
「人の役に立ちたい」幼い頃の思いが原動力 依頼者とのコミュニケーションを大切に、紛争解決と防止に尽力
法律の勉強が何よりも楽しかった学生時代
ーー弁護士を目指した理由やきっかけを教えてください。
幼い頃から、将来は人の役に立つ仕事に就きたいと思っていました。弁護士に興味を持ったのは、テレビドラマで弁護士が活躍する姿を見て、やりがいのある仕事だなと思ったことがきっかけです。
大学時代は、仲間と一緒に司法試験の勉強に打ち込む日々を過ごしていました。何よりも勉強が楽しかったです。法律を学ぶうえでは論理的思考力は必要なのですが、私はもともと理系科目が得意だったので、自分に合っていたのかもしれません。
法律を勉強するなかで、法学者や裁判官になることを考えた時期もありました。ただ、司法修習中、自分の裁量で仕事ができ、直接人の役に立てるのは弁護士だとあらためて感じ、この道に進もうと決めました。
トラブル解決にも防止にも、弁護士を活用してほしい
ーーどのような相談が寄せられますか。
最近多いのは交通事故の被害者からの相談です。事務所として力を入れている、中小企業法務と相続の案件も多く手がけています。
ーー交通事故に遭った場合に弁護士に相談するメリットは何でしょうか?
1つは、最終的に受け取れる保険金の金額がアップする可能性が高いことです。弁護士が間に入ると、弁護士基準に基づいて、保険会社が提示するよりも高い保険金を支払うよう交渉します。弁護士が介入すると裁判の可能性が高まりますが、保険会社は裁判を避けたがるため、交渉に応じることが多いです。
また、弁護士に依頼してもらえれば、一般の方が見落としがちな費目もしっかり請求します。たとえば、被害者が主婦の場合、交通事故でケガをしたために家事ができなかった期間の平均賃金を休業損害として賠償してもらえます。家事業務に対して休業損害が認められることは最高裁の判例でも明言されていますが、一般の方は気付きにくいです。弁護士が入った場合、依頼者それぞれの事情を丁寧にヒアリングし、請求すべき費目を適切に算定し保険会社に請求します。
ーーどのタイミングで弁護士に相談すべきでしょうか?
いつでも大丈夫です。不安や疑問が生じたら、自分で対処しようとせずに、なるべく早く弁護士に相談していただければと思います。事故直後、治療中、示談交渉…とそれぞれの段階で気をつけたほうがいいポイントがあるので、状況に応じてアドバイスします。
ーー中小企業法務にも注力しているとのことですが、中小企業にとって弁護士と顧問契約を結ぶメリットは何でしょうか?
1番のメリットは、弁護士と顧問契約を結ぶことで、困ったり疑問が生じたりしたときに、すぐ相談できる相手ができることです。取引を行う前など法律問題が生じる可能性がある行動を起こす前に弁護士に相談することで、後々のトラブル発生を防げます。
また、顧問弁護士は企業の事業内容や組織形態などを把握しているので、相談内容を聞いたらすぐに適切な対応ができます。
ーー相続について、家族間のトラブルを防ぐ方法はありますか?
相続トラブルを防ぐための対策として、代表的なのは遺言書ですが、エンディングノートの作成もおすすめです。遺言書で財産の分け方を指定し、エンディングノートに、なぜそのように財産を分けようと考えたのか書き残しておきます。
相続トラブルの原因は、亡くなった方と家族や、家族同士のコミュニケーション不足だと思います。エンディングノートを通して、財産を残す方自身の最後の思い、つまり「こういう考えで財産を分けたんだよ」という意思が少しでも家族に伝われば、「その意思を尊重しよう」という意識が生じて相続トラブルの防止につながると思います。
こまめに進捗を報告し、依頼者を不安にさせない
ーー仕事をする上で心がけていることはありますか?
依頼者や顧問先に対して、案件の進捗をしっかり報告することです。たとえば、交通事故の後遺障害等級認定では、結果が出るまでに時間がかかります。その間、弁護士から全く連絡がなければ、依頼者は不安に思います。メールや電話で「あなたの案件は今こういう状況ですよ」と説明することで、安心してもらえるように心がけています。
また、顧問先に対しては、お中元やお歳暮を送るタイミングで電話をかけて、「最近、何か困りごとはないですか」と聞くようにしています。会話をするなかで新しい悩みが出てくるかもしれないので、継続的にコミュニケーションをとることを意識しています。
ーー休日のお過ごし方を教えてください。
最近はコロナの影響でなかなか外出できないので、家でゲームをして過ごしています。
中高時代に部活で卓球をやっていて、コロナ前は当時の仲間と毎週集まって練習をしていました。社会人向けの大会にも出たことがありましたが、周りが強い人ばかりで、もっと練習しなければと痛感しましたね。
卓球はテレビで観戦するのも好きです。東京オリンピックで日本代表の選手たちが快挙を成し遂げたことには本当に感動しました。
ーー今後の展望を教えてください。
事務所を今以上に地元に根付かせて、多くの方を法律的にサポートできるよう、注力分野の経験を積み重ねていきたいです。特に、相続トラブル防止に向けた支援にいっそう力を入れていきたいです。
ーー法律トラブルを抱えて、悩んでいる方へのメッセージをお願いします。
トラブルを抱えている方は、「この先どうなってしまうのか」「これ以上状況が悪くなってしまうのか」など、漠然とした不安を感じているかもしれません。
弁護士がもっとも得意とすることは、悩むべきことと悩まなくてもいいことを見極めることだと思います。弁護士から「それは悩む必要のないことですよ」と言われたら、それだけで安心できますよね。悩みが法律で解決すべきことであれば、弁護士が解決に向けてサポートします。
漠然とした不安を解消できると、精神的に楽になると思います。まずは気軽に相談してください。