法テラスで培った経験を地域に還元する~離婚・相続などの家事事件や債務整理に注力
司法過疎地のニーズに応えるために弁護士に
ーー弁護士を目指したきっかけを教えてください。
高校生の頃、私が暮らしている地域は弁護士が1人しかいない司法過疎地だと知りました。法学部に進学し、就職について考えるようになった頃、地元のことが頭に浮かび、司法過疎で困っている人の役に立ちたいと思い、弁護士を目指すことを決めました。
司法試験合格後の司法修習では、司法過疎地の弁護士事務所を訪問する機会がありました。司法過疎地の弁護士事務所には、地域の方々が抱える様々な相談が寄せられます。幅広い分野の相談に対応するのは苦労も多いと思いますが、地域の方々のニーズに応えることはやりがいがあり、地域の貢献にも繋がる意義のあることだと思えました。
司法過疎地の弁護士事務所を実際に見たことで、私も地域に貢献できる弁護士になりたいと、司法過疎地で働く決意を固めました。
ーー現在までのキャリア形成についてお聞かせ下さい。
弁護士登録後、法テラスに入所しました。法テラスには司法へのアクセスが容易でない地域に事務所を設ける「司法過疎対策業務」という取り組みがあります。司法過疎地で地域に貢献したい私の思いと一致するため入所を決めました。
山口県の事務所に7年、千葉県の事務所に3年在籍し、10年の任期満了にともない退職して、2023年に現在の事務所を開設しました。事務所がある千葉市緑区もやはり弁護士の少ない地域です。相談できる弁護士が見つからず困っている方の力になりたいという志を忘れずに、1つひとつの事案に真摯に向き合っています。
ノウハウと経験を活かし、社会福祉分野に注力
ーー注力している分野を教えてください。
法テラスに所属していた頃に相談件数が多かった、離婚や債務整理、成年後見に注力しています。相談件数が多いということは、それだけ困っている人がいるということです。1人でも多くの方の役に立てるように力を入れて取り組んでいます。
また、今後は相続分野にも力を入れていくつもりです。法テラス時代に地方公共団体から「遺言書の書き方」など相続関連の講演依頼を多数受けました。講演を通じて、相続に関心を持っている方が多いことを知ったので、財産を適切に次世代へ受け継ぐためのサポートができるよう、積極的に案件を手がけていきたいと思います。 法テラスでは、社会福祉施設からの相談も多く受けていました。相談内容は、入所者とのトラブルや個人情報保護、入所者の相続や成年後見など多岐にわたります。そうした問題に対応してきた経験を活かして、福祉問題や社会福祉法人の顧問業務にも注力したいと考えています。
ーー仕事をする上で心掛けていることはありますか?
相談に来る方のほとんどは、トラブルを抱えて不安を感じています。弁護士に相談することが初めてで、緊張されている方もいます。ですから、最初の相談では不安や緊張を解消することに努め、丁寧に話を聞くことを心掛けています。
また、話をするときは専門用語を使わず分かりやすい言葉を使い、依頼者がきちんと理解できているか確認しながら説明することを意識しています。
弁護士として当然ですが、どんな事件もできるだけ依頼者の希望に沿った解決を目指しています。中には見通しが厳しい事件もあります。そのような場合でも、厳しい戦いになることを依頼者に伝えた上で、考えられる限りの対応策を提示して、少しでも依頼者の利益を守れるように努めています。
ーーこれまでの活動で印象に残っている案件はありますか?
ある刑事事件加害者の国選弁護人を務めたとき、検察から死刑を求刑されたことがありました。被害者の人数が多く、世間からの関心も高い事件で、加害者側には私を含め4人の弁護士がつきました。
事件の内容からして見通しはかなり厳しいものでした。それでも、依頼者の権利を守るためにできることはすべておこない、減刑を求めて尽力しました。
最終的には、力及ばず、求刑通りの判決が下されました。日本で死刑判決が下される事件は年間に数件ほどです。死刑求刑された事件を担当することは、刑事事件を専門にしている弁護士でもそう多くはないと思います。
そのような事件を担当したことで、依頼者の人生に深く関わることの重大さを痛感しました。事件の大小にかかわらず、弁護士の行動ひとつで結果が大きく変わり、事件終了後の依頼者の人生に影響を及ぼすこともあります。
依頼者の人生の岐路に立ち会っている、その責任の重さを忘れてはならないと自分に言い聞かせ、どんな事件を手がける際にも決して妥協せず、全力を尽くしています。
依頼者の人生をより良くするお手伝い
ーー休日の過ごし方や趣味を教えてください。
休日は子どもと遊んだり、家族で買い物にでかけることが多いです。子どもがまだ幼く元気が溢れているので、一緒にいるとあっという間に1日が終わります(笑)。
最近の趣味は、パイナップルの栽培です。食べ終わったパイナップルのヘタを土に植えると成長するという情報をテレビ番組で知り、試したところ本当に成長したので、面白くてハマってしまいました。
もう10年近く続けていますが、まだ実がなるまでに成長させられたことがありません。もともと暖かい地域に生息する植物なので、寒さに弱く冬が越せないんです。冬を越すことを目標に、ビニールハウスを作ったりして試行錯誤しています。
ーー今後の展望をお聞かせください。
2023年4月に事務所を開設しましたので、まずは地域の皆様に認知していただけるように、実績を積み重ねていきたいと思っています。
また、弁護士が少ない地域ですので、地域密着を事務所の理念とし、離婚・相続・債務整理など個人の方の相談から、企業法務・労働問題対応など企業の相談まで幅広い分野に対応し、地域の司法サービスを担っていきたいと思います。
ーー最後に、法律トラブルを抱えて悩んでいる方に、メッセージをお願いします。
法律トラブルを抱えると、誰でもストレスを感じます。弁護士に相談してアドバイスを受ければ、ストレスも解消されるはずです。
当事務所では、平日に仕事をしている方も相談しやすいように、平日は午後7時まで、土曜日も午前9時~午後5時まで事務所を開いています。依頼者の抱えているストレスを軽くし、今後の人生をより良くするお手伝いをいたしますので、お気軽にご相談下さい。