- 親権
共同親権制度を正しく理解するための基礎知識
相談前の状況
お問い合わせの多い、共同親権についてご案内し、以下の点を一般的な観点からご説明致します。
▶共同親権が導入されると、離婚後も必ず共同親権になってしまうのか。
▶どういった場合に共同親権が認められるのか、あるいは単独親権と判断されるのか
▶別居中でも、夫(妻)から「共同親権にしたい」と言われて不安。どう対応すべきか。
▶共同親権を避けたい場合、どのような証拠や主張が必要なのか。
▶共同親権と監護権の違いがよくわからない。どちらを重視すべきか。
解決への流れ
2026年4月施行の民法改正により、離婚後の親権は
「単独親権」または「共同親権」 のいずれかを選べる制度に変わりました。
ただし、共同親権が「原則」になるわけではなく、子の利益を最優先に判断される点は従来と同じです。
・法務省「父母の離婚後の子の養育に関するルールが改正されました(パンフレット)」
https://www.moj.go.jp/content/001449160.pdf
・法務省「Q&A形式の解説資料(民法編)」
https://www.moj.go.jp/MINJI/minji07_00377.html
1 共同親権が導入されると、離婚後も必ず共同親権になるのか
結論:必ず共同親権になるわけではありません。
法務省Q&Aでも明記されているとおり、
家庭裁判所は
• 父母双方を親権者とする(共同親権)
• 父母の一方を親権者とする(単独親権)
のどちらが 子の利益に最も適うか を個別に判断します。
特に、
• DV・虐待のおそれ
• 高葛藤で協力が困難
• 監護実績が一方に偏っている
などの場合、単独親権が選択されるべきとされています。
2 どういった場合に共同親権が認められるのか/単独親権と判断されるのか
家庭裁判所は、以下の要素を総合的に判断します(法務省Q&Aより)。
■ 共同親権が認められやすいケース
• 父母間のコミュニケーションが可能
• 子の重要事項について協議できる関係性
• 子の安全が確保されている
• 双方が一定の監護実績を有する
■ 単独親権が選択されるケース
• DV・虐待のおそれがある
• 高葛藤で協力が著しく困難
• 一方が監護をほぼ担ってきた
• 相手が子の生活状況を把握していない
• 子の利益を害する行動がある
3 別居中に「共同親権にしたい」と言われて不安な場合の対応
別居中に突然「共同親権を主張する」と言われるケースが急増しています。
しかし、
別居後の監護実績・子の生活状況・安全性が最重要であり、
相手が主張しただけで共同親権が認められるわけではありません。
不安な場合は、
• 別居後の監護状況の記録
• 子の生活の安定性を示す資料
• 相手とのやり取りの保存
などを早期に整理し、弁護士に相談することが重要です。
4 共同親権を避けたい場合に必要な証拠・主張
共同親権を避けたい理由が「感情的な不安」だけでは弱く、
「共同での養育が困難である具体的事情」 を示す必要があります。
■ 有効な証拠の例
• DV・モラハラの証拠(録音・LINE・診断書等)
• 子への危険行為の記録
• 監護実績を示す資料(学校・医療・日常の記録)
• 相手が子の生活を把握していないことを示す資料
• 連絡が取れない・協議ができない状況の記録
法務省Q&Aでも、DVや協力困難なケースでは単独親権が必要とされています。
5 共同親権と監護権の違い
親権=子の重要事項の決定権+財産管理権
監護権=子の日常生活の世話・教育を行う権限
共同親権でも、
監護者(子と同居する親)を一方に定めることが可能で、
監護者は日常の育児を単独で行えます。
小笠原 憲介 弁護士からのコメント
共同親権制度の導入により、
「どうなるのか分からない」という不安を抱える方、あるいは「離婚後も自身も共同親権者として子どもと関わっていきたい」という方が急増しています。
しかし、制度の本質は “子の利益を最優先に判断する” という従来の原則と変わりません。
• 相手が急に親権を主張してきた
• 共同親権を避けたい
• 自身のケースでは共同親権が認められるのか、認められないのか
• 監護実績をどう示せばよいか分からない
こうしたお悩みがあれば、どうぞお気軽にご相談ください。
あなたとお子さまの安全と生活を守るため、最適な対応を一緒に考えていきます。
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