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ネットで恋に落ちた夫が「愛してる」と連呼、限界を迎えた妻「会ったことがなくても不倫だ」と激怒
画像はイメージです(Ushico / PIXTA)

ネットで恋に落ちた夫が「愛してる」と連呼、限界を迎えた妻「会ったことがなくても不倫だ」と激怒

SNSの利用が広まり、ネットで人と交流することは珍しくない。中にはネットでやり取りするだけの恋愛をする人がいるようだ。

弁護士ドットコムにも、「夫が既婚女性とネットで恋愛しています」という相談が寄せられている。

相談者によれば、夫は現実では会ったことのない女性と「好きだ」「愛してる」などのメールを送り合っており、通話アプリで卑わいな会話をしていることもあるという。同じ空間に子どもがいるのに、女性と通話しながら一緒にネットゲームをしていることもあるようだ。

何度も「やめてほしい」と伝えるも、夫は聞く耳を持たない。しまいには「今のままがいい、我慢できないなら離婚も考える」と言ってくるなど、これら夫の行為に相談者は精神的にまいってしまったという。

相談者は相手女性への慰謝料請求だけでなく、夫との離婚も考えているようだが、認められるのだろうか。染川智子弁護士に聞いた。

●慰謝料や離婚の請求が認められる可能性、ゼロではない

――相手女性と現実では会ったことないようですが、それでも慰謝料を請求できますか。

「好きだ」「愛してる」というやり取りは、家族間など恋愛関係にはない親しい間柄でもあり得るものですので、男女間であることだけを理由に、慰謝料の対象になるとは考えにくいでしょう。

一方、夫と女性との間で、性的接触をうかがわせるやり取りや、性交渉・肉体関係などに近いやり取りなど、もはや平穏な夫婦関係を害する行為と認定できるような事実があれば、慰謝料を請求する余地はあると思います。

――相談者は離婚も考えているようです。

やり取りの程度にもよりますが、「好きだ」「愛してる」などの言葉だけでは、離婚事由にはなりにくいと思います。

しかし、やはり性行為に近いやり取りを継続的に行っている状況において、平穏な夫婦関係を害したといえる場合には、婚姻関係を継続し難い重大な事由があるとして、離婚事由になる可能性もないとは言い切れません。

ただし、実際に不貞行為を行っている場合とは異なりますので、離婚事由になるには深刻な場合に限られるでしょう。

●本気でやめさせるのであれば、相手女性に直接伝えるのが効果的

――今回のようなケースで、妻が夫の行為をやめさせるためにはどうすればいいのでしょうか。

夫婦関係では、特に子どもができると、夫が妻を自分の母親に重ねて見ることがあり、妻を女性としてではなく、母親として甘えの対象とすることがあるように思えます。

今回のケースでも、夫は妻の言葉に対して、自分の母親に恋人とのやり取りを止めるよう怒られている程度にしか受け止めていないかもしれませんね。

やめさせるのに一番効果的なのは、妻または妻が依頼した弁護士から、相手女性に直接クレームを伝えることかと思われます。相手女性の特定や接触は難しいかもしれませんので、専門家にご相談されることをおすすめします。

プロフィール

染川 智子
染川 智子(そめかわ さとこ)弁護士 あわざ総合法律事務所
あわざ総合法律事務所(大阪弁護士会)弁護士。 家族にかかわる問題(離婚・相続・少年事件など)を多く取扱う。わかりやすい気さくな説明を心がけ、より満足感の高い解決に重点を置く。駅徒歩0分・カフェスタイルで、男女問わず気軽に利用できる雰囲気を大切にしている。

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