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上司の私的な誘い拒否→「社会人失格」と書かれたメール届く…セクハラでは?
職場のセクハラは後を絶たない(画像はイメージです)

上司の私的な誘い拒否→「社会人失格」と書かれたメール届く…セクハラでは?

職場の上司からプライベートの誘いを受けて、断わると「社会人失格」「うちの会社には要りません」というメールが届いた―—。そんな内容のツイッター投稿が4月下旬、話題になった。

投稿によると、職場の上司からプライベートな誘いを受けて、何度も断っていると、「失礼だって、思わない?」「『はい、お誘い頂いて嬉しいです♡いつにしますかぁ♡?』くらいは、言えて、当然だと思うよ」「そんな最低限の、礼儀もしらないなんて、社会人失格」というメールが届いたという。

職場の上司からそんな内容のメールが着たら、不快な思いをする人がほとんどだろう。こうした上司の行為は、セクハラにあたらないのだろうか。もし届いたら、どう対応すべきだろうか。大部博之弁護士に聞いた。

●食事やデートを執拗に誘う行為は「セクハラ」だ

「相手の意に反して、食事やデートを執拗に誘うのは、典型的なセクハラ行為です。

これに加えて、誘いを拒絶した相手に対して、それを非難するというのは、同様にセクハラ行為といえます」

大部弁護士はこのように述べる。上司に対して、慰謝料などを求めることはできるのだろうか。

「ただし、誘いを受けた部下から上司に対して、民事上の慰謝料を請求できるかというと別問題です。慰謝料を請求できるためには、違法な人格権侵害といえるかどうかの検討が必要になります。

たとえば、(a)上司と部下の年齢が離れている、(b)上司が既婚者であった、(c)何度も執拗に誘った、(d)誘いを断ったことを非難した、などの事情が加わってくることによって、部下が相当な心理的なストレスを抱えるに至ったと評価できる場合、慰謝料の請求も可能となります」

今回のようなメールが届いたらどのように対応すべきだろうか。

「被害を受けた部下としては、このようなメールがきたときには、上司に対して一切返答をせず、むしろそのメールを証拠として、会社のしかるべき相談窓口(そうした窓口がない場合には人事部)に相談すべきでしょう」

(弁護士ドットコムニュース)

プロフィール

大部 博之
大部 博之(おおべ ひろゆき)弁護士 小笠原六川国際総合法律事務所
2006年弁護士登録。東京大学法学部卒。成城大学法学部講師。主に企業法務、訴訟を扱う。

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