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逮捕された理由すら知らない容疑者がいるーー日弁連、逮捕状などの書面交付求め意見書
日弁連の意見書

逮捕された理由すら知らない容疑者がいるーー日弁連、逮捕状などの書面交付求め意見書

自分がどんな容疑で、なぜ逮捕されたのかも理解していない容疑者がいるーー。日本弁護士連合会は12月8日、逮捕状や勾留状などの書面を、容疑者や弁護人に交付する義務を定める法改正を求める意見書を法務大臣や最高裁長官などに提出した。

現在の刑事訴訟法では、容疑者を逮捕したり勾留したりする際、逮捕状などの書面を容疑者にみせる義務は定められているが、その写しなどを容疑者や弁護人に交付する義務は定められていない。

そのため、逮捕・勾留や、自宅を捜索されるなどした際、容疑者自身が「自分がなぜ逮捕されたのか」「自宅からどんな物が証拠として押収されたのか」といった点を理解していないというケースが少なくないという。また、容疑や差し押さえの内容を精査できないため、弁護人の活動にも支障があるそうだ。

意見書では、逮捕状に基づいて容疑者を逮捕した際は、ただちに容疑者に逮捕状の謄本を交付することや、勾留されている際は容疑者と弁護人に勾留状の謄本と写しを交付する規定を刑事訴訟法に設けることなどを求めている。

日弁連・刑事弁護センター事務局次長の吉岡毅弁護士は「本来、検察官と被疑者・弁護人は対等な立場であるのが刑事手続の原則なのに、現実はそうなっていない。現行の刑事訴訟法は、(容疑者段階で)弁護人が付くことが珍しかった時代の法律のままだ」と現在の運用を批判。「本来当たり前であるはずの原則を実現してほしい」と話している。

(弁護士ドットコムニュース)

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