家事事件を中心に多くの事件を解決「根本的な問題を解決する視点」で相談者の人生を切り開く
大学で出会い、経験した「無料法律相談」
ーー弁護士を目指されたきっかけ、理由を教えてください。
私の母校は東北大学の法学部なのですが、入学した時点では弁護士になることは考えていませんでした。意識が変わったきっかけは、学内の「無料法律相談所」というサークルに参加したことです。
サークルの活動内容は、学生が市民から悩みを聞き、法的な解決策を提案するというもので、弁護士のアドバイスを受けながら回答していました。このとき、現役の弁護士のプロフェッショナルな仕事を間近で見て、とても刺激を受けたんです。「自分も弁護士になりたい」と憧れるようになりました。
サークルの仲間には弁護士を目指している学生が多く、一緒に努力できる友人に恵まれたことにも背中を押され、法科大学院への進学を決めました。
ーーサークルではどんな相談を受けていたのですか。
たとえば「定期貸借している物件を中途解約をしたい」という相談を受けたことがあります。この場合、法律的な回答としては「定期貸借は中途解約はできません」というだけです。
でも、サークルをサポートしてくれていた弁護士の先生は「どうして住宅解約をしたいのか」と、相談者により突っ込んだ質問をして原因を追及したんです。すると「実はその物件を借りたのはDVが原因だった」ということが判明し、「それなら解約についても大事だけれど、まずは元々の原因であるDVを解決しよう」と解決の方針が固まっていきました。
このとき、「相談者の根本的な問題を解決する」という、学生では全く気がつかない視点で、弁護士が相談者の人生を切り開くのを目の当たりにしました。
自分の未熟さを痛感するとともに「プロは、ただ単に法的な回答をするだけではなく、30分や1時間という本当に短い時間で、相談者の人生を大きく変えるようなアドバイスもできるんだ」と感動したことを覚えています。
ーーサークルでの経験が、弁護士を目指すきっかけになったのですね。他にも、打ち込んでいたことはありますか。
東北大学には「無料法律相談所」以外にも法学サークルがいくつかあり、模擬裁判をするサークルの手伝いもしたりして、法学部の学生や関係者とばかり接していましたね。
サークルとアルバイトの時間以外は、ずっと図書館にこもって、民法や刑法など基本科目の勉強をしていました。
でも、法律の勉強が本当に楽しくなったのは、上京して、中央大学の法科大学院に入ってからです。カルチャーショックと言えるくらい環境が変わりました。出身地も大学も違う、様々なバックグラウンドを持つ人たちとコミュニケーションを取り、「出身大学ではどんな勉強していたか」といった情報交換をすることがすごく楽しくて、充実していました。
家族に関する案件を多く担当
ーー注力している分野は何でしょうか。
一番多く手がけているのは離婚に関する相談で、他には相続、後見業務にも注力しています。家族に関する案件が大半を占めていますね。
ーー仕事でどんなことを心がけていますか。
大学時代のサークルで弁護士の先生から教わった、「相談者の話を『聞』くのではなく『聴』きなさい」ということは、今も意識しています。
先生は「耳へんの『聴く』は、人の心の悩みまで傾聴するという意味。相談者の心のことも考え、心を込めてしっかり聴きなさい」と言っていました。
相談者の心情に配慮する、心の奥底にあるものを考える、警察の「聴取」のようにならないよう丁寧に聴く。そう教えられたので、今も、相談者の話をよく聴くことは大事にしています。
もう一つ心がけているのは、「プロフェッション」についてです。
これも大学時代に教わったことで、先生からは「プロフェッションとは、弁護士・医者・聖職者を指し、この三者は、人の心の悩み、人の心の『負』を糧に生きている。だからこそ高い倫理感を持って、真摯に、誠実に仕事に努めなければならない」と言われました。
私もプロフェッションとして、人の人生を背負っていることを常に意識し、誠実に対応することを心がけています。
ーー弁護士として活動してきた中で、印象に残るエピソードを教えてください。
一番最初に担当した事件は印象深いです。DVを受けて、家に子どもを置いて逃げてきた、という母親の相談でした。
まずDVの保護命令、そして置いてきてしまった子どもの引き渡しの手続きを進めました。さらに、母親が安全に生活できる環境を整えたり、外国籍の方だったので通訳を手配したりと、様々な対応が必要で、本を調べ先輩にアドバイスを求めながら必死に動き回ったことを覚えています。
この最初の事件を手がけて以来、監護者指定の事件を多く担当するようになりました。
その中で、父親がある日突然、生後6か月の子どもを連れていなくなってしまった事件がありました。親同士が激しく争い、解決までには時間がかかりましたが、最終的に強制執行をかけて母親のもとに子どもが戻ってきたとき、母親が泣きながら子どもを抱きしめていた姿は、脳裏に焼きついていますね。
弁護士と話すことで解決への道筋が見える
ーープライベートについても伺います。お休みの日は、どのように過ごしますか。
休日も仕事をすることが多いのですが、小さい子どもがいるので、仕事のない日は基本的に子どもとお出かけして楽しんでいます。
埼玉在住の依頼者が多いので、「ここは子どもが楽しそうだった」といったお出かけスポットの情報や、子どもの習い事の情報をいただくこともあり、とても参考になります。
ーー今後の展望をお聞かせください。
コロナの影響もあって、家事事件を取り巻く環境、法制度が大きく変わってきています。裁判所ごとに運用が違うこともあります。
民事裁判でも書面がweb提出になり、調停ではテレビ会議が始まりました。そういった情報にアンテナを張り、実際に施行・運用が始まる前に対策し、できる限り最新の法的サービスを提供できるようにしていきたいです。
ーー法律トラブルを抱えて悩んでいる方へメッセージをお願いします。
弁護士はハードルが高くて相談しにくいと感じるかもしれませんが、実際に相談していただければ「解決への道筋が見えた」と思ってもらえるはずです。勇気を持って一歩踏み出して、相談に来ていただけると、私たちがお役に立てると思います。
セカンドオピニオンとしての相談も歓迎です。複数の弁護士に相談して、一番ご自身に合った弁護士に依頼するのも1つの方法です。
弁護士によって解決方法が違うことも多く、人柄もそれぞれ異なります。自分が「依頼したい」と思える弁護士に出会えるのが一番いいことなので、気兼ねなくご連絡いただけると嬉しいです。