサロンを経営しているものです。
ホームページ制作契約の解約について相談したいです。支払い遅延が一度でもあれば約160万の制作費を支払いと契約書で交わしてしまっていました。
【契約の概要】
・契約方法:営業電話 → Zoomで契約(クラウドサイン)
・契約時期:2026年2月頃
・契約内容:既存ホームページを「下取り」し、新しいホームページ制作+運用を6年契約
・支払い:月約4〜5万円程度の長期分割 (銀行引き落とし)
【営業時の説明】
・「今日契約しないとこの条件は出せない」と言われ即日契約になった
・現在のホームページの解約費用は「下取りでこちらが負担する」と説明された
・契約書を十分に読む時間はあまりなかった
【現在の状況】
・ホームページはまだ完成していない(制作途中)
・下取り金の振込はまだされていない
・契約から約1ヶ月
・初回2回の銀行振り込みで払う契約手数料(¥1100)支払いができず、支払い遅延が発生
【会社からの請求】
会社から以下の提案がありました。
制作費用の160万を請求
①12回分割
②一括請求 約160万
③解約の場合
・制作費40%:637,780円
・コンテンツ作成費違約金:1,980,000円
・保守管理違約金:118,800円
請求書は来ておらず、LINE上です
【質問1】
12回の分割でも支払いが難しいです。元々の契約の6年での分割での支払いにしていただければ交渉することは可能でしょうか
【質問2】
できれば解約をしたいと考えています。スレッドを見る
回答「③解約の場合
・制作費40%:637,780円
・コンテンツ作成費違約金:1,980,000円
・保守管理違約金:118,800円」
とありますが、これは契約書に規定されている内容でしょうか。
契約書に解約時の支払金額の規定がなく、かつ以下の民法641条の適用が排除されていないのであれば、同条に基づく解除の意思表示をした上で、同条に定める「損害」(①仕事が完成すれば得られたであろう報酬〔費用相当分は除く〕,②解除時までに支出した費用,③解除によって生じた追加費用の合計額から,④解除によって請負人が受けた利益を控除したもの)を支払えば足りる可能性があります。
ーーーーーーーーー
第六百四十一条 請負人が仕事を完成しない間は、注文者は、いつでも損害を賠償して契約の解除をすることができる。
ーーーーーーーーー
これらの点に関する最終的な結論は契約書の具体的な書きぶりによりますので、契約書を持参して個別に弁護士にご相談いただくのがよろしいと存じます。 -
他社との取引や契約
【相談の背景】
【サイト制作の下請けとの債務不履行について】
サイト制作依頼した業者が、品質が低い、返信対応が遅い、抜け漏れが多いことから依頼を中断しました。着手金として半額お支払いしているのですが、こちらから提示した金額の返金に応じてもらず困っています。依頼していた案件は全部で4案件になります。
進捗は各々バラバラですがなんとかこちらが提示した金額を返金してもらいたいです。
【質問1】
修正のコメントを残していたデータが消されて債務不履行の証拠がなかなかあつまらず困っています。
それでも返金してもらうことは可能でしょうか?
【質問2】
民事調停を挟むと予算も膨らむため直接訴訟したいのですが、リスクがあると言われ悩んでいます。こちらどうすれば良いでしょうか?スレッドを見る
回答「サイトの制作依頼」が、準委任契約ではなく請負契約であり、また業者が「品質が低い、返信対応が遅い、抜け漏れが多い」ことを是正しなければ、ご相談者様は部分的にも契約の目的を達成できないことを前提にご回答します。
【ご相談1】
「品質が低い、返信対応が遅い、抜け漏れが多い」というのが、業者は、①請け負った仕事を完成していない、又は➁仕事を一応完成させたが契約の内容に適合していないという意味であれば、ご相談者様から業者に対し、いついつまでに履行しなければ契約を解除する旨の催告を行い、業者が契約内容に適合した仕事を完成させたことを立証できなければ、契約が解除され、業者は着手金の返還義務を負うことになります。この点、請負契約書の別紙又は別途業者と合意した書面として、制作すべきサイトの詳細を定めた要件定義書等があれば、業者はそれを充足したことの証明が必須になります。他方、そのような要件定義書等がない場合、業者は「現状で契約内容に適合した仕事は完成している」と主張してくることが見込まれますが、ご相談者様において、業者とやり取りしたメール、チャット等によって「制作すべきサイトの詳細はこうだった」との反証をすることにより、解除が認められる可能性を高めることができます。
【ご相談2】
訴訟を提起した場合の判決内容が予測できない、勝訴判決を得たものの業者に資産がなく執行できないといったリスクをゼロにすることはできませんが、訴訟を提起する前に、①内容証明を送って交渉で解決を図る、➁業者の資産を仮差押えするといった方策を取ることによってリスクを軽減することが考えられます。具体的な進め方については、個別に弁護士にご相談された方がよろしいと存じます。 -
企業法務
【相談の背景】
私は会社員ですが、会社には社用車がなく、各社員が自家用車を営業に使用しています。
会社名義のガソリンカードを個人個人に支給されて給油をしています。
先日、会社に領収書を提出後に一枚だけ間違った領収書が混ざっていたと指摘がありました。
前に給油していた方のレシートを間違えて持ち帰り、自分のを取り忘れたようです。
クレジットカードなので、会社には正しい金額で請求がきているが、領収書が再発行もできなければ、自費で会社へ振り込めと言われました。
【質問1】
領収書がなくとも請求で明らかに分かるのに、それを社員負担で支払わせるのは法的に問題ないのでしょうか?スレッドを見る
回答有力な学説(川口美貴『労働法 第9版』272頁〔2025年、信山社〕)は、「就業規則の定めは労契法7条又は10条等所定の要件の充足により労働契約の内容となり、内容の合理性を要するところ、少なくとも、業務に伴い当然に発生する費用や使用者の明示又は黙示の指示に基づき必要となる費用・物品を労働者に負担させる定めの合理性は否定されるべきであろう」としています。
このような考え方によれば、クレジットカードの明細などで業務関連費用を支出したことが明らかであるにもかかわらず、領収書がないことを理由に精算を否定する、すなわち業務関連費用を労働者の負担とする社内規定の効力は否定される可能性が高いです。
そのような主張を会社にしても埒が明かなければ、弁護士に依頼するのはコストに見合わないと思いますので、労基署にご相談されてみるのが良いと思います。 -
企業法務
【相談の背景】
当社法人です。
空調関係の工事請負業を行っています。
この度、得意先から事務所に付ける
空調機器の工事請負を受注して、
当社の下請業者であるA社に下請けに出しました。A社はさらに下請けであるB社に仕事を出しました(当社から見たら孫請)
当社とA社が締結した下請基本契約書には契約内容不適合責任の条文があり、そこには「引渡時から1年責任を負う」とあります(恐らくAとBとの請負契約も同じかと思います)
上記工事から7年が経過しましたが、上記工事をした空調機器から出火し、事務所が焼失しました。
調べたところ、B社が通常ではあり得ない方法で工事をしており、それが原因と判断されました。A社もB社がそんなに非常識で工事レベルの低い業者だとは認識していなかったようです(一応、当社は工事施工前にB社を紹介された時にA社には問題ない業者なんですね、と口頭で念押ししてはいます)
尚、得意先に対しては一旦当社が損害額を全額支払い、A社B社に請求したいです。
【質問1】
一般論として、商法526条は悪意の場合は適用ないと思いますが、請負の場合で悪意と同視しうるような重過失の場合でも適用はないのでしょうか?
【質問2】
今回、契約書で契約内容不適合責任につき当事者(当社とA社)の合意で引渡時から一年、としてしまいましたが、今回のようなB社の施工ミス、A社の業者選定ミスでも当社はA社B社に責任を問えないのでしょうか?スレッドを見る
回答第1に、売買ではなく請負であるため、以下の民法637条、及びその特約である、契約不適合責任の追及を引渡し後1年間に限定するご相談者・A社間の契約条項が問題となります。
ーーーーーーーーーー
(目的物の種類又は品質に関する担保責任の期間の制限)
第六百三十七条 前条本文に規定する場合において、注文者がその不適合を知った時から一年以内にその旨を請負人に通知しないときは、注文者は、その不適合を理由として、履行の追完の請求、報酬の減額の請求、損害賠償の請求及び契約の解除をすることができない。
2 前項の規定は、仕事の目的物を注文者に引き渡した時(その引渡しを要しない場合にあっては、仕事が終了した時)において、請負人が同項の不適合を知り、又は重大な過失によって知らなかったときは、適用しない。
ーーーーーーーーーー
第2に、ご相談者様としては、原則として、直接の契約相手であるA社への責任追及を検討することになります。倒産等の理由でA社に支払能力がない場合には、例外的に不法行為に基づいてB社への責任追及を検討する必要も出てくるでしょうが。
第3に、ご相談者様がA社の責任を追及できるかは、契約不適合責任の追及を引渡し後1年間に限定する両社間の契約条項につき、上記の民法637条2項と同様、請負人に悪意又は重過失がある場合には限定を認めないとの解釈が成り立つかによります。A社がB社の工事レベルについて薄々気づいていた場合にはそのような解釈が成り立つ可能性が相当程度ありますが、契約書の作成経緯等、具体的な事実関係を踏まえた判断になりますので、最終的な結論を出すためには、個別に弁護士にご相談されることをお勧めいたします。
第4に、「得意先に対しては一旦当社が損害額を全額支払」うとのことですが、上記の民法637条、及び得意先・ご相談者様間の契約書上、ご相談者様が契約不適合責任を負う期間は未経過であるとの理解で相違ないでしょうか。経過しているにもかかわらずご相談者様が支払いを実施された場合、上記第3でA社の契約不適合責任を追及できる場合であっても、契約不適合と損害の相当因果関係を欠くとして、ご相談者様からA社への求償が認められない可能性が相当程度あります。 -
企業法務
【相談の背景】
「特定商取引法に基づく表示」の電話番号について相談させてください。
当社の営業時間は9時~18時ですが、ネット販売の担当部署は10時~15時が稼働時間となっており、その時間以外は「受付時間外」のガイダンスが流れる電話番号となっています。
現在は代表電話の番号を表示しているためか、当該部署の稼働時間外にも問い合せ電話がかかってきますが、実質的な対応はできないため、翌日かけ直してもらうようお願いしている状況です。
その対応が総務部署の負担になっているほか、消費者側にとっても、解決できないのに時間と電話代のムダが発生していることになるので、代表電話ではなく当該部署の電話番号を表示してはどうかとの話が出ていますが、同法には「確実に連絡が取れる番号を表示する必要がある」との決まりがあることから、判断できずにおります。
【質問1】
このような場合、「特定商取引法に基づく表示」に載せる電話番号は、当該部署の番号にしても差し支えないでしょうか。また、もしNGの場合は、代案等がありましたら具体的にアドバイスをいただけますと幸いです。スレッドを見る
回答以下の消費者庁の文書に照らせば、受付時間外に掛かってきた電話について、「受付時間外であるため、翌営業日に折り返します。ご連絡先を留守電に入れてください。」といったガイダンスを流した上で、折り返し連絡をきちんとすれば、ネット販売の担当部署の番号で問題ないように思います。
https://www.caa.go.jp/law/nal/assets/consumer_transaction_cms202_210201_02.pdf -
労働
【相談の背景】
取締役が5名いる会社で、私も役員の一人として、勤務しています。
4月からの役員報酬について、5名それぞれの役員報酬の見直しを行うと、社長から通告がありました。
ちなみに会社は設立され10年弱経ちますが、これまで株主総会が開催されたことはありません。
【質問1】
私は報酬が月10万下がると言われました。
他の役員の報酬は不明です。
他の役員の報酬について、私が確認する権利はありますか。
また減額されることについて、会社に対抗する手段はありますか。スレッドを見る
回答【他の役員の報酬について、私が確認する権利はありますか。】
ご相談者様が役員を務められている会社の機関設計が不明ですが、少なくとも取締役会設置会社においては、個々の取締役による会計帳簿等閲覧謄写請求権を否定する見解が有力です(東京地判平成23年10月18日金判1421号60頁)。この見解が取締役会非設置会社の取締役にも妥当するか、あるいは株主総会や取締役会の議事録の閲覧謄写請求権が認められるかについては、手元の文献では確認できなかったため、弁護士に依頼して詳細なリサーチを実施する必要があります。
【また減額されることについて、会社に対抗する手段はありますか。】
ご相談者様の現在の報酬額が、定款や株主総会決議(及びそれらの委任を受けた社長等による決定)に基づいて適法に決定されているのであれば、これをご相談者様の同意なく減額することはできませんが、そうでない場合には、会社と争うことにより、「そもそも適法な決定がないので一切払わない」と主張されるリスクがあります(そのような主張は信義則違反で退けられる可能性が相当程度ありますが)。また、支配株主が社長を支持している場合、今回の減額を退けたとしても、任期満了後に再任してもらえなくなるリスクもあります。これらのリスクの評価には、証拠を踏まえた事案の分析が不可欠であるため、対応方針を決定される前に、個別に弁護士に相談されることをお勧めいたします。 -
企業法務
【相談の背景】
当社法人です。
当社→零細企業A→大企業B
零細企業Aに販売するのは、不良債権など心配なので前金交渉を考えましたが、零細企業Aは資金繰りが悪くこちらも危険だと考えております。
【質問1】
知り合いから「直接支払義務型三者間売買契約」なら債権保全できるのでは?と言われました。どのような契約なのでしょうか?スレッドを見る
回答「直接支払義務型三者間売買契約」とは聞きなれない名称ですが、A社のB社に対する債権につき、A社がご相談者様にB社から支払いを受ける代理権を授与し、ご相談者様は①B社から支払いを受けた代金をA社に引き渡す債務と➁A社への代金債権を相殺するとの「代理受領」のことではないでしょうか。
B社がこのような「代理受領」を承認した場合、B社は貴社に断りなくA社に支払うことはできませんが、①B社がA社に対して有する別の債権と相殺したり、➁A社の別の債権者がB社に対する差権を差し押さえたりすることは可能ですので、100%債権保全ができるわけではありません。
お知合いに「直接支払義務型三者間売買契約」とは上記のような「代理受領」ではないかご確認いただき、違うスキームを想定されているようでしたら、具体的内容をご確認の上、改めてご質問ください。 -
企業法務
【相談の背景】
高額コンサル契約の解除および支払停止、返金交渉について相談です。
当社は、1年更新のコンサル契約を締結しており、初期費用として450万円を支払い済み、
月額10万円(教材費名目)+売上150万円超過分の3%の成果報酬を支払う契約内容となっています。
また、途中解約した場合「事業の一切の権利を失う」という条項があります。
2025年6月に事業をオープンしましたが、
それ以降、経営指導・運営支援・集客支援・人材育成など、
コンサルとしての実質的な支援はほぼ受けていない状況です。
にもかかわらず、月額費用の支払いが継続しています。
このような状況から、
① 契約解除
② 月額費用および成果報酬の支払停止
③ 可能であれば初期費用450万円の一部返還
を検討しています。
契約条項の有効性、債務不履行による解除の可否、および返金請求の現実的な可能性について、
消費者契約法および契約法務の観点からご意見を伺いたいです。
同様の高額契約トラブルの対応経験がある弁護士の先生にご相談できれば幸いです。
よろしくお願いいたします。
【質問1】
契約解除、月額費用および成果報酬の支払停止、 可能であれば初期費用450万円の一部返還は可能でしょうか。スレッドを見る
回答「コンサル契約」は、請負ではなく準委任契約として締結されることが一般的であるため、その前提でご回答します。
第1に、ご相談者様は、「当社」と称されており、個人ではないようですので、消費者契約法の適用はありません(同法2条1、3項)。また、公序良俗違反(民法90条)に基づく契約条項無効の主張も事業者間契約では容易に認められません。
第2に、債務不履行(個別の契約条項又は善管注意義務違反)による解除及び損害賠償請求については、契約書に、コンサルが行うべき支援につき、時期、内容、頻度などが具体的に規定されていれば、規定内容と実際の支援内容との乖離によって債務不履行を立証することができます。他方、例えば「経営指導その他の事業支援を適宜行う」といった程度の抽象的な定めしかなければ(当職が最近相談を受けた類似事例では、抽象的な定めしかありませんでした)、コンサルが実施した業務がゼロであるといった極端な場合でない限り、立証は容易ではなく、具体的な事実経緯に基づく立証(コンサルがご相談者様からの問合せに対応しなかった、約束した業務を実施しなかったなど)を踏まえた立証が必要になります。なお、なお、民法656条、652条、620条により、準委任契約の解除には遡及効がありませんので、解除の効果としては、支払いを停止できるにとどまります。
第3に、準委任契約は、民法656条、651条1項に基づき、いつでも解除できるとされていますが、かかる解除権は放棄可能とされていますので、契約書に解除禁止条項がないかご確認ください(当職が最近相談を受けた類似事例では、解除禁止条項がありました)。
第4に、詐欺又は錯誤による準委任契約の取消しが認められれば、支払済み費用の返還を求めることができますが、そのためには、「コンサルが最初から業務を実施するつもりが全くなかった」というレベルの立証が必要であり、極めてハードルが高いように思います。
第5に、期間の満了によって準委任契約を終了させ、その後の支払いを免れることは、契約書の規定に従えば可能ですが、自動更新条項がある場合には、更新を拒絶できる期限にご注意ください。
以上のとおり、契約書の規定内容にもよりますが、上記第5以外の方法はいずれも容易ではなく、また具体的な事実経緯を踏まえた対応を要するため、弁護士に個別にご相談いただいた方が良いと思います。 -
企業法務
【相談の背景】
飲食店の共同経営をしております。
出資比率はAが70%私が30%で営業、経理、発注やスタッフ管理も全て私が行っております。
この度Aが店舗を売却すると言い始めたため、私やスタッフ達はついていかず個人独立することになりました。
これからの事でいくつか質問させていただきたいです。
【質問1】
売却成立時に売却金の中から私の出資した30%分の権利は主張できるのでしょうか?
可能であれば手順を教えてください。
【質問2】
店舗備品や在庫は実費で購入したものは持っていっても問題無いでしょうか?
また仕入れとしていれたもの、冷蔵設備等は購入者のクレジットカード等名義記録があれば所有権を主張できますか?スレッドを見る
回答【ご質問1】
「出資」と【売却】の意味によります。例えば、①「出資」とは、飲食店の経営主体が株式会社であり、A氏が70%、ご相談者様が30%の株式を保有しているとの意味、➁「売却」とは、株式会社の株式100%を第三者に譲渡するとの意味であれば、ご相談者様は売却代金の30%の支払いを受けることができます。そうではなく、例えば、①飲食店はA氏の個人事業であり、ご相談者様は必要資金の30%をA氏に貸し付けているというのが「出資」の意味であり、➁A氏から第三者への事業譲渡が「売却」の意味であれば、ご相談者様は売却代金の支払いを受けることはできず、A氏との金銭消費貸借契約に従って貸付金の返済を受けるにとどまります。このように、本件において、「出資」と「売却」の意味を法的に整理し、そこからご相談者様が有する権利を導き出すためには、証拠を踏まえた具体的な事実関係の確認が必須であるため、個別に弁護士にご相談いただく必要があると思います。
【ご質問2】
ご相談者様が備品等の代金支払いを行われたとしても、例えば、買主は店舗の運営主体であり、ご相談者様は運営主体に代金を貸し付けたにとどまるのであれば、ご相談者様は備品等を持っていくことはできず、貸付金の返還を求める権利のみを有します。そうではなく、備品等の買主はご相談者様であり、それを店舗の運営主体に貸与している(賃貸借又は使用貸借)のであれば、ご相談者様は運営主体との貸借契約に従って備品等の返還を求めることができます。このように、ご質問2についても、証拠を踏まえた具体的な事実関係の確認が必須であるため、個別に弁護士にご相談いただく必要があると思います。 -
企業法務
【相談の背景】
売主から商品の引き渡し期限を過ぎても引き渡しがないので、1月10日までに引き渡すように催告し、同日までに引き渡しがない場合は売買契約を解除するとの内容証明郵便を送付しました。その後も引き渡しはありません。
この場合、売買契約解除日は1月10日が経過した1月11日に解除したことになるのでしょうか。
1月10日に解除したことになるのか1月11日に解除したことになるのか、お教えください。
【質問1】
1月10日までに引き渡しがない場合は契約を解除するとの内容証明を送って解除した場合、解除したのは1月11日か、1月10日か。スレッドを見る
回答催告期間が「経過」したことが履行遅滞解除の要件事実になるところ、催告期間の末日(1/10)が終了するまでは催告期間が「経過」したとは言えませんので、翌1/11が解除日になると解されます。
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不祥事・クレーム対応
【相談の背景】
弊社はトタン等の金属屋根材の製品を販売しております。今回相談させて頂きたいのは約9年前に販売した商品の件になります。
当時金属屋根材とステンレス製のビスを販売したお客様より屋根材を固定しているビスの頭が腐食して一部折れて外れている旨の連絡がありました。現場を確認しに行ったところ、ビスが腐食しており一部折れていました。
折れていないビスも多くが腐食しており今後同様に折れていくものと推察できました。そうなれば屋根材がいつ飛ばされてもおかしくない状況にあります。
使用されているビスをよくみると腐食に強いステンレス製ではなくスチール製(鉄製)だと判明しました。弊社のミスでスチール製のビスを当時納品したものだと思います。
なお、ビスについては自社製品ではなく他業者より仕入たものになります。また、弊社は資材の販売のみを行っており、当時の工事には関与していません。
【質問1】
お客様からは、①ステンレス製のビスの無償提供、②新たにステンレス製ビスを固定する工賃の賠償請求が来ております。
弊社の納品ミスが招いた事ですが、①、②共に要望に応えるべきかご教授いただければ幸いです。スレッドを見る
回答①ご相談者様と販売先がいずれも商人(株式会社など、商行為を業とする者)であること、➁「納品ミス」とは、販売先・ご相談者間の売買契約の目的物が「ステンレス製のビス」であったにもかかわらず、ご相談者様が「スチール製のビス」という別の種類の商品を納入してしまったとの意味であること、③問題の取引から今般のクレームまでの9年間、販売先からご相談者様への連絡はなかったこと、及び④ご相談者様・販売先間で、下記の商法526条1項後段の適用を排除する旨の合意が存在しないことを前提としてご回答いたします。
商人間の売買に関し、問題の取引が行われた当時の商法526条は、以下のとおり規定しています。
ーーーーーーーーーー
第五百二十六条 商人間ノ売買ニ於テ買主カ其目的物ヲ受取リタルトキハ遅滞ナク之ヲ検査シ若シ之ニ瑕疵アルコト又ハ其数量ニ不足アルコトヲ発見シタルトキハ直チニ売主ニ対シテ其通知ヲ発スルニ非サレハ其瑕疵又ハ不足ニ因リテ契約ノ解除又ハ代金減額若クハ損害賠償ノ請求ヲ為スコトヲ得ス売買ノ目的物ニ直チニ発見スルコト能ハサル瑕疵アリタル場合ニ於テ買主カ六个月内ニ之ヲ発見シタルトキ亦同シ
2 前項ノ規定ハ売主ニ悪意アリタル場合ニハ之ヲ適用セス
ーーーーーーーーーー
上記の商法526条1項後段は、売買の目的物に直ちに発見できない瑕疵(本件のような種類に関する契約不適合を含みます)があり、買主が受領から6か月以内にこれを発見した場合、買主は直ちに売主に通知しなければ責任を追及できない旨の定めですが、最高裁は、瑕疵が直ちに発見できないものであるときも、受領後6か月内にその瑕疵を発見して直ちにその旨の通知を発しなければ、買主は売主に対して権利を行使できなくなると解しています(最判昭和47・1・25判時662号85頁)。
したがって、本件においても、ご相談者様が種類違いの「スチール製のビス」であることを知った上で納入したのでなければ(その場合、上記の商法526条2項によって責任を免れません)、上記の商法526条1項後段によって責任を免れると思われます。 -
不祥事・クレーム対応
【相談の背景】
プレハブの倉庫を作っているメーカーの者です。
当社の製品は構造上の理由で至るところに隙間があるため、小さな虫などはどうしても入ってきてしまうのですが、、、
先日購入したお客様が当社の倉庫に食品を保管していたところ、害虫に食われてしまい損害を被ったとのご連絡がありました。
倉庫はそんなに大きくないものなので、中に入っていたものの被害総額は数十万円程度だと思われます。
この隙間について、使用上の注意書きなどは特にしていませんでした。
【質問1】
この被害について損害の補填をしなかった場合、製造物責任法(PL法)に基づいて損害賠償請求される可能性は高いでしょうか?スレッドを見る
回答製造物責任法に基づく責任を追及される可能性が低いことについては、他の先生がご指摘されているとおりですが、ご相談者様と顧客との売買契約において、「目的物たるプレハブ倉庫が害虫の侵入を防ぐ性能を有していること」が契約内容になっていた場合には、契約不適合に基づく損害賠償請求を受ける可能性があります。
この点については、売買契約書の記載に加え、同種のプレハブ倉庫が通常有している性能や、契約成立に至る経緯(例:ご相談者様が顧客から食品保管に用いることの説明を受けていたか)といった具体的事実を踏まえた判断になりますので、顧客から正式に損害賠償請求を受けた時点で、個別に弁護士に相談された方がよろしいと存じます。 -
企業法務
【相談の背景】
一般社団法人の代表理事を務めている者が、
自身が100%株主である株式会社を通じて、当該法人の業務の一部を受託するスキームを検討しています。
当該業務委託は、利益相反取引に該当する前提で、
理事会決議・議事録整備等を含め、適切なガバナンス対応を行うことを想定しています。
また、将来的には当該株式会社について、第三者への株式譲渡(中小企業M&A)を行う可能性があり、
その際のデューデリジェンスや取引実行に耐えうる形で、業務委託契約および意思決定プロセスを設計したいと考えています。
本件は、単なる契約書作成ではなく、スキーム全体が法的に成立するかを含めて整理したいと考えております。
なお、現在、当該一般社団法人と株式会社との間では、給与計算業務を内容とする業務委託取引が既に存在しています。
現行取引の法的位置づけや、利益相反取引としての整理の要否、ならびに将来のM&Aを見据えた場合の是正・再設計の必要性についても併せてご相談したいと考えております。
一般社団法人や中小企業M&A、利益相反取引実務に一定のご経験がある方からのご回答・ご相談を希望します。
【質問1】
・一般社団法人と、代表理事が株主である株式会社との業務委託における法的留意点
【質問2】
・利益相反取引として整理する際の実務上の対応(決議方法・関与制限等)
【質問3】
・将来のM&Aを見据えた場合の、業務委託契約設計上の注意点
【質問4】
・法的に「避けるべき一線」がどこにあるかスレッドを見る
回答※一般社団法人の代表理事は、株式会社の代表取締役を兼務しており、一般社団法人・株式会社間の業務委託契約締結に際し、双方を代表する前提でご回答します。
【ご質問1】
ご理解のとおり、一般社団法人・株式会社の双方において、利益相反取引に関する決議を要します。
また、決議を経たとしても、委託料の多寡等の条件が独立当事者間で合意されるであろうものからかけ離れている場合には、一般社団法人の理事・株式会社の取締役としての善管注意義務違反や、税務上のリスクが生じます。
【ご質問2】
一般社団法人においては社員総会(一般社団法人及び一般財団法人に関する法律(以下「一般社団法人等法」)84条1項2号)の、株式会社においては株主総会(取締役会設置会社であれば取締役会、会社法356条1項2号、365条1項)の利益相反取引承認議を要します。一般社団法人の代表理事・株式会社の代表取締役は、取締役会の承認決議には参加できません(会社法369条2項)。他方、社員総会・株主総会の決議には参加できますが、それによって著しく不当な決議がされた場合には、決議取消訴訟の対象になります(一般社団法人等法266条1項3号、会社法831条1項3号、ただし代表取締役が唯一の株主とのことですので、株主総会の決議取消しは問題になりません)。
【ご質問3】
業務委託契約が期間満了や中途解約によって終了する可能性が高いほど、株式会社のM&Aにおけるバリュエーション上マイナスとなります。特に、業務委託契約が準委任契約である場合には、いつでも中途解約できるのが原則であるため(民法656条・651条1項)、特に問題視されるでしょう。
とは言え、この問題を避けるための契約上の手当て(長期の契約期間の設定や中途解約の禁止)をするほど、取引条件が独立当事者間で合意されるであろうものと乖離し、ご質問1で述べたリスクが高まることになり、悩ましいところです。
【ご質問4】
ご質問1、3について述べたとおり、本件では業務委託契約の具体的な条件設定が鍵になりますので、条件のたたき台ができた時点で、弁護士及び税理士へのご相談が必要と考えます。 -
不動産・建築
【相談の背景】
飲食店を経営しており、賃貸の物件を借りています。
①会社の売却を検討しております。
弊社は合同会社です。株式会社のオーナー様と物件が引き継ぎできることが確定次第、取引き完了となる予定です。
②物件の更新があり、更新するかどうか26年1月末までに回答がほしいと管理会社より12月に言われておりました。(管理会社の対応が遅くまだ回答できておりません。)
┗今回の更新は新しいオーナー様の審査が通るか通らないかで、回答が変わると管理会社へお伝え。
③賃貸借契約書には下記の下記の記載があります。
■第12 条(禁止事項)
下記の各号に定める行為をしてはならない。ただし、あらかじめ文書による甲の承諾を得た場合にはこの限りでない。
(1)賃借権の全部もしくは一部を第三者に譲渡(担保の提供、経営の委任、営業譲渡、又は合併による場合も含む)すること。
■第13条(通知義務)
乙は、次の各号の 一に該当するときは、変更日から起算して7日以内に文書で甲に通知するものとする。
は代表者に変更があったとき。
(1) 入居者、使用者またはレンライ保証人の氏名、商号、住所、本店所在地、電話番号、賃室管理責任者あるいは代表者に変更があった時。
(2)乙の資本構成に重大な変更があった時。
④管理会社より、合同会社で一度解約。新しいオーナー名義で新規契約が必要と言われました。
【質問1】
第13条に変更日後7日以内の通知と記載がありますが、今回一度解約する必要があるのでしょうか。
【質問2】
管理会社の対応がかなり悪いです。一つ連絡すると回答までに2週間はかかり、話が進みません。管理会社が要因で今回の会社売却の話がなくなった際に、訴えなどできますでしょうか。
【質問3】
管理会社から、「若いから。」と差別的な発言もありそれに対して態度がひどいこと指摘するとそれも審査していると脅しのようなことを言われます。また担当者の変更はできないと言われます。業務改善依頼できませんかスレッドを見る
回答【ご質問1について】
①「会社の売却」がご相談者様から買い手に対する合同会社持分の譲渡を意味すること、➁賃貸借契約書に当該譲渡を禁止する他の条項がないこと、③当該譲渡の前後で建物使用の態様に変更はないことを前提にご回答します。
賃借人である合同会社の持分が譲渡されただけでは、合同会社が賃借人であることに変わりありませんので、契約書12条(1)号の「賃借権・・・を第三者に譲渡」に該当しません。また、持分の譲渡は「担保の提供、経営の委任、営業譲渡、又は合併による場合」にも該当しません。
さらに、東京地判平成18年5月15日(判例時報1938号90頁)は、契約書で「株券譲渡、商号、役員変更等による脱法的無断賃借権の譲渡」が禁止されており、「株券譲渡」に該当する、賃借人(Y社)の株式譲渡による経営権の変更があった事案においてすら、Y社の法人格の同一性は失われていないし、法人格が形骸化して買い手の法人格と同一視されるべき状況に至っていない以上、賃借権の譲渡があったものと認められないこと、Y社の賃貸人に対する賃料の支払いの確実性は高まりこそすれ、低くなることはないし、建物使用の態様に変更はなく、Y社の脱法的な意思の存在もうかがわれない以上、「脱法的無断賃借権の譲渡」にも当たらないと判断しました。
したがって、ご相談者様による合同会社の持分の譲渡についても、契約書12条(1)号に抵触する可能性は低く、13条(1)、(2)号による代表者と資本構成の通知さえ行えば、解約は不要である可能性が高いです。
実務的には、買い手に対し、上記の裁判例を引用し、通知だけで物件の引継ぎが可能である可能性が高いことを理解してもらうことが取引完了に向けた鍵となると思います。
【ご質問2、3について】
上記のとおり通知だけで足りる可能性が高いため、管理会社に取り合う必要はないと存じます。
ただ、管理会社が通知を受けたことを否定する可能性がありますので、通知は、賃貸人自身に対し、配達証明付き内容証明郵便で行ってください。 -
債権回収
【相談の背景】
代表取締役が経営状況が悪化した事を他の役員のせいにしています。
具体的には過去10年近く会社の資金ぐりの為、高額なお金を代表自らが会社に何度も承認もなく勝手に貸付しており、それがなくなった事を理由に「自分は債権者だ。お金をかえせ」といい他の役員を理不尽に訴えようとしてます。
【質問1】
そもそも代表取締役が勝手に自分の資金を貸付してるのに、しまいには「そのお金を返せ。私は債権者なんだから経営責任をとらせる」と言い、理不尽に他の役員のせいにできるんでしょうか?
【質問2】
もしそれに戦う場合、証拠を集めるとしたらどういう証拠を集めれば良いのでしょうか?
【質問3】
こんな代表のもとはもう役員をやりたくないから辞任を考えてますが、どうすれば良いのでしょうか?
従業員も理不尽に解雇や降格しようとしており関わりたくないです。スレッドを見る
回答ご相談者様は「役員」とのことですが、株式会社の取締役でいらっしゃるとの前提でご回答します。
【ご質問1】
債権者が取締役の責任を追及できるのは、会社法429条1項(悪意・重過失ある任務懈怠に基づく第三者責任)の要件を満たす場合、具体的には、①取締役の放漫経営や利益相反取引によって会社が損害を被り、その結果債権回収が不可能になったような場合や、➁取締役が返済見込みのない金銭借入れや代金支払い見込みのない商品購入を行ったような場合です。本件では、借入れは代表取締役自身が利益相反取引として行ったようですので、ご相談者様が➁に該当することはありませんし、ご相談者様が真っ当に職務を執行されていたのであれば①に該当することもありません。
【ご質問2】
代表取締役がご相談者様の責任を追及してきた場合の反証としては、取締役議事録等、代表取締役からの借入れやご相談者様の職務執行の経緯を示す社内文書が考えられますが、ご相談者様が訴訟に備えて社内文書を社外に持ち出すことは、ご相談者様による秘密保持義務違反という別の問題を惹起する可能性があります。実際に責任を追及してきた時点で、弁護士に依頼し、証拠保全の申立て(民事訴訟法234条)、文書提出命令の申立て(同法221条1項)といった方法によってそのような社内文書を取得されるのが良いでしょう。
【ご質問3】
取締役はいつでも辞任できるのが原則であり(会社法330条、民法651条1項)、辞任届を配達証明付き内容証明で会社に送付すれば、辞任の意思表示の事実も証明できます。ただし、会社の定款に取締役の最低人数が規定されており、ご相談者様の辞任によって欠員が出る場合には、後任取締役の選任までの間、ご相談者様は取締役としての権利義務を負い続けます(会社法346条1項)。後任が選任されない場合、ご相談者様は、裁判所に仮取締役の選任を申し立てることができます(同条2項)。また、ご相談者様の辞任が会社にとって「不利な時期」に行われた場合、「やむを得ない事由」がない限り、会社に対する損害賠償責任を負います(会社法330条、民法651条2項1号)。本件では「やむを得ない事由」が認められる可能性が高いですが、最終的には裁判所の個別判断ですので、「不利な時期」に該当しないよう、緊急対応を要する職務に区切りを付けられ、引継ぎをした後で辞任されるのが無難です。
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