- 給料・残業代請求
就業後の私的滞在を残業とされたが、法的反論で大幅減額に成功したケース(業務外滞在の立証により、残業代請求を抑制し合意退職で解決した事例)
相談前の状況
御相談を受けた中小企業A社では、従業員Bが就業後も会社に残り、私的な勉強や雑談などをして過ごすことが日常化していました。
会社としては、Bが「残業をしている」という申告もなく、業務指示もしていなかったため、当然に残業時間とは認識していませんでした。
A社では、従業員がLINEで日報を送る運用をしていましたが、後日、BはそのLINEの送信時刻や退勤時刻を根拠に「実は毎日残業していた」と主張し、多額の残業代を請求してきました。
さらに、Bが前職でも同様の手口で残業代請求を行っていたことも判明していました。
解決への流れ
訴訟において、以下の点を中心に反論を構築しました。
• 会社は残業を指示していないこと
• 従業員が就業後に会社に残っていたのは、業務とは無関係な私的行為であったこと
• LINEの日報送信時刻は業務時間を示すものではないこと
• 従業員自身が「勉強していた」「雑談していた」と周囲に話していた事実
• 前職でも同様の請求を行っていたことから、請求の信頼性に疑義があること
これらの証拠・証言を丁寧に積み上げた結果、裁判所は従業員の主張する大半の残業時間を認めず、請求額を大幅に減額し、従業員には合意退職してもらい、解決しました。
小笠原 憲介 弁護士からのコメント
【解決のポイント】
• 「黙示の残業指示」があったと誤解されないための立証が重要です
就業後に会社に残っていたとしても、業務指示がなければ残業とは認められません。
ただし、会社側が「黙認していた」と評価されると残業扱いになるため、ここを丁寧に反証する必要があります。
• 日報やLINEの時刻は“残業の証拠”ではないことを説明
送信時刻=労働時間ではないことを、客観的資料や証言で示すことが有効でした。
• 従業員の行動パターンや過去の類似行為も判断材料となる
最終的には、従業員との協議により合意退職で円満に解決しました。
【弁護士を入れるメリット】
①「残業ではない」ことを法的に立証する戦略を構築可能です
労働時間の認定は専門性が高く、会社だけで対応すると不利な判断を受けやすい分野です。弁護士が入ることで、証拠の整理・主張の組み立てを適切に行えます。
②不当な請求に対して、会社の立場を守る交渉が可能となります
従業員側が強気に請求してくるケースでも、弁護士が前面に立つことで、会社が過度に譲歩することを防げます。
③訴訟になっても、会社の負担を最小限にできる
書面作成、証拠提出、裁判所とのやり取りなど、会社が自力で行うのは困難です。
弁護士が代理人として対応することで、経営者は本業に集中できます。
④再発防止策の構築までサポートします
本件のような「ダラダラ残業」問題は、就業規則や運用の見直しで予防できます。
弁護士が継続的に関与することで、同様のトラブルを未然に防げます。
【中小企業様に押さえていただくべきポイント】
本件では以下の点がポイントとなります。
• 残業は「申告制」「許可制」を明確にする
• 私的残留を禁止し、就業後は速やかに退社させる運用を徹底する
• 日報やLINEの運用は、労働時間と混同されないようルール化する
• 労働時間管理の仕組みを整える(勤怠システム導入など)
• トラブル発生時は早期に弁護士へ相談いただく
もし、
• 不当と思われる残業代請求を受けている
• 労働時間管理に不安がある
• 従業員対応で悩んでいる
といったお困りごとがあれば、どうぞお気軽にご相談ください。
会社の状況に応じて、最適な対応方法をご提案し、問題の早期解決と再発防止までしっかりサポートいたします。
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